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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

Q&A

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Q.143
弊社はステンレスパイプを扱っております。このたび、複数の客先よりさまざまな形式でREACH規則についての提出書類を求められました。その中で「対象範囲に製造工程も含む」との欄がありました。ステンレスパイプそのものにREACH規制物質がなくてもパイプの製造工程などで使用する潤滑剤などにREACH規制物質が含まれる可能性がある場合は、どのような対処が適正でしょうか。

A.143

まずREACH規則はEUへの輸出者がすべての義務を負い、日本国内の企業に直接的に規制はされません。このため、EUへの輸出者が、サプライヤーから購入する製品、部品の型番や製造工程、使用薬剤などの把握により、化学物質含有状況を知るために製造工程調査を重視しています。
 例えば、製造工程でSVHCなどが使われていれば、製品混入が危惧されます。SVHCが部材に含有する可能性のある重要管理工程の判断をするために、製造工程の把握をする必要があります。
 一般的な潮流として、「知る権利」と「知らせる義務」で自社使用化学物質は情報開示するようになっています。

このような状況から、サプライヤーはグローバル展開をする各業界(輸出企業各社)からREACHなどの規則や法令遵守、市場からの要求によって製品含有化学物質に関する詳細な情報の記録・開示が求められています。EUへの輸出者は、「規則や法令を遵守すること」「製品デザインや品質を向上させること」「顧客や利害関係者からの問い合わせに答えること」が強く求められます。そのため、グリーン調達調査書などを作成し、サプライヤーに情報開示を求めます。一方、情報伝達の要となるべき川中企業、中小サプライヤーはその対応が困難な企業が多く、サプライチェーン(SC)全体での情報伝達管理体制が重要になります。
 こうしたSCにおける化学物質情報伝達の支援のために、SC関連企業で作る協議会(JAMP)がガイドライン(製品含有化学物質管理ガイドラインなど)を出しています。

JAMPのAIS、MSDSplusのガイドラインが製品含有化学物質管理の要点を次のように説明しています。

(1)購入品の含有化学物質情報の入手
 物質、調剤、成形品ごとに含有化学物質情報を入手し、信頼性向上を図る。

(2)製造工程で自社製品を製造
 「製造工程の諸情報」、「誤使用」、「混入・汚染防止」、その他の管理徹底による信頼性向上を図る。具体的には、混合工程や製造・乾燥工程など『配合・分配・熱分解』など含有化学物質濃度が変化する可能性がある工程における含有濃度算出。成形条件変化や不明分解物・反応による副生成物発生など含有濃度や含有物質の変化の可能性のある工程管理のルール決め。ルールとしては予防手段、検出手段、異常時の対処法、原因と恒久対策など。

(3)販売製品の含有化学物質情報の提供
 物質、調剤、成形品ごとに提供する含有化学物質情報の信頼性向上を図る。

特に、物質や調剤から成形品に転換される工程が最重要工程になりますので、相当する川中企業は、上記の3つの工程管理(購買・製造・販売を含む)に留意され対策されることが重要となります。
 詳細は、「JAMP」のホームページなどをご参照ください。

また、CSRの観点での要求もあります。
 企業に対して、環境への配慮、従業員の人権保護、消費者の健康と安全への配慮など社会的に責任ある行動(CSR)を求める声が高まっています。欧米では、経済的利益提供、環境配慮と並ぶマネジメントの中核的要素としてCSRを位置付けております。また、世界各国でCSRの欠如による不買運動発生も目立ちます。

こうしたCSR重視の潮流を受け、日本企業においても、企業戦略としてのCSR経営を重視し、CSR調達基準などを設定、サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)戦略の要としております。各業界の大手メーカーは、独自の監査基準を設け、取引先状況調査の動きを強めています。その調査範囲は、情報開示、コンプライアンス、危機管理、環境マネジメントの構築、製造工程調査など、踏み込んだ内容が見られます。

したがって、今後は、REACH規則対応のみならず、製造工程管理改善、労働環境保全、消費者の健康・安全配慮など広く視野を広げて、CSR全体を対象にした会社の経営戦略を構築していく必要があります。

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中小機構「中小企業国際化支援アドバイス

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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