ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2008年6月30日更新
Q.96 REACH規則では、目薬や医薬用のチューブなどの成形品はどのような扱いとなりますか?また、REACH規則以外で注意しなければならない規制はあるでしょうか。

REACH規則では、成形品に関しては登録と届出の義務を規定しています。

1.登録の義務

以下の2つの条件を満たす場合に登録が必要です(REACH規則第7条1項)。

  • 成形品中の物質が製造者または輸入者当たり合計して年間1tを超える量で存在する。
  • 成形品中の物質が通常のまたは当然予想される使用条件で、意図的に放出される。

ii. の条件にある意図的放出とは、成形品の最終的な使用機能のために成形品からの物質の放出がなくてはらない場合、もしくは物質の放出がないと成形品の機能が十分に発揮できない場合です。

2.届出の義務

届出は、以下の2つの条件を満たす場合に必要となります(第7条2項)。

  • 成形品中の物質が製造者または輸入者あたり合計して年間1tを超える量で存在する。
  • 成形品中に存在する高懸念物質(SVHC)の物質濃度が0.1wt%を超えている。

3.貴社の目薬や医薬用のチューブなどの成形品

ご質問にあります貴社の目薬や医薬用のチューブなどの成形品が、上記の条件に該当しない場合は、登録・届出の必要はないことになります。一般に目薬や医薬用に用いられる容器やチューブに意図的に放出する物質を含有させることはないと思いますが、ご確認ください。また現時点では届出が必要となる高懸念物質については発表されていませんが、発表されましたら(2008年秋頃の見込み)、ご確認ください。

ご質問の目薬や医薬用のチューブは、「規則(EC)No.726/2004、動物用医薬品に係る欧州共同体コードに係る 2001年11月6日付け欧州議会および理事会指令 2001/82/EC並びに人使用の医薬品に係る欧州共同体コードに係る2001年11月6日付け欧州議会および理事会指令2001/83/Eの適用範囲内における人用または動物用医薬品」の用途で使用されますので、REACH規則の第2条5項の規定により、REACH規則の第II編(登録・届出)、第V 編(川下使用者)、第VI編(評価)および第VIII編(認可)の適用が除外されています。

したがって、ご質問の目薬や医薬用チューブはREACH規則の成形品に該当しますが、REACH規則の登録などの義務から除外されます。

ただし、上記でお分かりと思いますが、目薬や医薬用チューブは、「人用医薬品指令2001/83/EC」の適用を受けます。この指令適用ということで注意すべきことは以下の通りです。

  • 「人用医薬品のための欧州共同体コードに関する指令 2001/83/EC」の第11条の製品特性の概要として要求されている項目として、その6.5項で「容器の種類と内容量」があげられており、目薬と目薬の容器はセットとして「人用医薬品指令2001/83/EC」が適用されると考えます。
  • さらに、付属書には第2部の医薬品のテストのG項「安定性テスト」の1項には、製品と容器の相互作用によるリスクが起こる可能性がある場合、製品と容器の相互作用の研究の提出が要求されています。すなわち、目薬容器には溶出試験などが必要と考えます。

また、医薬用のチューブなどの成形品を医療機器あるいは医療機器の部材として輸出されている場合、医療機器の規制、「医療機器指令 93/42/EEC」において、附属書1で、「EUでの医療機器規制の基本要件(一般的要件、設計および製造に関する要件)」が規定されており、この基本要件を満たす必要があります。

要求されている基本要件の内容は下記の通りです。

「設計および製造に関する要件
 7.5 医療機器は医療機器から漏れる物質によって引き起こされる危険を最小限まで減少させるような方法で、設計・製造されなければならない。」

以上、貴社のお客さまとの関係を考慮され、関わる可能性のある規制をご確認ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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