ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2013年10月25日更新
Q.407 SVHCの候補物質として4ノニルフェノールが第8次、第9次でリストされました。このような物質の場合、計測は二重にすべきなのでしょうか?

2012年12月19日に特定されたSVHC(以下、「第8次」)、および2013年6月20日(以下、「第9次」)で追加されたSVHCの「4-ノニルフェノール化合物」は、それぞれ下記の通り別物質です。

・第8次(2012年12月19日)でSVHCとして特定された【4-ノニルフェノール】(2013年1月18日付けコラム参照)。
 4-ノニルフェノール、分岐および直鎖〔炭素数9個のアルキル基(分岐および直鎖)がフェノール基の4位に結合した物質、個別の異性体、および、これらの混合物で、UVCBおよび組成が特定された物質を含む〕

・第9次(2013年6月20日)でSVHCとして特定された【4-ノニルフェノールエトキシレート】(2013年7月5日付けコラム参照)。
 4-ノニルフェノール、分岐および直鎖〔ノニル基は、炭素数9の直鎖および分岐のアルキル基のすべての異性体の単独物、および混合物(UVCB)がフェノールの4位に結合、エトキシレートの付加数は単一のものからUVCB、ポリマー等すべてのものを含む〕

第8次で特定されたSVHCは、4-ノニルフェノールそのものですが、第9次で特定されたSVHCは、フェノール基にエチレンオキサイド(C2H4O)を付加した化合物、すなわち、4-ノニルフェノールエトキシレートです。
 どちらもノニル基は、炭素数9の直鎖および分岐のアルキルのすべての異性体の単独物、および混合物(UVCB)として同じです。第9次のSVHCのエトキシレートは、フェノールに付加したエチレンオキサイドの付加数については特定されず、単一のものから付加数の異なるポリマー等すべてのものを含むUVCBと定義されるものです。

ご質問のSVHCの含有濃度計算は、特定されたSVHCについて行えばよく、特定されたSVHCに別に特定されたSVHCの一部の基が含まれていても、それぞれの濃度を算出する必要はなく、含有しているSVHCのみについて濃度算出をすればよいことになります。

ご質問のケースでは、第9次で特定された、4-ノニルフェノールエトキシレートを含有している場合は、4-ノニルフェノールエトキシレートについてのみ濃度を算出すればよく、4-ノニルフェノールについての濃度を算出する必要はありません。
 なお、4-ノニルフェノールエトキシレートがSVHCとして特定されたのは、4-ノニルフェノールエトキシレートが環境中に排出された場合に、4-ノニルフェノールエトキシレートが生分解によりノニルフェノールに分解されためで、附属書XVの提案書等に説明があります1)、2)

図-ノニルフェノールエトキシレートの生物学的分解経路例2)
(環境省HP掲載「ノニルフェノールエトキシレートについて」より)

1)
http://echa.europa.eu/documents/10162/f24cf2d8-11d5-4495-9e18-065b34e94e0b

2)
http://www.env.go.jp/council/09water/y094-10/mat04.pdf

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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