ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2008年6月30日更新
Q.35 当社は成形品でビジネスを行っている川下企業です。一部の成形品は、欧州の工場で製作しておりますが、多くは日本から欧州へ輸出しております。REACH規則で、予備登録しないと段階的正式登録の恩恵に預かれないのでしょうか?
また、他社が登録済みの物質を使用することは可能でしょうか?国内外の素材メーカが予備登録した物質を使用する分には問題ないと考えてよろしいのでしょうか?

REACH規則では、成形品そのものには登録の義務を求めていません。ただし、以下のような場合には、含まれている物質について、登録などの義務が生じることがあります。

  1. 成形品中に年間総量で1t以上使用され、通常の使用条件で外部に意図的に放出される物質を含み、かつ、使用されている物質が、その使用のために登録されていない場合には登録が必要になります。
    (例:フェルトペン ⇒ 書くことでペンからのインクのリリースが必須)
  2. 成形品中に高懸念物質が年間総量で1t以上使用され、かつ、成形品重量比0.1%以上含まれている場合に届出の必要があります。ただし、通常に予想され得る条件下での使用(廃棄時を含む)で、人や環境への曝露を防げる場合は、成形品の受領者に対して、適切な使用説明書の提供を行うことで届出の必要はなくなります。
    注)成形品、意図的な放出、重量比、などの定義は現在も確定していません。継続した注意が必要です。

上記に該当し、登録が必要な物質を含んでいる場合、当該物質が段階的登録物質の場合は予備登録を行うことが有効です。予備登録を行うことにより段階的導入物質として登録までの期間に猶予が得られ、SIEF(物質情報交換フォーラム)へ参加することが可能になります。詳細は、3月16日付けコラム8月24日付けコラムをご参照ください。

ただし、登録が行えるのはEU域内の製造業者と輸入業者になります。域内の輸入業者にはSIEFへの参加が義務付けられていることもあり、日本から輸出をする場合はそれらの輸入業者への情報提供により、登録のサポートを行うことが必要になります。また、輸入業者が登録を行わない場合にはその成形品の販売は不可能になりますので、EU域内の事業者を唯一の代理人として指名して輸入業者の義務を代行させることなども検討の必要があります。

唯一の代理人については、Q&A16をご参照ください。最近では、日本国内の事業者がそれらの業務を代行している例もありますので、対応の幅は広がっていると考えます。

また、EUの別の事業者が特定の使用で登録した物質であっても、貴社のサプライチェーンで当該、特定の使用での登録がされていないようでしたら、登録の必要があります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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