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ここが知りたい REACH規則

コラム

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17.06.02

国内化学物質規制の最近の動きから-安衛法ラベル・SDS対象物質追加について-

日本国内では、労働安全衛生法(労安法)の改正が平成26年に公布され、化学物質に関わる事項については、昨年平成28年6月から施行されました。この改正においては、ラベル表示の対象物質が、SDSの交付対象物質の労働安全衛生法施行令別表9まで拡大されました。
 その後も、27件の物質が追加され、今年平成29年3月1日から施行されるとともに、別表9への更なる追加等について、現在意見募集が行われています。

今回のコラムでは、これら別表9への物質追加に関する動きの概要についてご紹介します。

1)平成29年3月1日から施行された労働安全衛生法施行令別表9の追加物質1)

以前は別表9に640物質がリストされていましたが、3月1日から27物質が追加されました。追加物質の中には従来の収載物質と統合(3物質)、削除(1物質)された物質があったため、別表9の収載物質は現在663物質となっています。新たに追加された27物質の内容を表1に示します。

表1:平成29年3月1日から施行された別表9の追加物質及びそれらの裾切値(注1)
物質名 CAS番号 裾切値
表示 通知、RA
(注2)
1 亜硝酸イソブチル 542-56-3 1%未満 0.1%未満
2 アセチルアセトン 123-54-6 1%未満 1%未満
3 アルミニウム(*1) 7429-90-5 1%未満 1%未満
4 エチレン 74-85-1 1%未満 1%未満
5 エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート 112-07-2 1%未満 0.1%未満
6 クロロ酢酸 79-11-8 1%未満 1%未満
7 0-3-クロロ-4-メチルクマリン-7-イル 0,0-ジエチルホスホロチオアート 56-72-4 1%未満 1%未満
8 三弗化アルミニウム 7784-18-1 1%未満 0.1%未満
9 N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 3710-84-7 1%未満 1%未満
10 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 112-34-5 1%未満 1%未満
11 ジクロロ酢酸 79-43-6 1%未満 0.1%未満
12 2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチルホスホン酸ジメチル(別名DEP) 52-68-6 1%未満 0.1%未満
13 水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム 22722-98-1 1%未満 1%未満
14 テトラヒドロメチル無水フタル酸 11070-44-3 1%未満 0.1%未満
15 N-ビニル-2-ピロリドン 88-12-0 1%未満 0.1%未満
16 ブテン 25167-67-3他 1%未満 1%未満
17 プロピオンアルデヒド 123-38-6 1%未満 1%未満
18 プロペン 115-07-1 1%未満 1%未満
19 1-ブロモプロパン 106-94-5 1%未満 0.1%未満
20 3-ブロモ-1-プロペン(別名臭化アリル) 106-95-6 1%未満 1%未満
21 ヘキサフルオロアルミン酸三ナトリウム 13775-53-6 1%未満 1%未満
22 ヘキサフルオロプロペン 116-15-5 1%未満 1%未満
23 ペルフルオロオクタン酸(*2) 335-67-1 0.3%未満 0.1%未満
24 メチルナフタレン 90-12-0
91-57-6
1%未満 1%未満
25 2-メチル-5-ニトロアニリン 99-55-8 1%未満 0.1%未満
26 N-メチル-2-ピロリドン 872-50-4 1%未満 0.1%未満
27 沃化物(*3) 7681-11-0他 1%未満 1%未満
  • *1:アルミニウム水溶性塩はすでに令別表第9に規定されていたので、アルミニウムを追加し、「アルミニウム及びその水溶性塩」として規定。
  • *2:ペルフルオロオクタン酸アンモニウム塩はすでに別表第9に規定されていたので、ペルフルオロオクタン酸を追加し、「ペルフルオロオクタン酸及びそのアンモニウム塩」として規定。
  • *3:沃素(606号)及び沃化メチル(605号)がすでに別表第9に規定されていた。これらとも統合して「沃素及びその化合物」(606号)として規定。
  • 注1:労働安全衛生規則 別表2で規定(省令第24号)
  • 注2:RA;リスクアセスメント

#16は異性体が複数存在しますので、表中のCAS番号以外に複数のCAS番号の物質が対象になります。#24につきましても、2種の異性体が存在します。
 上記#27は省令では沃化物として公示されていますが、政令では「沃素およびその化合物」として公示されています。
 なお、これら追加された物質および混合物の製品が、在庫等で「現に存する場合」平成29年8月31日までは、適用が猶予されています。

2)意見募集が行われている別表9の追加物質案について2)

さらに表2の物質を、別表9に追加することが検討されており、平成29年5月16日から6月14日まで意見募集が行われています。意見募集終了約2週間後に公布、平成30年7月頃に施行される予定です。

表2:意見募集が行われている別表9に追加予定の物質
物質名 CAS番号 裾切値(注1)
表示 通知・RA
(注2)
1 アスファルト 8052-42-4 1%未満 0.1%未満
2 1-クロロ-2-プロパノール 127-00-4 1%未満 1%未満
3 2-クロロ-1-プロパノール 78-89-7 1%未満 1%未満
4 ジチオりん酸0,0-ジエチル-S-(tert-ブチルチオメチル)
(別名テルブホス)
13071-79-9 1%未満 0.1%未満
5 フェニルイソシアネート 103-71-9 1%未満 0.1%未満
6 2,3-ブタンジオン(別名ジアセチル) 431-03-8 1%未満 0.1%未満
7 ほう酸(*1) 10043-35-3 0.3%未満 0.1%未満
8 ポルトランドセメント 65997-15-1 1%未満 1%未満
9 2-メトキシ-2-メチルブタン(別名tert-アミルメチルエーテル) 994-05-8 1%未満 0.1%未満
10 硫化カルボニル 463-58-1 1%未満 1%未満
  • *1:「ほう酸ナトリウム」が既に令別表第9第544号に規定されている。これと「ほう酸」を統合し、「ほう酸及びそのナトリウム塩」として規定される予定
  • 注1:労働安全衛生規則 別表2で規定される
  • 注2:RA;リスクアセスメント

#1のアスファルトおよび#8のポルトランドセメントは、UVCBです。製品により、化学組成が異なる可能性があります。業界ではアスファルトについては鉱油に属するとして、またポルトランドセメントについては、セメント中にCaOが含有することから、現在、既にSDSが提供されていますが、今後は、それぞれ別表9にリストされることになります。
 #2,3のクロロプロパノールは異性体です。検討段階では、まとめて審議されていましたが、個別に提案されています。

なお、今回の提案では、「非晶質シリカ」を対象外とするために、「シリカ」を削除し、「結晶質シリカ」が追加されることになっています。裾切値は、表示、通知およびリスクアセスメントに対して、0.1%未満とされています。施行日は、法改正の公布日です。

3)労安法別表9に収載されていない物質の対応について

日本国内では、表示(ラベル)、通知(SDS)の対応を規定する法律は、労安法以外に消防法、化管法や毒劇法があります。対応が必要な物質は、法律により相違しています。これらの対応は義務付けられていますのでそれぞれ順守されています。しかし、労安法の対応でご相談を受ける内容で気になることがあります。
 例えば、身近に使われている次亜塩素酸ナトリウムは、労安法では危険物として規制されていますが(施行令別表1)、別表9には収載されていません。そのため表示や通知については労安法の義務はありません。
 労安法では、GHSの基準で、危険有害性がある化学品については表示・通知の努力義務を求めています(労働安全衛生規則第24条の14、および15)。また、リスクアセスメントについても同様に努力義務規定(労働安全衛生法第28条の2)があります。
 化学品を安全に正しく使用し、化学品による事故を撲滅するためには、たとえ労安法別表9や化管法等で規制を受けない化学品についても、GHSの危険・有害性に分類される場合は、ラベルを貼付しSDSを交付することにより、その情報の伝達を行っていただきたいと考えています。

(林 譲)

1)http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126934.html
2)https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495170022&Mode=0

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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