ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2008年6月30日更新
Q.32 REACH規則について、SDSによる情報伝達は物質・調剤の供給者の義務と認識していますが、成形品のみを供給している場合はSDSの提供義務はなく、川下の使用に対するリスク評価も必要ないと考えてよろしいでしょうか?

1.成形品のSDSの提供義務

SDSは物質および調剤の供給者の提供義務で、成形品には要求されていません。成形品の供給者(製造者/輸入者/販売者)の情報提供義務は第33条(成形品に含まれる物質に関する情報伝達の義務)に示されています。

  • 高懸念物質(付属書XIVにリストされた物質)が重量比(w/w)0.1%を超える濃度で含む成形品のいかなる供給者も、供給者に利用可能ならば、成形品の安全な使用を認めるに十分な情報(すくなくとも物質名を含む)を、成形品の受領者に対して提供しなければならない。
  • 高懸念物質が重量比(w/w)0.1%を超える濃度で含む成形品のいかなる供給者も、消費者の求めに応じ、供給者に利用可能ならば、成形品の安全使用を認めるに十分な情報(少なくとも物質名を含む)を、消費者に提供しなければならない。

この情報は、求めを受けてから45日以内に、無料で関連する情報を提供しなければならない。

成形品にはSDSの提供義務はありませんが、高懸念物質を0.1%以上含有する場合は、顧客に成形品の安全取扱情報の提供が要求されています。顧客には消費者が含まれることに留意する必要があります。一般的に、顧客ことに消費者は高懸念物質の詳細を知りませんので、自社では高懸念物質を含有していないので安心していると、消費者から問い合わせがくることが想定されます。

消費者が問い合わせる権利、成形品の製造者等が45日以内に回答する義務は、2007年6月1日からあります。

高懸念物質は付属書XIVにリストされた物質ですが、2006年12月の公布時は未定(白紙)でした。リストは、2009年6月1日までに発行されますが(第58条)、その半年前の2008年秋に提案されます。

この一種の移行期間中に、高懸念物質が決まっていないとして、消費者からの問い合わせに無視すると、違反に問われる可能性があります。2009年6月以降は高懸念物質が含有されていれば、安全取扱情報の提供をしなくてはなりません。

2.成形品のリスク評価

成形品の製造者は、物質、調剤の川下ユーザーになり、川下ユーザーとしての義務があります。成形品を構成する物質、調剤について、SDSが提供されます。このSDSの曝露シナリオ、使用方法に自社が製造する成形品の用途が含まれているか、そのリスクをアセスメントする義務があります(第37条)。SDSに示された条件以外で使用する場合は、その使用方法について自らアセスメントするか、サプライヤーに用途を知らせてリスク評価を要求します。

法的解釈は必ず原本により解釈をしてください。原文は下記にあります。
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/site/en/oj/2006/l_396/l_39620061230en00010849.pdf
(PDFファイル)

環境省の仮訳REACH規則は下記にあります。
http://www.env.go.jp/chemi/reach/reach/reach_article.pdf(PDFファイル)
http://www.env.go.jp/chemi/reach/reach/reach_annex.pdf(PDFファイル)

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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