ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

2018.12.14

プロポジション65改正案と意見募集

「安全飲料水および有害物質規制法(Proposition 65、以降「法律」と略称)」は、がん、あるいは生殖毒性を引起すことが州に知られている化学物質にばく露する恐れがある場合、事前に警告することを企業に求めるカリフォルニア州法で、1986年に採択され、1987年1月に発効しています。

環境保健有害性評価局(The Office of Environmental Health Hazard assessment:OEHHA)は、法律で要求している警告をさらに有益で意味あるものにするために2016年8月30日に"ARTICLE 6 Clear and Reasonable Warnings regulation"(カリフォルニア規則集 Title 27, section 25600 et seq)を採択し、2018年8月30日に発効しています。その時点で、従来のARTICLE 6は廃止されました。

OEHHAは法律の実施主管当局で、カリフォルニア州でがんまたは生殖毒性を引起すことが知られている化学物質の収載リストのメンテナンス実施および法律目的を遂行するため規則の公布および修正権限をもっています。

2017年11月20日にOEHHAは、法律の警告要求に関し企業と消費者向けに明確なガイダンスを規定する修正を採択し、Section 25600.2 Responsibility to Provide Consumer Product Exposure Warnings変更ための追加提案を行いました。

追加提案の概要

追加提案1)において、OEHHAはSection 25600.2のsubsection(b)(c)および(f)の修正を提案しています。
 Section25600.2は製品の製造者、生産者、包装者、輸入者、供給者または流通業者に対して、警告を提供する責任を課しています。消費者製品のばく露に対し、上記カテゴリーの企業は、製品ラベルあるいは表示の提供または小売業者の認定代理人に書面通知、警告材料注)(warning materials)を提供し、当該通知および警告材料に対する受領の確認を書面または電子情報により得る必要があります。小売業者は、製品の製造者、生産者、包装者、輸入者、供給者または流通業者から受け取った警告材料を配置し、メンテナンスする責任があります。

注):警告材料については、§25600.2(b)(3)にラベル、表示、棚の標識(shelf sign)、タグのようなものが含まれる旨を記載しています。

Subsection 25600.2(b)に対する修正提案

製造者やその他のサブライチェーン企業は通知と警告材料を小売業者、消費者に確実に通知するため適切な行動をとることを求められています。特に、OEHHAは、サプライチェーンの中間業者が警告を提供する義務を果たすことを明確にするためにsubsection(b)の修正を提案しています。
 製造業者、流通業者、輸入者その他のサプライチェーンは、チェーンの多段階性などのため製品がどこで、誰によって消費者に販売されたかが分かりません。そのため、OEHHAは、書面での通知の提供先について、現行法ではSection25246に従う小売業の認定代理人となっているのを、今回の修正では製造業者、流通業者、輸入者その他のサプライチェーンが製品を販売、譲渡している企業の認定代理人にも提供するようSubsection 25600.2(b)の規定を見直しています。

Subsection 25600.2(c)に対する修正提案

Subsection(b)(c)および(c)(1)に対し提案されている修正の整合性をとるために、条項の明確化の文言とsubsection(c)(2)の追加が行われています。subsection(c)(1)および(c)(2)の改正提案は、以下となっています(太字が改正部分)。

  • Subsection(c)(1)
    通知の受領の確認は、電子的または書面で行い、また、販売の都度更新されなければならない。更新された通知の受領は、製品を販売、譲渡しているSection25246に従う小売業者の認定代理人から、2019年2月28日までに電子的または書面により確認されなければならない。その後は毎年、当該期間に小売業者によりカリフォルニアで販売された製品も同様である。
  • Subsection(c)(2)
    企業が認定代理人を選定していない場合、製造者、生産者、包装者、輸入者、供給者または流通業者は、通知をこのビジネスのための法的代理人に提供してもよい。

サプライチェーンの企業が認定代理人を特定ができず、要求された書面通知と警告材料の送付先がない状況を回避するため上記の説明が要求されています。
 OEHHAの意図は、この問題に対処するためであって、既存法の適用の拡大、削減のためではありません。修正は、プロセスのサービスのために法的代理人(legal agent)に関する既存法を一体化するためOEHHAの意図を単に反映させているものです。

Subsection 25600.2(f)

Section 25600.2 subsection(e)(1)-(5)では、消費者製品のばく露に対し、小売業者が警告を提供しなければならない状況を記述しています。
 Subsection(e)(5)は、小売業者が潜在的な消費者製品のばく露の「知り得た知見(actual knowledge)」をもち、法律に従うべき製品の製造者、生産者、包装者、輸入者、供給者または流通業者がいなくて、カリフォルニア州でビジネスのサービス代理人を選定しているか、またはビジネスの場所をもっている場合、小売業者は、警告を提供する責任があることを規定しています。
 Subsection(f)は、「知り得た知見」を「すべての信頼できるソースから小売業者により入手した消費者製品のばく露の特定の知見(specific knowledge)」と定義しています。OEHHAは、subsection(e)(5)の「知り得た知見」の定義を明らかにするため、subsection25660.2(f)を修正するように提案をしています。
 その修正提案は、次の2つです。

  • 「知り得た知見」の特殊性のレベルについての明確化
  • 個人の消費者製品のばく露の特定された認識が小売業者の責に帰せられる場合の当該個人の明確化

Subsection 25600.2の条文修正案は、Article 6 Clear and Reasonable Warning Regulationsを参照ください。

修正提案の意見公募について

OEHHAは、上記の改正案に対する意見募集2)を、2018年11月16日午前8時から2018年12月31日午後5時までに受け付けています。募集期間終了後、すべてのコメントはOEHHAのウェブサイト上で公表されます。提案された規制修正に関する公聴会は要求により開催されます。公聴会ヒヤリングを希望する場合は、2018年12月17日までにe-mailで要求することとなっています。OEHHAは、公聴会の10日前までに希望者に公聴会の開催日時、開催場所などを通知します。

1)https://oehha.ca.gov/media/downloads/crnr/isor111618.pdf
2)https://oehha.ca.gov/proposition-65/crnr/proposed-amendments-article-6-clear-and-reasonable-warnings-section-256002

(瀧山 森雄)

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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