ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2013年9月6日更新
Q.400 EUバイオサイド規則のtreated articleとは、当該articleに直接処理した場合のみが対象と考えてよいのでしょうか?

EUバイオサイド規則:(EU)No528/2012(BPR)の解釈は、2012年12月に欧州委員会の環境総局がまとめたNote For Guidance 「Frequently asked questions on Treated article」(Q&A385参照)が参考になります。

まず、「バイオサイド製品」と「Treated article」はBPR第3条で以下のように定義されています。

【バイオサイド製品】
  • 物理的・機械的以外の効力で有害な有機体を無力化する、もしくは被害を発生させないようにコントロールする目的で、使用者に提供する形態において、1つもしくはそれ以上の活性物質を構成、含有、生成する物質、または混合物。
  • 物理的・機械的以外の効力で有害な有機体を無力化、もしくは害を発生させないようにコントロールする目的で、そのものとしては1項に属さない物質・混合物から生み出された物質もしくは混合物。
【Treated article】
  • 処理された成形品とは、1つもしくはそれ以上のバイオサイド製品を処理するか、もしくは意図的に組み入れた物質・混合物もしくは成形品。

上述の「Treated article」の定義についてBPRのFAQでは以下のように説明・解釈しています。

  • 「処理された」とは、混合物、成形品、またはその成分にバイオサイド製品を加えたが、混合物、成形品またはその成分の中に残っていない、もしくは残渣として残っているが、それは製造者の意図ではなかった状態。
  • 「意図的に組み入れた」 とは、「処理された」とは異なり、製造業者が意図的に混合物、成形品またはその成分に、バイオサイド製品が一部として残り、そのことが製造者の意図であった状態。

ご質問の「Treated article」に直接自社でバイオサイド処理した場合だけが規則の対象になると考えるかについて同FAQを参考に考察します。

「複合体の成形品」の項で以下の記載があります(同FAQの15ページ)。

BPRにおいて「Treated article」は、1つもしくはそれ以上のバイオサイド製品を処理するか、もしくは意図的に組み入れた物質・混合物もしくは成形品であると定義しています。従って、車、船、飛行機などを構成する構成品である処理された成形品はBPR第58条の対象となります。
 一方、特に複雑な成形品では、(サプライチェーンの上流段階のような)早い段階で処理された場合には識別が難しいと認識されているため、実用的な運用では、人や環境が処理された構成品に暴露されやすい処理された成形品を集中して管理することになります。

また、同FAQの「製造工程からの残留物」の項で以下の記載があります。

例えば、印刷装置で表面処理されたバイオサイド製品の残留物が残っている紙のように、製造装置の一部の製造プロセスで使用された殺菌処理の残留物である活性物質を含んだ成形品はBPRには該当しない。
Treated articleの定義は「処理された」または「意図的にバイオサイド製品が組み込まれた」であり、製造工程からの残留物がある成形品の場合は、バイオサイド製品が処理に使われていないし、意図的にも含んでいないと判断しているためです。

以上より、基本的には直接自社で処理した場合だけがBPRに該当しているとの解釈はできず、サプライチェーンの上流まで遡って考える必要があります。
 一方、サプライチェーンの上流の製造工程での残渣物などのように適用されない場合もあります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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