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ここが知りたい REACH規則

Q&A

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Q.86
当社は、特殊な金属製の反応容器を製造し、EUに輸出しています。REACH規則では、その材料の登録をしなければならないと聞きました。当社はどのように登録すればよろしいでしょうか?

A.86

貴社の製品(金属製の反応容器)はREACH規則の「成形品」に該当すると思われます。REACH規則の「成形品」および「対象事業者」の両側面から整理します。

1.成形品

REACH規則では「成形品」そのものに登録義務はないものの、下記2つの要件に該当する場合、成形品中の物質に関して、登録・届出などの義務が生じることがあります。

i. 登録:成形品中に年間総量で1t以上使用され、通常の使用条件で外部に意図的放出される物質(意図的放出物質)を含み、かつ、使用されている物質が、その使用のために登録されていない場合
 意図的放出物質とは、成形品からの物質の放出が成形品の機能や品質と密接に関連している場合に該当します。具体例としては、

  • 放出が使用に不可欠で、逆に物質の放出がなければ、その成形品が十分に機能しないこと(例:油性ペンのインク、ガラスクリーンワイパーからの洗剤)
  • 放出が成形品の品質もしくは副次的機能の向上に寄与し、あるいは最終的な使用における成形品の機能に直接的に関連しないが、新たな価値を与える場合(例:香りつき消しゴムの香り成分)

などがあげられています。

ii. 届出:成形品中に高懸念物質が年間総量で1t以上使用され、かつ、成形品重量比0.1%以上含まれている場合
 高懸念物質(SVHC:Substances of Very High Concern)とは、CMRs(発がん性、変異原性、生殖毒性物質)、PBT(難分解性、生体蓄積性、毒性物質)、vPvB(極めて難分解性、生体蓄積性の高い物質)といった人の健康および環境に対して非常に高い懸念を抱かせる物質を指します。これらは約1,500物質と言われており、「候補物質リスト」が2008年後半を目処にEU当局にて作成され、2011年6月以降、対象製品の販売前に届出を実施することが要求されることになります。

化学品庁への届出には、下記の情報が必要になります。

  • 製造者または輸入者のアイデンティティおよび連絡先詳細
  • 物質の登録番号
  • 物質の素性(候補物質リストから入手可能)
  • 化学品庁より入手できる物質の分類
  • 成形品中のその物質の使用およびその成形品の使用の簡単な記述
  • 成形品中の物質のトン数範囲(例:1〜10t、10〜100tなど)

2.対象事業者

REACH規則での登録・届出義務の対象者は、EU域内の製造者/輸入者になっています。貴社はEU域内への輸出者(EU域外製造者)になるため、登録・届出の義務はなく、取引先であるEU域内の輸入者が、必要に応じて登録・届出などの義務を履行することになります。ただし、取引先である、EU域内の輸入者が義務履行をしない場合には、貴社製品がEUに上市できなくなるため、貴社がEU域内に「唯一の代理人」を指名し、義務履行を代行してもらうことも可能です。

上記1、2の観点から、貴社は直接のREACH規則の対象ではないものの、まずは貴社製品が、REACH規則の登録・届出の必要性を「意図的放出の有無および重量」や「高懸念物質の有無および重量、重量%」により、確認することが必要になります。

i. 該当有無および義務履行に必要な製品に関する情報を整理
 貴社のサプライヤーから情報を受け、購入品の含有物質成分や含有比率などを貴社内で整理し、登録・届出要件に該当するかを判断します。また該当する場合には、取引先または唯一の代理人の登録・届出義務の履行をサポートするための情報提供に備えておくことが必要です。

ii. 取引先が登録・届出などの義務を履行意思の確認
 取引先が登録・届出の義務を履行する場合には、登録・届出で必要となる製品情報を取引先に提供し、義務履行をサポートすることが必要です。

iii. 唯一の代理人を指名して、輸入業者の義務を代行
 取引先が登録・届出の義務を履行しない場合で、貴社がEUへの輸出を継続して実施する場合には、「唯一の代理人」を指名することが必要になります。また登録・届出で必要となる製品情報を唯一の代理人に提供し、義務履行をサポートすることが必要です。

以上が、一般的な成形品に該当する場合に、対応が必要となる可能性のある事項になります。
 ただ、登録および届出要件に合致していても「その用途についてすでに登録されている物質には適用されない」と規定(第7条6項)されています。現時点では登録については、量と意図的放出の条件が該当し川上で登録する意思がなければ、予備登録、登録することになります。
 登録要件に該当しない場合で届出要件が該当する場合は、2011年6月以降の対応となりますので、貴社のサプライチェーンだけでなく、同一物質の登録状況を幅広く確認する必要があります。

(注「登録された用途」は、サプライチェーンの上流では明記していなく、どこかで登録されていればよいと解釈できます。ただ、この解釈には疑念もあります。2007年10月5日2007年12月14日のコラムを参照してください。)

金属製の反応容器という貴社製品の場合、一般的には、「意図的放出の有無および重量」や「高懸念物質の有無および重量、重量%」といった登録、届出に必要な要件に該当する可能性は少ないものと推測されます。ただし、輸送中に酸化防止剤や保守材料といった製品以外の他物質を付属、同梱することも考えられます。そのため当該製品だけでなく、付属、同梱する物質についても考慮しつつ、サプライヤー、取引先と密に連携を図り、含有物質情報を整理することが肝要かと思います。
 また、反応容器が圧力容器に該当しますとREAH規則以外で、次を考慮する必要があります。

最高作動圧力と容器の容積の積が50bar・lを超え、かつ溶接した容器ですと、簡易(単純)圧力容器指令(Simple Pressure Vessels Directive 87/404/EEC)が適用される可能性があります。最大許容圧力が0.5barを超える圧力機器は圧力機器指令(Pressure Equipment Directive 97/23/EC )が適用される可能性があります。対象となる圧力容器は、CEマーク表示が必要です。

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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