本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

REACH検索

16.09.09

台湾化学物質管理法の最近の情報から(2)-SDSの成分情報等の秘密保持申請について-

台湾のラベル・SDS 制度は旧来の「危險物與有害物標示及通識規則」が修正され、「危害性化學品標示及通識規則」と改称され、2014年6月27日に公布され、2014年7月3日から施行されています1)。なお、化学品の分類基準を定めた国家標準CNS15030の一部は、GHSパープルブック第4版を採用して、2015年に更新されています2)

本規則が適用される物質は、2013年12月23日までに三段階に分けて指定され、合計3,171物質が対象となっていましたが、2016年1月1日からは台湾国家標準CNS15030で危険有害性に分類される全ての化学品が義務となりました3)。ただし、1年間の猶予期間が設けられています4)。すなわち、来年2017年1月1日からは、危険有害性に分類される物質及び混合物のラベル・SDSは「危害性化學品標示及通識規則」に準拠して作成する必要があります。

危険化学品の混合物のSDSには含有する成分情報等の開示が必要です。ただし、「危害性化學品標示及通識規則」の第18条では下記の情報について、国家の安全保障あるいは企業秘密の保護のために、申請が認められれば、開示しないことが許されています。

「危害性化學品標示及通識規則」第18条(筆者要訳)
製造者、輸入者及び供給者は、国家の安全保障あるいは企業秘密のために、危険有害性の成分名称、含有率、製造者、輸入者及び供給者の名前を開示しない場合は、下記の情報を提出し、監督当局の許可を得なければならない。
  1. 国家の安全保障あるいは企業秘密であることを証明する書類
  2. 国家の安全保障あるいは企業秘密情報を保護するための措置
  3. 申請者と競合者に対する経済的利益の評価
  4. 製品中の危険有害性成分の分類の説明と証明
ただし、国家標準CNS15030によって、下記の危険有害性に分類される成分については非開示とすることはできない。
 急性毒性、区分1,2,3
 皮膚腐食/刺激性、区分1
 眼に対する重篤は損傷/刺激性、区分1
 呼吸器感作性または皮膚感作性
 生殖細胞変異原性
 発がん性
 生殖毒性
 特定標的臓器毒性(単回ばく露)区分1
 特定標的臓器毒性(反復ばく露)区分1

2016年8月31日に、秘密保持の申請のためのツールが公開され、9月1日から申請ができるようになりました5)。申請ツールおよびガイダンスは下記のURLから入手できます。
http://ghs.osha.gov.tw/CHT/intro/SDSDownload.aspx
 日本の輸出者は、台湾の代理人を経由して申請することができます。

一方、EUでも同じように、SDSで企業秘密としたい成分については、申請により代替名称を使用にすること、すなわち、成分名称の非開示にすることが認められています(CLP規則第24条、附属書I,1.4項)。台湾の制度は、CLP規則を採用したように思えますが、CLP規則の代替名称の使用が認められる要件は下記のようになっています。

CLP規則で成分の代替名称の使用が認められる要件

  1. 共同体作業場所のばく露限界値が付与されていない物質であり、
  2. 代替名称を使うことにより、必要な健康および安全予防措置の十分な情報を提供や混合物を取り扱うリスク管理措置をとる要求を証明することができ、
  3. 下記の危険有害性にのみ分類される
    (a)物理化学的危険性の何れか
    (b)急性毒性、区分4
    (c)皮膚腐食/刺激性、区分2
    (d)眼に対する重篤は損傷/刺激性、区分2
    (e)特定標的臓器毒性(単回ばく露)、区分2又は3
    (f)特定標的臓器毒性(反復ばく露)、区分2
    (g)水生環境有害性-慢性、区分3又は4

台湾とEUでは、SDSの成分情報を非開示にできる要件は少し相違しますが、開示が原則です。今回のコラムでは台湾、EUの状況をご紹介しましたが、GHSを導入している国では、成分情報の開示が原則要求されています。

他方、日本におけるSDSの成分情報の開示は、労働安全衛生法、化管法や毒劇法において異なります。すなわち、それぞれの法律で指定された物質については、名称や含有率を開示しなければなりませんが、指定されていない物質については、たとえGHSの分類で危険有害性であっても非開示にできます。しかし、その他の化学品でJIS Z 7252の分類基準で危険有害性となる化学品については、労働安全衛生施行規則第24条の14でラベルの貼付が、また、第24条の15ではSDSの交付が努力義務とされています。これからは、諸外国の動向や労働安全衛生施行規則を踏まえ、化学品を取り扱う川下企業の安全のために、法的義務がなくても企業秘密を守れる範囲で化学品の危険有害性情報の伝達に努めていただきたいと思います。

(林 譲)

中小企業の方を対象として、海外ビジネスに関する質問を無料で受け付けています。
中小機構「中小企業国際化支援アドバイス

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


このページの先頭へ