ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

2018.12.21

韓国K-REACHの2019年の対応について

2018年も押し迫りました。今回が今年最後のコラムとなりました。1年間ご愛読いただきありがとうございます。2019年も皆様に役に立つ情報をお届けするよう努力してまいります。来年も引き続き、ご愛読のほどよろしくお願い致します。

改正K-REACHは2018年3月20日に公布され1)、2019年1月1日に施行となります。この改正に伴い施行令(大統領令)、施行規則(環境部令)の改正案が2018年5月30日に公表され、さらに、実施に必要な下位の行政予告案が2018年10月12日に公表され、意見募集が行われていました。しかし、本コラム執筆時点(2018年12月20日)では、これらの実施に必要な施行令などは公布されていません。
 今回のコラムでは、2019年1月1日から施行されますK-REACHをもとに、輸出しておられる方が2019年も継続して輸出する場合、留意事項を整理して紹介します。

1. 登録に関して(第10条)

登録に関する条項は、今回のK-REACHの改正で最も変更された部分です。

(a)新規化学物質について
 現行法では年間のトン数による足切り値はありません。ただ、2019年末までは年間1t未満であれば、簡易な情報だけで登録ができます。2020年からは簡易の登録ができるトン数は年間10kgに下げられることになっています。
 改正法では年間100kg以上に登録義務が課せられ、年間10kg未満では届出が必要となります。通常の登録が義務付けられる年間のトン数が1年早く引き下げられますが、100kg以上1t未満については現行と同じく申請資料の提出が一部省略できることになっています。

(b)既存化学物質について
 改正法では、登録対象既存化学物質の指定は撤廃され、年間1t以上の既存化学物質について製造・輸入の前に登録の義務が課せられます。ただ、EU REACHと同じく、化学物質の有害性とトン数により、下記の登録猶予期限が設けられています。

  • 2021年12月31日まで
    (1)環境部長官により指定および告示される年間1t以上の発がん性、変異原性、生殖毒性の恐れがある既存化学物質(CMR物質)
    (2)年間1,000t以上の既存化学物質
  • 2024年12月31日まで
    年間100t以上1,000t未満の既存化学物質
  • 2027年12月31日まで
    年間10t以上100t未満の既存化学物質
  • 2030年12月31日まで
    年間1t以上10t未満の既存化学物質

なお、2018年10月12日に、2021年までに登録が義務付けされるCMR物質の行政予告案として544の候補物質が公表されています2)

ただし、上記の登録猶予期限まで、登録をせず製造・輸入する場合には、下記の事項を2019年6月30日までに届出をすることが必要です(EU REACHの予備登録に相当)。

  • 化学物質の名称
  • 年間製造量または輸入量
  • 化学物質の分類および表示
  • 化学物質の用途
  • 製造・輸入者の商号
  • その他

なお、現行法で既に登録対象既存化学物質として指定されていた510物質については、規定通り2018年6月30日までに登録する必要がありました。したがって、これらの物質については、年間1t未満のため、現状は未登録であっても、今後年間1t以上になる場合には、その前に登録をしておかなければならないことになります。

また、改正法で登録が免除される物質の候補が2018年10月12日に行政予告案として公表されました。行政予告案では、別表1に40の候補物質、別表2に8項目が示されています。これらの物質は、REACH規則附属書IV、Vとほぼ同じと言えます3)

2. 年間報告について(現行法8条)

年間報告(第8条)の規定は廃止されます。

3. 「重点管理物質」の新設と製品に含有する場合の届出

「重点管理物質」は、改正法の第2条(定義)10項の2で新たに規定されています。具体的には、2018年10月12日に、下記の有害性があると懸念される化学物質の中から環境部長官が指定する物質として合計1,195物質が行政予告案として公表されました4)。内訳としては、別表1に785物質(施行日2019年4月1日)、別表2に410物質(本告示の施行日より2年後)です。

  • (イ)発がん性、生殖細胞変異原性、生殖毒性(CMR)、内分泌かく乱性(EDC)物質
  • (ロ)人や動植物の体内に蓄積性が高く、環境中に長期間残留する物質(PBT)
  • (ハ)特定の標的臓器毒性物質(STOT)
  • (二)上記(イ)から(ハ)の物質と同等またはそれ以上の深刻な危害を与える物質

このうち(二)では、EU REACHのCL物質に指定されている呼吸器感作性物質がいくつか収載されています。

重点管理物質を含有する製品については、EU REACHのCL物質を含有する成形品の義務と類似する下記の義務が設けられます。

改正法32条
 第1項

  • 重点管理物質を含有する製品を生産・輸入する者は、次の各項の要件に該当する場合には、施行規則で定めるところにより、当該製品に含有する重点管理物質の名称、含有量と有害性情報、露出情報、製品に含有する重点管理物質の用途を、生産・輸入する前に、環境部長官に届出しなければならない。
  • 製品1個あたりの個別の重点管理物質の含有量が0.1重量%を超える
  • 製品全体に含有する重点管理物質の物質別総量が年間1tを超える

ただし、第2項では下記の免除規定があります。

  • 次の各号のいずれかに該当する場合には、第1項の規定による届出をせず、重点管理物質を含有する製品を生産・輸入することができる。
  • 製品を通常の方法で使用する場合、人間や環境への露出を遮断することができる化学物質
  • 製品の用途がすでに登録、届出された化学物質
  • 登録または届出を免除される化学物質(第11条で規定)

なお、「製品」については、第2条15項の定義に下記のように下線部の語句が追加され、修正されています。

改正法第2条定義15項
 「製品」:「消費者基本法」第2条1項に規定による消費者が使用する物品またまたはその部品や付属品として消費者に化学物質の暴露を誘発する可能性がある次の各目のものをいう。

  • (イ)混合物からなる製品
  • (ロ)化学物質が使用される過程で流出されず、特定の固体の形で一定の機能を発揮する製品

別表1の重点管理物質を含有する製品の届出は、2019年4月1日から義務化されることになります。

(林 譲)

参考資料
1)http://www.law.go.kr/lsInfoP.do?lsiSeq=202780&viewCls=lsRvsDocInfoR#0000
2)https://opinion.lawmaking.go.kr/gcom/admpp/24982?announceType=TYPE6&mappingAdmRulSeq=2000000259588
3)https://opinion.lawmaking.go.kr/gcom/admpp/24983?announceType=TYPE6&mappingAdmRulSeq=2000000259589
4)https://opinion.lawmaking.go.kr/gcom/admpp/24981?announceType=TYPE6&mappingAdmRulSeq=2000000259587&announceType=TYPE6&mappingAdmRulSeq=2000000259588

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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