ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2014年6月27日更新
Q.431 酸化ホウ素やホウ酸を用いたセラミック、ガラスは「処理された成形品」に該当するのでしょうか?

酸化ホウ素、ホウ酸を原料に用いたホウケイ酸ガラス等のガラス類はREACH規則ではUVCB物質とされています1)
 UVCB物質とは「Substances of Unknown or Variable composition, Complex reaction products or Biological materials」の略で、組成が未知かまたは不定な構成要素をもつ物質、複雑な反応生成物、または生体物質のことを言います。

ガラスばかりではなく、セラミックも複数の金属酸化物等がその焼成過程で結晶性または部分的に結晶性の固溶体として形成されるため、TSCAインベントリーではUVCB物質として取り扱われています。
 すなわち、原料にホウ酸等のSVHCやバイオサイド物質として管理される物質を含有していても、ガラス中ではケイ素等の他の原料成分を化学結合し、原料物質そのものとして残存することはないとされています2)

つまり、原料である酸化ホウ素やホウ酸は有害であっても、生成物であるガラスは有害ではありません。
 その結果、REACH規則のSVHCの義務は課せられず、同様にご質問のバイオサイド規則は適用されないことになります。
 そのうえ、酸化ホウ素、ホウ酸を原料に用いたホウケイ酸ガラス等のガラス類が「処理された成形品」と見なされる要件として、酸化ホウ素やびホウ酸の組み込みの意図(目的)が、「有害な有機体を無力化する、もしくは被害を発生させない」、すなわちバイオサイド製品としての意図であることが必要となります。

一般的には「有害な有機体を無力化する、もしくは被害を発生させない」意図ではなく、「軟化する温度や硬度を高める」ために、ガラス製造の際に酸化ホウ素やホウ酸を組み入れます。この場合は、バイオサイド製品としての意図がないことになります。
 結果、ご質問の酸化ホウ素、ホウ酸等を原料に用いたガラスは、バイオサイド規則の適用を受けず、「処理された成形品」の要件にも該当しないことから、このガラス製品は「処理された成形品」に該当しないことになります。

1)
http://www.gic.jp/techno/REACH.html
2)
http://www.glassallianceeurope.eu/en/reach
http://www.glassallianceeurope.eu/images/cont/gae-reach-position-paper-on-boron-trioxide_1_file.pdf

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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