ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2009年1月16日更新
Q.144 弊社では、制御機器製品をEU域内に輸出していますので、部品中のSVHC15物質の含有濃度を調査していますが、部品の仕入先よりSVHCの含有濃度は機密のため、公開できないという回答がありました。そのため、製品として0.1wt%を超えているかどうか計算できません。機密のために含有データがもらえない場合の法的な対応は記載されているのでしょうか。記載されていない場合、どのような対応をすればよいのでしょうか。

成形品に含まれるcandidate list に記載されたSVHCについては、物質の届出(第7条2)および情報伝達の義務(第33条)があります。
 届出および情報伝達の義務は貴社製品の輸入者にありますが、貴社より必要な情報を輸入者に提供しなければなりません。貴社の国内の仕入先には、情報伝達の法的義務はREACH規則に定められておらず、仕入先からの情報開示はあくまでも貴社と仕入先との商取引契約によることになります。

成形品に含まれる物質の届出は、貴社のサプライチェーンを遡って、物質メーカーがその物質の用途について登録していれば適用除外となるので確認することが必要です。

成形品に含まれる15物質に関する情報伝達の義務はすでに発生しています。0.1wt%を超える濃度で含有している場合には、成形品の安全な使用に十分な情報(少なくとも物質名を含む)を、消費者の求めに応じ提供しなければなりません。また、成形品の受領者に対しても提供が必要です。いかなる場合でも(トン数などの免除条件はなく)、成形品に含まれるSVHCの名称に加えて、平均濃度(秘密保護のため濃度幅でも可)、安全な使用のために必要な情報を提供しなければなりません。

サプライチェーンの複雑性、成形品に含まれる物質の濃度に関する秘密性のために情報収集は困難となりがちですので、サプライチェーンとの十分なコミュニケーションが最重要となります。日本には川下ユーザーへの情報伝達の仕組みがないので、仕入先がREACH規則をよく理解できておらず、企業秘密の開示要求としてのみ捉えている場合もありますので、理解を得る状況説明も必要になります。

手順が示されています。詳細はガイダンス(環境省仮訳 成形品ガイダンス)を参照ください。

ここでは情報入手のステップに関して述べます。
 ◆第33条および第7条2が適用されるかのチェック手順
 (1)SVHCに関する情報入手

  • 成形品の仕入先との情報交換(最良の方法)
  • 物質/調剤の証拠文書
    SVHCの特定、分類および濃度幅、SDS、第32条情報。
 (2)SVHCを含有する成形品かの決定
  • 遵守のチェックを証明する記録
    仕入先のSVHCを使用していないことの宣言、成形品に含まれる濃度が0.1wt%以下であることを証明する計算、取引契約の実施状況・監査などの記録。
  • ほかの類似成形品に含まれる特定物質の制限・禁止する法律等の参照
  • SVHCの含有を排除できないときや標準的情報が入手できないときの対応
    物質/調剤の供給者に、登録番号、SVHCの名称と濃度幅の要求。
    成形部品の供給者に、0.1wt%を超えて含有しないかの確認、または成形品中のSVHCの名称と濃度幅の要求。
  • 最後の手段として化学分析

  • EUでの遵法活動と証明の基本はデューデリジェンスです。すなわち、当然に実施すべき管理活動を積極的に遂行し、相当な注意を払ってあらゆる適正処置をとることや各ステップで適切なチェックをし、活動の記録を残すことがポイントとなります。

    REACHには物質の有害性とリスクについて伝達することが重要な目的でもあります。多くの場合、サプライチェーンの関係者によってのみ情報入手可能ですので、貴社のサプライチェーンとのコミュニケーションを十分に行う仕組みをつくることが重要と考えます。

    なお、関連する事項が 2008.12.26のコラム『川中企業への「SVHC」の情報提供要求について』にありますので、参考にしてください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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