ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2013年12月24日更新
Q.416 セルロースにグラフト処理した場合、このポリマーは登録の対象になるでしょうか?

モノマーとポリマーに関連する登録義務については、次のように規定されています。

【REACH規則第6条3項(環境省仮訳)】
ポリマーの製造者又は輸入者はいずれも、以下の2つの条件が満たされる場合には、サプライチェーンの川上の行為者により登録されていないモノマー物質又は他のいかなる物質については、化学物質庁に登録を提出しなければならない。

  • ポリマーが、モノマー単位と化学的に結合した物質の形態で、重量比2%又はそれ以上のモノマー物質又は他の物質からなっていること
  • モノマー物質又は他の物質の合計量が、年間1トン以上であること

他方、ご質問のセルロースは天然に産出するポリマーです。
 「モノマーとポリマーに関するガイダンス」では、天然ポリマー、および、化学的に変性された天然ポリマーについて以下のように説明されています。

3.2.1.3 Case of a natural polymer or a chemically modified natural Polymer」からの回答者抄訳:
「天然ポリマーは、抽出される過程に無関係に、自然に生じる重合過程の結果できるポリマーとして理解される。
 REACH規則第2条9項に従えば、天然ポリマーであろうとなかろうと、第3条5項の定義に合致するいかなるポリマーも登録の必要はない。すなわち、天然ポリマー中のモノマー単位を形成する物質や化学的に結合したその他の物質は、“単離されない中間体(non-isolated intermediates)”として取り扱われ、登録の必要はない。
 化学的に変性された天然ポリマーの場合において、天然起源のブロックを形成するモノマー単位物質や他の化学的に結合した物質もまた“単離されない中間体(non-isolated intermediates)”として扱われて登録の必要はない。
 しかし、天然ポリマーを変性のために使用される第6条の1項と3項の条件に合致するモノマー物質や他の物質については、サプライチェーンで登録されていない限り登録の必要がある。これらの登録の義務は、化学的に変性された天然ポリマーそのものが第3条5項のポリマーの定義に合致しているという条件で適用される」

上記のガイダンスの説明から、ご質問の場合、グラフトに使用されるモノマーは登録の対象になりますが、グラフトポリマーそのものの登録は不要です。登録の義務の対象になるのは、上記説明の第6条3項に該当する条件に合致するグラフト重合に用いるモノマーや化学的に結合するその他の物質です。それらの物質がポリマー中に重量比で2%以上含まれ、年間1トン以上であれば登録が必要です。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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