ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

2018.06.22

改正K-REACH施行令、施行規則の立法予告が公表されました

2018年3月20日に改正「化学物質の登録および評価に関する法律(K-REACH)」が公布されました1)。改正概要については、4月6日付のコラムでご紹介しましたが、この改正に伴い施行令2)および施行規則3)改正に関する立法予告が5月30日に公表されました。7月9日まで意見募集が行われています。
 今回のコラムでは、改正施行令および施行規則も含めて、K-REACH改正における登録に関連する事項を整理して概要を紹介します。
 なお、K-REACHから危害憂慮製品に関連する条項は分離され、新たに「生活化学製品および殺生物剤安全管理に関する法律」4)が制定され、改正K-REACHと同じ3月20日に公布されています。また、同法の施行令5)と施行規則6)の立法予告も同じく5月30日に公表され、7月9日まで意見募集が行われています。「生活化学製品および殺生物剤安全管理に関する法律」に関する概要は、別の機会に紹介します。

両法は2019年1月1日から施行されます。

1. K-REACHの登録・申告対象物質等

登録に関しては法第10条で規定されています。新規化学物質については年間100㎏以上、既存化学物質については年間1t以上の場合に、製造・輸入前に登録が必要です。

ただし、既存化学物質については、下記のとおり登録猶予期間が設けられています(法第10条第2項)。

  • (i)  年間1t以上で発がん性、変異原性、生殖毒性の恐れがある物質として評価委員会の審議を経て、環境部長官により指定および告示される物質と年間1,000t以上の物質:2021年12月31日まで
  • (ii) 年間100t以上1,000t未満の物質:2024年12月31日まで
  • (iii)年間10t以上100t未満の物質:2027年12月31日まで
  • (iv)年間1t以上10t未満の物質:2030年12月31日((iii)、(iv)は施行令立法予告第10条)まで

上記の猶予期間に製造・輸入するためには製造・輸入する前に、下記の情報を提出して、申告する必要があります。EU REACHの予備登録制度と同様の制度です。
 ・化学物質名、年間製造・輸入量、分類・表示、用途、製造・輸入者の商号など

なお、施行時に1t以上製造・輸入している場合は、2019年1月1日から6月30日の間に提出する必要があります。また、上記申告事項のうち、製造・輸入量に変更がある場合は変更前に、分類・表示や用途などに変更がある場合は、変更が発生してから1カ月以内に申告の変更書を提出する必要があります(施行規則立法予告、第3条第4項)。

現行法では、新規化学物質の登録義務については年間100kgの下限値はありません。今回の改正で100kg未満の登録は免除されますが、申告が必要です。提出する情報は、既存化学物質の申告で提出する情報と同じ項目です。なお、K-REACHで100㎏未満の少量登録を行っている場合は、申告したものとみなされます。以前の有害化学物質管理法で少量免除、高分子免除を受けている場合は、2021年12月31日までに申告が必要です(法第10条の4)。

また、新規化学物質100㎏未満、既存化学物質1t未満でも、国内総流通量基準で、新規化学物質が1t、既存化学物質が10tを超える場合は、登録対象として指定されることがあります(施行令立法予告、第10条の3)。

なお、危害性が非常に低いとして、評議員会の審議を経て登録・申告を免除する物質を環境部長官が告示します。これはEU REACHの附属書IVに近い制度であると言えます(法第11条2項)。

数平均分子量が1万未満の高分子化合物について、有害化学物質、重点管理物質、新規化学物質のモノマーが重量比0.1%以上残留する場合には登録が必要となります。他方、全量輸出する場合は、量には関係なく登録免除となります(施行令立法予告、第11条)。

2. 登録時の提出情報等について

既存化学物質の申告・変更申告において、健康・環境有害性の分類がない場合は登録時の提出資料を一部省略できるようになります。ただし、消費者用途での申告・変更申告の場合は免除の対象になりません。また、輸送分類中間体も、提出資料の一部を省略することができるようになります(施行令立法予告、第13条)。
 健康・環境有害性の分類がない場合、量に関係なく1~10tに相当する有害性試験データを、輸送分離中間体も年間1t以上製造・輸入されている場合、最大1~10tに相当する有害性試験データを提出することになります(施行規則立法予告、第5条、別表1)。

既存化学物質は共同登録をすることが求められていますが、申告・変更申告で消費者用途での提出を行った場合は、消費者用途以外の協議体とは別の協議体を立ち上げる必要があります。また、高分子化合物についても、同じ名称や識別情報であっても明らかに特性が異なる場合は、別々の協議体を構成することが求められています(施行規則立法予告、第17条)。

参考資料
1)http://www.law.go.kr/lsInfoP.do?lsiSeq=202780&viewCls=lsRvsDocInfoR#0000
2)http://opinion.lawmaking.go.kr/gcom/ogLmPp/45788
3)http://opinion.lawmaking.go.kr/gcom/ogLmPp/45789
4)http://www.law.go.kr/lsInfoP.do?lsiSeq=202779&viewCls=lsRvsDocInfoR#0000
5)http://opinion.lawmaking.go.kr/gcom/ogLmPp/45790
6)http://opinion.lawmaking.go.kr/gcom/ogLmPp/45791

(林 譲)

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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