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ここが知りたい REACH規則

コラム

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16.08.12

カナダの危険有害性製品法および危険有害性製品規則の要求事項に関する技術ガイダンス文書が公表されました。

カナダでは、危険有害性製品法(Hazardous Products Act;HPA)1)が2015年2月に修正され、この改正に合わせ、管理製品規則(Controlled Products Regulations;CPR)2)が廃止され、新たに危険有害性製品規則(Hazardous Products Regulations;HPR)3)が制定・公布されました。HPRにはGHS第5版が導入されました。

これらの規則は下表のように段階的に導入されることになっています。

表1:CPRからHPRへの移行時期
段階 時期 供給者
製造者、輸入者 流通業者
段階1 2017年5月31日まで CPRかHPRの要求事項を順守 CPRかHPRの要求事項を順守
段階2 2017年6月1日~
2018年5月31日まで
HPRの要求事項を順守 CPRかHPRの要求事項を順守
段階3 2018年6月1日から HPRの要求事項を順守 HPRの要求事項を順守

GHSの適用時期が残すところ1年になり、製造者・輸入者へのHPA・HPRの要求事項を解説する技術ガイダンス文書が2回に分けて出されることになっています。今回第1部が公表され4)、第2部は2016年秋に公表される予定です。

第1部、2部の技術ガイダンス文書の構成は下記の様になっています。

第1部:
  • セクションA-序
  • セクションC-法的要求事項
    パート1:解説(HPRの用語の定義の解説されている)
    パート2:製品、混合物、物質の分類
    パート3:ラベリング
    パート4:安全データシート(SDS)
    パート6:追加要求事項
  • 附属書A-営業秘密情報(CBI)
 
第2部:
  • セクションB-HPRの要求事項
  • セクションC-法的要求事項
    パート5:除外
    パート7:物理化学的危険性の分類(HPRの個々の物理化学的危険性の条文を含む)
    パート8:健康有害性の分類(HPRの個々の健康有害性の条文を含む)
 

カナダの化学品危険有害性情報伝達制度としては、HPA及びその下位の規則(CPR、HPR)の要求事項を取り入れ、「作業場危険有害性物質情報制度(Workplace Hazardous Materials Information System;WHMIS)」として標準化されています。WHMISは、「危険有害性の分類」、「ラベル」、「SDS」および「労働者の教育と訓練」の内容で構成されています。WHMISは、HPAおよびCPRに基づくWHMIS-1988から、改正HPAおよびHPRに基づくWHMIS-20155)に修正されています。

カナダに危険有害性を有する化学品を輸出する場合は、2017年6月1日以降は、WHMIS-2015を順守して、分類し、ラベルを貼付し、SDSを提供することが必要となります。

改正されたカナダのGHS制度については、これまでに質問コーナーやコラムなどで内容の一部は紹介されていますが、このコラムでは改正HPA、HPRおよび、WHMIS-2015について、改めて整理して紹介します。

今回のGHSの導入に当たっての、カナダの危険有害性のクラスをGHSのクラスと比較して、下記に示します。

物理化学的危険性のクラス
国連GHS 第5版カナダHPA、HPR、WHMIS-2015
1 火薬類 不採用。ただし、HPA付表2(危険有害性クラス)には記載されているが、付表1(HPAが適用されない危険有害性製品)に、火薬類は火薬法が適用され、HPAは不適用としている。
2 可燃性/引火性ガス 可燃性/引火性ガス
3 可燃性/引火性エアゾール 可燃性/引火性エアゾール
4 支燃性/酸化性ガス 支燃性/酸化性ガス
5 高圧ガス 高圧ガス
6 引火性液体 引火性液体
7 可燃性固体 可燃性固体
8 自己反応性化学品 自己反応性化学品
9 自然発火性液体 自然発火性液体
10 自然発火性固体  自然発火性固体
11 自己発熱性化学品  自己発熱性化学品
12 水反応可燃性化学品 水反応可燃性化学品
13 酸化性液体 酸化性液体
14 酸化性固体 酸化性固体
15 有機過酸化物 有機過酸化物
16 金属腐食性物質 金属腐食性物質
17 - 可燃性粉塵
18 - 単純窒息
19 - 自然発火性ガス
20 - 他で分類されない物理化学的危険性
健康有害性のクラス
国連GHS 第5版 カナダHPA、HPR、WHMIS-2015
1 急性毒性 急性毒性
2 皮膚腐食性/刺激性 皮膚腐食性/刺激性
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
4 呼吸器感作性または皮膚感作性 呼吸器感作性または皮膚感作性
5 生殖細胞変異原性 生殖細胞変異原性
6 発がん性 発がん性
7 生殖毒性 生殖毒性
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 特定標的臓器毒性(単回暴露)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 特定標的臓器毒性(反復暴露)
10 吸引性呼吸器有害性 吸引性呼吸器有害性
11 - バイオハザード感染性物質
12 - 他で分類されない健康有害性

注)GHSの危険有害性の用語は、パープルブックの訳語を用いています。

カナダでは、GHSの導入に当たって、危険有害性のクラスをそのまま採用していません。カナダ独自の危険有害性クラスを追加し、選択可能方式(Building block approach)を採用しています。

物理化学的危険性では、火薬類は火薬法を適用し、HPAは適用されません。カナダ独自の物理化学的危険性クラスとして、「可燃性粉塵」、「単純窒息」、「自然発火性ガス」、および、「他で分類されない物理化学的危険性」の4クラスが追加されています。その結果、物理化学的危険性は19クラスになっています。
 健康有害性としては、GHSの10クラスに加え、「バイオハザード感染性物質」、および、「他で分類されない健康有害性」の2クラスが追加されています。健康有害性は12クラスとなっています。
 なお、バイオハザード感染性物質はHPRで下記のように定義されています。

「バイオハザード感染性物質は、ヒトまたは動物に、毒性の有無に関係なく、感染症を引き起こすか、引き起こす可能性のあるいかなる微生物、核酸又はたんぱく質を意味する。」

これに分類された場合は、下記のシンボルが適用されます。

バイオハザード感染性物質

図:バイオハザード感染性物質の絵表示

環境有害性については、労働者の健康と安全に関わらないことから採用されていません。

HPRの付表4には、規定された分類(Prescribed Classification)のリスト、39件の物質、混合物が示されています。このリストに収載された物質は、CPRで決められていた労働者の保護レベルを継続するためのものです。しかし、全ての危険有害性の評価はされていないため、他の危険有害性については事業者が評価する必要があります。

カナダの公用語は英語とフランス語であることから、ラベル・SDSはこの二か国語で記載・作成されていることが必要です。

混合物の危険有害性物質やその組成情報についても、ラベル・SDSで開示することが必要です。しかし、カナダ保健省に、これらの情報を営業秘密として申請し、危険有害性物質情報審査法(Hazardous Materials Information Review Act;HMIRA)6)のもとで認められれば、営業秘密となる情報の開示が免除されます。営業秘密として認められた場合は、HMIRA登録番号が与えられ、ラベル・SDSに、登録番号と登録日を記載することが必要となります。なお、この申請には費用が発生し、免除リスト、その決定日および有効日がカナダ官報で公表されます。

カナダと米国で、「カナダ―米国規制協力理事会Canada-United States Regulatory Cooperation Council(RCC)」が設けられています7)。これを踏まえ、HPRと米国のHCS-2012との相違をできる限り少なくするための検討が行われたとのことです。技術ガイダンス文書には、HPRとHCS-2012との差異についての記載もあります。

参考資料
1)http://laws-lois.justice.gc.ca/eng/acts/H-3/index.html
2)http://laws-lois.justice.gc.ca/eng/regulations/SOR-88-66/PITIndex.html
3)http://laws-lois.justice.gc.ca/eng/regulations/SOR-2015-17/
4)http://www.hc-sc.gc.ca/ewh-semt/pubs/occup-travail/technical-guidance-whmis-2015-guide-technique-simdut/index-eng.php
5)http://www.hc-sc.gc.ca/ewh-semt/occup-travail/whmis-simdut/index-eng.php
6)http://laws-lois.justice.gc.ca/eng/acts/H-2.7/
7)http://www.hc-sc.gc.ca/ahc-asc/legislation/acts-reg-lois/rcc-ccmr/index-eng.php

(林  譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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