ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2008年6月30日更新
Q.3 REACH規則では、ポリマーは登録と評価は除外されていますが、ポリマーを構成する2wt%以上のモノマーが、年間1t以上になると、登録対象になるのはなぜでしょうか?

ご指摘のように、ポリマーは登録と評価は除外されています。

しかし、ポリマーを構成するモノマーが、2wt%以上含まれ、1t以上になると登録を要求する理由は、REACHのFAQ(2007年1月)では次のように説明されていました(注;2008年6月に出されたFAQでは、この説明は削除されています)。

  • モノマーの重合反応では、重合度の異なるポリマーが生成します。例え平均重合度が十分高くても、未反応のモノマーや低重合度のもの(オリゴマー)があります。これらの低分子量物により、ポリマーが(環境)毒性になる可能性があります。このような低分子量物の分子量は通常1,000以下です。
  • 低分子量物(オリゴマー)は、その分子量が低いために生物学的利用能(bioavailable)となります。
  • オリゴマーの環境毒性(有害)のプロファイルは、モノマーのもつ官能基の毒性の知見から決まります。典型的な例として、3価の脂肪族アルコール、エチレンオキサイド(発がん性・生殖細胞変異原性カテゴリー2)および1,2プロピレンオキサイド(発がん性カテゴリー2)の3成分モノマーの反応でできるポリマーをあげています。

反応後は、生成ポリマーにはモノマーは残りませんが、21%のオリゴマーが含有します。このため、ポリマーは、モノマーがもっていた発がん性と生殖細胞変異原性の有害毒性をもつ可能性があります。

そのため、ポリマーのリスク管理が規定され、必要な場合は、モノマーの特性の知見に基づいてテストを行う必要があります。

REACH規則では、登録済みのモノマーを使用するポリマー製造者・輸入者は、暴露シナリオによってポリマーの用途がカバーされているかチェックする必要があります。カバーされていない場合は、もしその用途が1tを超える場合は、モノマーの供給者にその用途を知らせるか、自身でその用途のために化学安全報告書(CSR)作成しなければなりません。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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