ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2008年6月30日更新
Q.89 弊社はサプライヤーで、EUには直接輸出はしていません。しかし、客先から、EUではREACH規則やRoHS指令などの化学物質規制があり、今後取引量が増加した場合はこれらに対応するように言われています。どのようなことを準備すればよいでしょうか?

顧客よりRoHS指令やREACH規則への対応準備をするよう求められているとのこと、早目の対応をお勧めいたします。顧客はすでに製品をEUに輸出しており、今後それを増やしていく計画のように推測されます。

サプライヤーとしての貴社の対応について、RoHs指令とREACH指令に分けて以下に記載します。

1. RoHS指令への対応

RoHS指令とはEUに上市する電気・電子機器について特定有害化学物質6種類の含有規制をするものです。ご質問の場合、直接の規制対象は貴社の取引先の電気・電子機器の輸出企業となります。

この場合、貴社は顧客よりRoHS対応済みの資材(材料・部品・加工品など)の納入を要求されます。RoHS対応済みを証明するためには、貴社が製造する部品、材料、加工品などに規制濃度を超えるRoHS規制化学物質を含有していないことを証明する非含有証明書の準備を行います。

非含有を証明するためには以下の方法を組み合わせるなどして客観的で透明性のある資料(証明書)を揃えます。

i. 購入材料、資材の場合

購入先からメーカー保証書(非含有証明書)、型式証明などを添付して納品させるようにします。

ii. 外注加工部品、加工品

部品、加工品を一括あるいは一部工程を外注している場合(めっき、塗装工程の外注も含む)、工程管理表を双方合意で作成し、重点管理項目を特定し、外注先の管理責任部門によるチェックずみの部品、加工品を受け入れます。

また、場合によっては、外注加工先に対し、第2者監査を実施し管理状況を監査します。

iii. 自社での対応

自社加工品などの工程管理表を作成し、重点管理項目を特定しチェックを行います。

必要に応じて、公的な試験分析機関で分析試験を実施してもらう。

顧客からの要求に対応できるように納入品全般についての非含有証明、分析試験成績書、工程管理表、監査結果などを整理しておきます。これらの証明資料はあくまでも客観性、透明性が確保されてものでなければなりません。

2. REACH規則への対応

REACH規則ではEU域内で年1t以上の化学物質を製造、もしくは輸入する事業者に上市以前に登録を義務付けています。輸入事業者が登録をする場合、物質に関する有害性情報と使用方法を入手し、物質それ自体が発現させるリスクを管理するためこれらの情報を物質の使用に伴って発生するリスクの評価に活用する義務を負います。具体的には、年間1t以上の物質については物質の性状、用途、分類に関する情報や安全な使用に関する説明を行う技術一式文書を、更に、年間10t以上になると技術一式文書に加え、化学物質安全性報告書(CSR)の提出が必要になります。

したがって、EU域外の事業者は、輸入事業者から、登録に必要な文書作成に必要な資料の提出を要求されることが予想されます。

i. 貴社の納入品が物質、調剤の場合

貴社納品先の輸出事業者は、貴社に物質または調剤に関する必要な情報の提供を求めてくるものと思われます。そのような要求に対応できるように物質、調剤中の物質の情報を把握管理しておく必要があります。

ii. 貴社の納入品が製品(成形品)の場合

成形品から意図的放出がある場合は当該意図的放出物質の情報を把握管理しておきます。

成形品中に高懸念物質が0.1wt%以上含有しているかどうかを把握しておく必要があります。

いずれの場合も、納品先である輸出事業者から要求があれば迅速に提出できるようにしておくことが肝要です。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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