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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

Q&A

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Q.106
当社は、電子部品の製造メーカーです。電子部品の吸湿防止のためシリカゲルパックを入れて、欧州へ輸出しています。シリカゲルパックのシリカゲルは、化学物質・混合物になるのでしょうか、それともアーティクルになるのでしょうか。混合物かアーティクルかによって対応の仕方が大きく変わってきます。なお、当社以外にシリカゲルを入れて輸出するケースは、多数あると思います。

A.106

2011年4月に公表されました「Guidance on requirements for substances in articles」に、対象物が成形品であるか物質/混合物であるかの区別するための判断フローが示されています1)、2)

対象物が成形品であるかの区別の判断のフローは下図の通りです。

各ステップでは、下記の判断をします。

ステップ1:対象物の全体機能を決定

ステップ2:対象物が成形品であるかどうかは、その対象物の機能を実現するために、その物理的な形状と化学的な特性のどちらが重要であるかを比較することにより決定できる。
対象物の形状、表面やデザインが、その化学組成よりも、その機能の発現に関連すると明確に結論できれば、その対象物は成形品である。対象物の形状、表面やデザインが、その化学組成よりも、その機能の発現に同等以下にしか関連しなければ、その対象物は物質または混合物である。明確な結論が出なければ、ステップ3に進む。

ステップ3:非常に単純な、または、高度に洗練された方法で作られた対象物が、物理的に分離することができる物質または混合物を含んでいるかを判断する(注ぎだす、または絞り出すなどの方法によって)。その物質または混合物は、固体、液体または気体の何れの状態でも良いが、対象物の内部に存在するか、対象物の表面にある。もしこれに該当するならば、ステップ4に進む。

ステップ4:

設問4a:物質/混合物が対象物から除去あるいは分離され、対象物とは独立して使用される場合、物質/混合物が原理的にステップ1で特定された機能を発揮することができるか?

設問4b:対象物は、物質/混合物あるいはその反応生成物の、放出またはコントロール・デリバリーのための容器またはキャリアーか?

設問4c:物質/混合物は、対象物の使用段階で消費されるか除去され、対象物は役に立たないものになり、耐用年数が来ることになるか?

もし上記の設問の回答が主に「はい」であれば、対象物は成形品と物質/混合物の組み合わせと考える。もし、回答が主に「いいえ」であれば、対象物が成形品と考えることが出来るかのクロスチェックのためにステップ5に進む。

ステップ5:

設問5a:もし、物質/混合物が対象物から除去あるいは分離された場合、対象物は意図した目的を達成することが出来ないか?

設問5b:対象物の主目的が、物質/混合物あるいはその反応生成物の放出以外のものか?

設問5c:対象物は、その耐用年数が来れば、通常処分、すなわち、廃棄されるか?

もし、回答が「いいえ」でなく「はい」であれば、対象物の機能は化学組成でなくその物理的形状、表面およびデザインで決定されている。対象物は内部に物質/混合物を含有する成形品でと見なされる。

ステップ6:ステップ3で、対象物は物理的に分離できる物質または混合物を含んでいない場合でも、この対象物がREACHの成形品の定義を満たすかどうかの決定が難しい場合がある。このような場合、下記の質問を用いて、対象物の機能が化学組成と形状/表面/デザインのどちらが重要であるかの判断の助けとなる。

設問6a:対象物はさらに加工される以外の機能を有しているか。対象物が主として他の機能(すなわち最終用途機能)を持っていれば、対象物はREACHの定義により成形品である。

設問6b:販売者が対象物を上市し、消費者が主としてその対象物を購入するのは、その形状/表面/デザインのためか(その化学組成のためよりも)?
もし、対象物の形状/表面/デザインにより、上市され、購入されるのであれば、対象物は成形品である。

設問6c:さらに加工される場合、対象物は「軽微な加工」だけで、形状に大きく変化しないか?
既に成形品である対象物に対しては、対象物が機能を発揮するために、穴あけ、表面研削、コーティングなどの「軽微な加工」が頻繁に施され、形状、表面またはデザインを改善または変更される。このように「軽微な加工」が施されるだけの場合は、対象物が成形品である指標である。
鋳造や焼結などの一次成形加工、あるいは、押出し成形、鍛造、圧延などの成形加工等の、形状の大幅な変更が起こる場合は、「軽微な加工」とはみなされない。

設問6d:対象物がさらに加工される場合、対象物の化学組成は変化しないか?
加工された場合に化学組成の変化が起これば、対象物は混合物であることも考えられる。しかし、成形品である対象物が、例えば、表面への印刷、塗装、コーティング、染色などにより、処理され、その一部が化学組成を変える結果になる可能性があっても、その形状状態を変えなければ、その対象物は成形品である。

具体的な製品について、ガイダンスの付録1の表2で下表のように例示され、表3~8で前記フローに従って、例示された対象物について判断根拠が説明されています。

対象物 結論
物質/混合物が一体と
なっている成形品
容器またはキャリアーである
成形品と物質/混合物
プリンターカートリッジ ○(インク)
缶入りスプレー塗料 ○(塗料)
花火 ○(火薬)
温度計
プリンターリボン ○(転写インク)
濡れ雑巾 ○(洗剤)
スキー用ワックステープ ○(ワックス)
粘着テープ
バッテリー
乾燥袋 ○(乾燥剤)
検知器 ○(検知剤)
ローソク ○(蝋)

ご質問の乾燥袋については表4で説明されています。その説明では、乾燥袋は、設問4aに対しては「はい」、設問4bに対しては「いいえ」、設問4cに対しては「はい」であるから、「容器またはキャリアーである成形品と物質/混合物」としています。なお、「容器またはキャリアーである成形品と物質/混合物」欄のカッコを付けたものは、物質/混合物であるものを示しています。

以上、ガイダンスの説明から、ご質問のシリカゲルパック中のシリカゲルは、物質/混合物と考えられることになります。

1)http://echa.europa.eu/documents/10162/13632/articles_en.pdf
2)上記の解説については2010年3月5日付けコラムをご参照下さい。

2008年8月15日初出

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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