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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

Q&A

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Q.76
REACH規則における成形品の意図的放出についての質問です。当社では金属加工部品をEUに輸出していますが、加工部品の表面に塗布された防錆油は意図的放出と見なされるのでしょうか。

A.76

まず、用語の定義を整理します。

1.「放出」

成形品からのrelease(リリース)、すなわち、成形品から離れるという意味です。

2.意図的

リリースが意図されているかです。リリースが機能として必要であるか、逆にリリースがないと商品価値がないような場合を指します。

3.通常の使用条件、予想される使用条件

通常の使用条件は言葉どおりです。予想される使用条件は解釈が難しい場合があります。
 自動車のエアバックで事故時にガスが発生されますが、このガスは予想される使用条件でのリリースです。
 電池の電解液は、異常時に漏洩する仕組みになっていると聞いています。この解釈ですと電解液がリリース物質です。
 通常の使用条件でも、タイヤの摩耗やブレーキパッドの摩耗は意図的かどうか論議されていますようにグレーな部分はあります。

この定義により、防錆剤(油)について検討してみます。
 防錆剤を含浸させた防錆紙であれば、防錆紙という成形品から防錆剤をリリースしていると解釈できます。その用途が登録されていなければ登録対象になり得ます。REACH規則による登録はこれからですから、意図的放出が1t以上であれば予備登録することになります。
 防錆剤を成形品の表面に塗布したような場合は戸惑うところです。一般的な防錆剤は、成形品の表面に塗布し空気を遮断しているだけで、リリースはしていないと考えられます。防錆剤は徐々に蒸発していきますが、これは意図した蒸発ではないと解釈できます。この蒸発は機能上必要ではないリリースです。したがって、登録は不要となります。しかし、防錆剤は環境へのリリース(蒸発)や作業者への付着などがあり得ます。この非意図的リリースは暴露シナリオに入れられ、リスク評価がなされる必要があります。

また、防錆剤は1t以上使用するか、これも検討する必要があります。1t以上であれば、REACH規則での義務が生じる可能性があります。リスクマネジメントの視点で次の対応も必要になります。
 まず、供給者に当社の使用方法(防錆用途)を暴露シナリオに入れてリスク評価をしてSDSで情報提供するように要請をします。この用途を含めて登録を併せて要請します。EU域内であれば川下ユーザーの権利として認められています(第37条)。

サプライヤーが登録をしてくれない場合は、他社で同一物質を防錆用途で登録しているかを調査します。どこでも防錆油として登録されていない場合は、貴社で登録することも選択肢の一つです。貴社が登録することで商品を差別化することができます。

作業者保護や環境暴露は今後厳しくなりますので、この点を踏まえて検討することが重要と思います。

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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