ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2013年5月24日更新
Q.386 タック紙(シール)の原料である紙や粘着剤に抗菌剤が使用されていますが、EUへ輸出する場合は成形品として改正バイオサイド規則に該当するのでしょうか?

改正バイオサイド規則((EU)No 528/2012)の関連する用語の定義(第3条)を次に示します。

殺生物性製品(biocidal product)

顧客に提供される時点での性状が物質あるいは混合物であって、単なる物理的、機械的なもの以外の手段によって有害性物に対し、意図的にその駆除、抑制、無害化、活動の阻害化、さもなければそれに支配的影響力を与えるような1つ以上の活性物質から構成される、それを含む、あるいはそれを生成させるもの。
 主たる機能として、殺傷物性を有する処理された成形品(treated article)は殺生物性製品と見做す。

処理された成形品(treated article)

1つ以上の殺生物性製品によって処理された、または、意図的に含有されたあるゆる物質、混合物及び成形品をいう。

FAQでは「既に処理されている、または、それを意図的に含有している」が追加されています。

  • REACH規則の用語の定義(第3条)の適用
    物質(substance)、混合物(mixture)、成形品(article)等

用語の定義を踏まえて、タック紙の原料に使用される紙や粘着剤それぞれについて、使用される抗菌剤が下記のどの事例に該当するか分類して考えます。

  • 事例1:バイオサイド製品で処理された部材を使用した成形品
  • 事例2:バイオサイド製品で処理され、その主要な機能がバイオサイドではない成形品
  • 事例3:バイオサイド製品で処理され、その主要な機能がバイオサイドである成形品

タック紙の主要な機能は粘着することですので、その機能を満たすための粘着機能は主要機能であると思われますが、その粘着剤に含まれる抗菌剤は主要機能にはなりませんので、粘着剤については上記事例2に該当します。
 主たる機能はREACH規則のガイダンスなどを参考に解釈します。

次に、タック紙に使用される紙ですが、紙に抗菌機能を持たせることを主要機能機能と考えるかどうかになります。つまり、抗菌機能をタック紙に意図的に付加し、抗菌機能付タック紙という製品なのか、意図せずに抗菌剤がタック紙に含まれているかを考える必要があります。

用語の定義では、「処理された」とは、「殺生物性製品が物質、混合物または成形品またはその一部として処理されているが、その混合物または成形品がいずれも残らない、または、残ったとしても、処理者の意図とは異なるものである」としています。
 「意図的含有」は「殺生物性製品が成形品中にそのまま留まっておりその一部になっていて、それが、成形品等の製造者の意図である」としています。

前者の場合は事例3に該当し、後者であれば事例2に該当します。
 タック紙の紙と粘着剤が共に事例2に該当する場合は、タック紙は「Treated article」とみなされ、第58条の要求事項をみたさなければなりません。
 また、タック紙の紙が事例3に該当する場合は、成形品としてのタック紙はバイオサイド製品として改正バイオサイド規則に則った当局の認可が必要になります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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