ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2011年7月22日更新
Q.295 2011年6月20日にcandidate listに収載された認可対象候補物質のうち、「1,2- ベンゼンカルボ酸、炭素数7-11の分岐および直鎖アルキルエステ類」は具体的にどのような物質が該当するのでしょうか?

1,2- ベンゼンカルボ酸、炭素数7-11の分岐および直鎖アルキルエステル類(DHNUP)はプラスチック製造時に使われるフタレートの一種で、主に電気通信機器の絶縁体用の可塑剤等に使用されている物質です。

DHNUPは生殖有害性があるCMR物質であるということから2011年6月20日にcandidate listに収載され、認可対象候補物質ということになりました。

DHNUPはDiisononyl phthalateのように単独の物質ではなく、UVCB物質(Unknown or Variable Composition Complex Reaction Products Biological Materials:構成が不明もしくは変化する物質、反応生成物および生体物質)になります。そのため、構成物質個々の成形品中の濃度が0.1wt%以下だとしても、UVCB物質自体が認可対象候補物質とされているので、構成物質全体を含めた成形品中の濃度が0.1wt%以上だと、REACH規則第7条と第33条の義務の対象となると考えられます。

具体的にはDHNUPは以下に記すフタル酸類に属する6つの物質の混合物だとされています1)

CAS番号 物質名
3648-20-2 1,2-Benzenedicarboxylic acid, diundecyl ester
68515-44-6 1,2-Benzenedicarboxylic acid, diheptyl ester, branched and linear
68515-45-7 1,2-Benzenedicarboxylic acid, dinonyl ester, branched and linear
111381-89-6 1,2-Benzenedicarboxylic acid, heptyl nonyl ester, branched and linear
111381-90-9 1,2-Benzenedicarboxylic acid, heptyl undecyl ester, branched and linear
111381-91-0 1,2-Benzenedicarboxylic acid, nonyl undecyl ester, branched and linear

なお、REACH規則 附属書XVの「IDENTIFICATION OF SVHC」ではDHNUPの別名として以下の物質名が記載されています。

  1. Dialkyl phthalate (C7-11) branched and linearphthalate ester
  2. 711P
  3. D711P
  4. Di-711-phthalate;
  5. Dialkyl(C7-11-branched and linear) phthalate
  6. Di(heptyl, nonyl, undecyl) phthalate (DHNUP)
  7. Di(heptyl, nonyl, undecyl) phthalate (mixed isomers)
  8. Phthalic acid, dialkyl (C7-C11) ester
  9. Santicizer 711 3

これらの物質名が記載されている物質はDHNUPに該当し、認可対象候補物質となりますので注意が必要です。

1)
http://www.chemicalsubstanceschimiques.gc.ca/challenge-defi/summary-sommaire/batch-lot-6/68515-42-4-eng.php

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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