ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2010年10月29日更新
Q.253 弊社は、コンピュータ周辺機器の設計をして協力企業へ製造委託しています。顧客から、REACH規則への対応でJAMP AISで含有物質の情報提供の要請があります。どのような書類を提出すればよろしいでしょうか?

JAMP AISへの対応をアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP:Joint Article Management Promotion-consortium)の公開資料、説明会資料などから要約してみます。
 貴社が製造しているコンピューター周辺機器は「複合アーティクル」の扱いとなります。複合アーティクルとはつぎのように定義されます。

  1. (1)多数の原部品から構成されている
  2. (2)複数の供給者からの原部品から構成されている
  3. (3)多段階のサプライチェーンの中で組み合わされて構成されている

複合アーティクルのAISは、貴社の製造委託先から入手した複数のAISを統合して作成し、顧客企業に情報提供することになります。これを「複合化」と言いますが、その手順を以下に記載します。

1.複合化の手順

JAMPが提供するAISのExcelシートあるいは「AIS作成支援ツール」から出力されるExcelデータには以下の情報を含みます。

  1. (1)AISに関する情報
  2. (2)発行者会社情報
  3. (3)成形品情報
  4. (4)組成成分情報
  5. (5)その他の情報
  6. (6)伝達すべき情報
  7. (7)成形品あたりの化学物質濃度情報
  8. (8)成形品中の材質情報

貴社での加工を伴わないという前提になりますが、複合化は、複数の原部品AISから「(4)組成成分情報」を抜き出して、複合アーティクルのAISの「(4)組成成分情報」に転記する作業となります。
 ただし、そのままの状態ですと、つぎのような不都合が発生する場合があります。
 ●構成部品点数が多いと膨大なデータ量となってしまう
 ●秘匿したい部品構成や材質情報があってとしても開示されてしまう
 そこで、伝達すべき情報が保持されているという前提条件がつきますが、情報を割愛することが可能です。これを「単純化」と言います。 つぎに単純化についてご説明します。

2.単純化と注意点

単純化とは、共通する材質分類に該当する材質情報に対してそれらの質量を合算し情報を集約することです。このため、報告物質を含む材質用途以外の情報(例えば、公的規格など)が消滅してしまうので、一旦単純化すると元のAISに復元することができなくなります。
 そのため、単純化する前の公的規格を含む情報が必要かどうかを事前に顧客企業に確認しておく必要があり、顧客企業が要望する場合には単純化が適用できなくなります。

なお、JUMP AISの詳細につきましては、JAMPのホームページをご参照ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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