ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2008年6月30日更新
Q.17 REACH規則の届出対象となる、成形品内の物質は年1t以上、0.1%以上規定がありますが、この成形品の構成単位についてご教授をお願いいたします。
例えば工作機械のカバーに使用している塗料が届出対象とします。工作機械のカバーは1台の機械に対し形状の異なる複数枚から構成されます。このような場合、カバー各々別々に数量を計算するのか?または、機能面から考えカバー全体で数量を計算するのでしょうか?

REACH規則第57条によりますと、指令67/548/EECに規定されているクライテリアによる発がん性、変異原性などは認可対象物質として ANNEX XIVに収載されます。ANNEX XIV収載物質は高懸念物質(SVHC)と言われています。このSVHCを含有する成形品(条件1t/年 0.1wt%)は、第7条の届出義務と第33条により安全使用情報を顧客に伝達する必要があります。意図的放出する場合はその物質の登録義務もあります。

しかし、第7条6項で、成形品中のその特定用途が登録済みの物質は、届出義務は必要ありません。
RIP3.8の技術ガイダンス文書(環境省訳)では、SVHCの濃度計算の事例をいくつか示しています。
例えば、木材とプラスチック装飾から構成されている木製椅子の事例があります。

木材 2kg SVHC 10mg (0.0005wt%)
プラスチック装飾 1g SVHC 1mg (0.1wt%)
椅子全体では 11mg/2001g=0.0005wt%  

椅子全体では0.1wt%以下ですから、第7条の届出や33条による川下への情報提供は不要となります。
しかし、購入しているプラスチック装飾の生産者は、年間1t以上生産している場合は届出義務があります。物質から最初に成形品にしたときの成形品の中の重量比が0.1wt%を超える場合は、義務が生じることになります。

成形品(製品)を生産している川下企業では、成形品は成形品から構成、組み合わせされることが多くなります。
高懸念物質が入っている成形品と、高懸念物質が入っていない成形品を組み合わせて、新たな成形品を生産した場合は、新たな成形品中の濃度は当然低くなります。工作機械では最終的にトン単位になり、濃度は極端に薄くなり対象外になると思われます。

ほかの事例として、カバーが自社塗装の例も示されています。

SVHCの含有した塗料で塗装した場合は、評価を実施し、すべての構成部品および塗装剤に含有する個々の量を合計し、総重量で割るとしています。塗料は調剤になりますが、1999/45/EECにより0.1wt%のSVHCが含有されれば表示やSDSの義務が生じます。

整理しますと、まず対象となる成形品(製品)の購入構成部品はそれぞれの生産者により届出義務などがあり、購入者はその製品全体で規制されます。基本的に製品全体で評価しますが、部材のサプライヤーでも、その部材単位で届出義務などがあります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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