ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2010年5月21日更新
Q.225 成形品本体とその付属品(成形品)を1つの箱に梱包してEUに輸出しています。付属品にはSVHCが0.1wt%以上含まれますが、本体には含まれません。顧客が付属品を本体に接続して使用するのですが、情報提供はどのように考えればいいのでしょうか?

貴社の輸出品である成形品は、成形品本体とその付属品(成形品)を1つの箱に梱包し、顧客は付属品を本体に接続しているということですので、「成形品に含まれる物質に関する要求事項についてのガイダンス」(改定ドラフト2.2版:2010年4月21日)でいう成形品のセットと見なすことができます。

ガイダンスの説明は以下の通りです。
REACH規則第3条(3)では、成形品はつぎのように定義されています。
「成形品とは製造段階に与えられる特定の形状、表面またはデザインが、その化学組成より大きくその機能を決定する物体」
 また、改訂ドラフトの2.2項では、セットで販売される成形品についてはつぎのように説明されています。
「供給されるために単にまとめられた物体のセットは、特定の形状、表面またはデザインが与えられる特別な製造段階はない。それゆえ、物体のセットは、全体を1つの成形品と見ることはできなく、複数の成形品と見なければならない。したがって、一緒に使うために、1つの箱に梱包して、販売される物体は個々に成形品として評価する必要がある」

ご質問では、付属品にSVHCが0.1wt%以上含まれ、本体には含まれていないとのことで、本体と付属品がセットされた全体では、SVHCが0.1wt%未満であるケースは考えられます。しかし、この様な場合であっても、上述の説明から、付属品については、SVHCが0.1wt%以上含まれていますので、情報提供が必要になります。
 提供する情報についてはREACH規則第33条で、少なくとSVHCの名前を含む利用可能な安全な使用を認めるのに必要な情報と記載されているだけで具体的には述べていません。ケースバイケースで変わることになりますが、2008年5月の「成形品に含まれる物質に関する要求事項についてのガイダンス」(環境省仮訳)では必要な情報として以下の項目が例として挙げられていました。
 
(1)物質名
(2)CAS番号
(3)登録番号
(4)分類およびSVHCの特性
(5)成形品中の濃度
(6)適切であれば安全な廃棄を含む、安全な取り扱いに関する情報

利用可能な情報という条件があるとはいえ、これだけの情報を単独で入手・整備しておくことは多くの労力と費用を必要とします。これらの労力を少なくするため、サプライチェーン間の関係を密にし、容易に情報を入手できるようにしておくと共に、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)のMSDSplusやAIS等のツールを利用して、貴社が使用しているSVHCを含む化学物質情報の整備を進めておくことをお勧めします。

なお、SVHCの濃度の計算については、成形品全体とするとなっていますが、これに関しては以前よりEU加盟6カから反対意見が出ています。その反対の状況は現在においても継続しており、今後成形品を構成する部品単位に変更になる可能性も残されています。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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