ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2011年10月14日更新
Q.307 弊社は工作機械メーカーです。成形品のSVHC含有量の計算についてですが、0.1%/Wの分母は、成形品全体と解釈されていますが、フランスではその分母を構成する部品毎と官報で通知しています。その場合、RoHS指令の含有量算出と同じレベルで計算しなければならないのでしょうか?

REACH規則における成形品中のSVHC濃度が0.1%以上である場合の届け出(7条2項)および川下ユーザ等への情報伝達(33条)義務に関する成形品中のSVHC濃度の該非判定の単位は成形品全体とされ、SVHC濃度比率の計算では、成形品全体の重量を分母として計算することとされています。

これに対してフランスをはじめ異論を唱えている加盟国もあり、フランスは6月8日、SVHC濃度による情報伝達および届出義務の該非判断にあたって、当該成形品の構成部品単位で判断し、SVHC濃度の計算では、構成部品の重量を分母として計算する旨の官報を公示しました。

RoHS指令においては、均質材料(homogeneous material)あたりに含有される有害化学物質を規制しています。

均質材料に関しては、改正RoHS指令第3条20項において、均質材料を機械的に分離できない材料とし、例としてプラスチック、セラミックス、ガラス、金属、合金、紙、樹脂、コーティングなどが示されています。

一方、6月8日のフランスの官報の内容からは、構成部品とは単独で成形品の定義を満たすことができる成形品中の個々の部品であると解釈できます。

フランスの官報では金属のバックル付きの革ベルトの例が記載されていますが、今回は貴社が工作機械をフランスに輸出した場合の対応を例として考えてみたいと思います。ちなみに革ベルトの例の内容に関してはQ300をご参照ください。

貴社が工作機械をフランスに輸出する場合、SVHC濃度の該非判定およびRoHS指令の有害化学物質含有量算出に関しては以下のような計算を行うことになります。

  1. REACH規則におけるSVHC濃度の該非判定の計算
    工作機械中のワイヤーハーネス等、ネジ、板金、電気部品等の成形品である個々の部品単位の重量を分母として該非判定の計算を行います。
  2. RoHS指令の含有量算出の計算
    前述の均質材料の定義にしたがい、例えば、ワイヤーハーネスの場合は、構成する被覆材料の樹脂や電線等それ以上機械的に分離できない単位の均質材料の重量を分母として含有量の計算を行う必要があります。

このようにフランスが提案している成形品中のSVHC濃度とRoHS指令の均質材料あたりの有害化学物質濃度の算出根拠はレベルが異なっています。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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