ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

2018.01.19

物質登録等の2018年の対応義務(EU REACH規則及び韓国K-REACH)

近年、世界主要国では化学物質による人の健康被害防止、環境汚染を予防するため化学物質管理を強化してきました。具体的な動きとして化学物質の市場への投入時期に着目し新規化学物質と既存化学物質に定義付けを行い、年間の製造量および輸入量が一定量(例えば1トン以上)超の場合、それらの製造、輸入前に登録を義務化している場合が多く見られます。登録義務に対しては製造量、輸入量や当該物質の危険有害性等により、登録期限に段階的な猶予期間を与えているのが一般的に認められます。
 本コラムでは、上記のケースにおいて2018年に対応が義務付けられている法令として、EU REACH規則と韓国K-REACHについて以下にまとめてみます。

1.EU REACH規則の段階的登録物質への対応

EU REACH規則においては、年間1トン以上の化学物質を製造、輸入する事業者はその物質が新規物質あるいは既存物質を問わず製造、輸入前に登録が義務付けられています。
 ただし、既存物質に対しては予備登録制度を設けており、予備登録期間(2008年6月1日~2008年12月1日)に予備登録を行った既存物質に対しては、年間の製造、輸入数量や物性等により、段階的登録物質として、登録時期に猶予期間が与えられています。
 EU REACH規則の場合、現時点で登録猶予の恩恵をうけているのは、年間1トン~100トンの製造量、輸入量の既存化学物質のみとなっています。この最後の登録猶予期限は2018年5月31日となっています。したがい、予備登録済みである年間1トン~100トンの製造、輸入量の既存化学物質で未登録の既存化学物質は本年5月31日までに本登録をしなければなりません。登録しなかった場合には5月31日以降、当該化学物質はEU域内で製造および輸入ができなくなります。

2. 韓国K-REACHの登録対象既存化学物質の製造、輸入登録対応

2013年5月22日の公布後、2015年1月1日に施行された「韓国の登録及び評価等に関する法律(K-REACH)」は本欄既報のとおり1)、第10条において、化学物質の登録について以下のように規定されています。すなわち、
(1)年間100kg以上の新規化学物質および(2)年間1トン以上の登録対象既存化学物質の製造者、輸入者に対し、製造、輸入前に対象の化学物質の登録を義務付けています。登録対象化学物質は統計調査および有害性、リスク情報から3年毎に指定され告示されることになっており、3年間の登録猶予期間が与えられています。2015年7月1日に第1回目の登録対象既存化学物質として510物質が官報告示(「環境部告示第2015-92号」2))されています。従って、第1回目に官報告示されている登録対象既存化学物質の猶予期限は2018年6月30日となっています。この期限日までに登録ができていない場合、未登録の登録対象既存化学物質を2018年7月1日以降は年間1トン以上製造、輸入できないこととなります。
 以後、3年毎に第2回目の登録対象既存化学物質は2018年、第3回目は2021年に告示される予定となっています。

3. 韓国K-REACH改正の動き

ところが現行の韓国K-REACHに改正の動きがあり3)、2017年8月8日に「生活化学製品及び殺生物剤安全管理法(K-BPR)」制定案と「化学物質の登録及び評価等に関する法律(K-REACH)」の改正法案が国務会議で議決され、国会での審議が行われています。
 今回のK-REACHの改正案によりますと、現行法の第8条(化学物質の製造等の報告)および第9条(登録対象化学物質の指定)が削除され、第10条(化学物質の登録等)は、年間100kg以上の新規化学物質および年間1トン以上の既存化学物質の製造、輸入者は製造、輸入前にあらかじめ登録することが義務付けられる改正案になっています。ただし、既存化学物質の製造者、輸入者に対しては大統領令の定めによる登録猶予期間が設けられ、環境部で規定される申告を行えば、当該期間中は登録しなくとも製造、輸入が認められることになっています。化評法改正案では、現行法第2条(定義)5項の「登録対象既存化学物質」は削除されます。
 この場合、環境部令で規定により製造、輸入前に以下の事項を申告することにより製造、輸入が可能となります。

  • (1)化学物質名称
  • (2)年間の製造・輸入量
  • (3)その他環境部令で定める事項

しかし、2項で取り上げています現行法での第1回目に登録対象既存化学物質に告示されている物質は現行法が適用されますので、6月30日が登録期限となります。

(瀧山 森雄)

1)http://j-net21.smrj.go.jp/well/reach/column/151204.html
2)http://www.law.go.kr/admRulLsInfoP.do?admRulSeq=2100000021862#AJAX
3)http://j-net21.smrj.go.jp/well/reach/column/170106.html

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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