ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2009年7月31日更新
Q.178 弊社は、EUへ調剤(混合物)を500kg/年程度輸出しています。調剤の中身は、溶剤が90%以上で10%未満がポリマーです。ポリマーを構成するモノマーが認可物質に指定された場合に登録や届出をしなければいけないでしょうか。 1t/年以下なのでモノマーの登録はしていません。また、ユーザーへの情報提供はしなければならないのでしょうか。

REACH規則の主要義務を整理してみます。

調剤の登録要件

調剤自体の輸出量が1t/年以下の輸出量なので、貴社製品の輸出先(EU域内企業)が調剤を構成する物質を登録する義務はありません。

ポリマーの登録要件

ポリマーを構成するモノマーも1t/年以下なので、貴社製品の輸出先(EU域内企業)が登録をする義務はありません。
このようにREACH規則の登録では、物質および調剤、ポリマーと成形品の構成物質が1t/年以上であることが登録や届出に必要な要件の1つになっています。ただし、輸出先(EU域内企業)が貴社以外の他社からも同様の物質を輸入し、輸入総量が1t/年を超える場合には、輸出先(EU域内企業)に登録の義務が生じることになります。

認可対象モノマーの義務

  1. 認可や制限物質の義務
     認可や制限の義務は、1t/年以上の要件はなく、1t/年以下でも適用されます。登録については上記の1t/年以上であることが要件になります。そのため、貴社の場合にはモノマーが認可物質に指定されたとしても、登録の必要はないものと考えます。
  2. 川下企業への情報提供義務
     サプライチェーンにおける情報伝達のルールとして、REACHの第31条に、i)物質または調剤が指令67/548 /EECまたは指令1999/45/ECの危険性の分類基準に該当する場合、ii)物質が附属書XIIIに定めるPBT物質、vPvB物質に該当する場合、iii)上記のi)およびii)以外の理由で、物質が認可対象候補物質とされた場合は、安全性データシート(SDS)を物質または調剤の受給者に提供しなければならないとされています。なお物質、調剤に関する分類、表示、包装については、2009年1月20日にCLP規則(Regulation on Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures)が公布されています。これはi)で示されているこれまでのEUの分類、包装、表示システム(指令67/548/EEC、指令1999/45/EC)を修正・変更して国連が勧告している化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)を導入します。
     REACH規則で導入された分類・表示インベントリーを包含したものになっています。CLP規則によって同じ危険性について世界の他の国と同様の方法で記述および表示が行われることになり、その結果、取引が円滑になるとともに、化学品の有害な影響から人と環境を保護するグローバルな取組みに貢献すると期待されています。

そのため、貴社製品中の物質が認可対象候補物質とされた場合には、これまで、上記i)、ii)に該当していなかった場合でも、安全性データシート(SDS)を作成し、サプライチェーンを構成する川下企業に提供しなければなりません。

したがって、認可対象となるモノマーの現状の情報提供の状況(SDSの提供の有無)によっては、新たにSDSの作成等の業務が貴社で必要になると考えます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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