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ここが知りたい REACH規則

コラム

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16.04.22

SVHCロードマップの進捗状況~年次報告書2015年版より~

REACH規則では、化学物質の危険有害性やその使用状況に基づき、認可、制限等、各種の規制措置を課しています。

この規制措置の検討にあたっては、2013年に「2020年までのSVHCの特定とREACH規則におけるリスク管理措置の実施に関するロードマップ(以下、SVHCロードマップ)」が公表され、ロードマップに従って、高懸念物質(SVHC)の特定から、現状のリスク管理状況を踏まえた規制措置の検討といった活動が実施されているところです。その進捗状況を取りまとめたSVHCロードマップ年次報告書2015年版について、ご紹介します。

ECHAは4月4日にSVHCロードマップ年次報告書の2015年版1)を公表しました。同報告書は2013年に策定された「SVHCロードマップ」の進捗状況を取りまとめた報告書であり、2014年版に続いて、第2回の年次報告書となります。
 同報告書では、SVHCロードマップに関わる活動を次の3つに大別して、各活動の関わりを図示2)しながら、第1章で2015年実績を第2章で2016年の方針が示されています。

活動名 概要
スクリーニング REACH規則に基づく登録一式文書やその他データに基づいて、潜在的懸念物質を検討する活動
データ生成および評価 物質の発がん性・生殖毒性・変異原性(CMR)や難分解性、生体蓄積性、毒性(PBT)、極めて難分解性で高い 生体蓄積性(vPvB)、内分泌かく乱等のSVHC特性を評価するにあたり、必要な情報を生成し、特性を評価する活動
(有害性評価活動や登録一式文書のコンプライアンスチェック、共同ローリングアクションプラン(CoRAP)など)
リスク管理オプション分析(RMOA) 上記活動を通じて、懸念があるとされた物質について、更なる規制措置の必要性や適切な規制種別を検討する活動

SVHCロードマップに則った活動が開始された2013年2月~2015年末までのRMOAの結論は次の通りであり、認可対象候補物質リスト(Candidate List)への収載や附属書XVIIへの収載(制限)等の規制措置が必要とされた物質については、その提案意図の登録(Registry of Intentions)が行われ、各規制措置の検討手続きが開始されています。

なお、RMOAの活動状況はECHAのホームページ3)で公表されており、適時に更新されています。

RMOAの結論 2013年2月
~2014年末
~2015年末 合計
REACH規則 認可対象候補物質 5 15 20
REACH規則制限 1 5 6
CLP規則調和化された分類・表示(CLH) 1 2 3
他の法規制での規制措置 2 3 5
規制措置以外の対応 1 5 6
更なる規制措置は不要 5 8 13
合計 15 38 53

年次報告書では、SVHCロードマップに基づく活動が2年経過したことで、個々に実施されていた各活動のつながりが明確になりつつあり、またECHAのホームページ等による進捗状況の公表によって、関係者への透明性や予測可能性が高まっていると述べています。

しかしながら、SVHCロードマップでは、2013年~2020年の間に440物質、年平均55物質のRMOAを実施する計画となっていましたが、2015年のRMOA実施物質は42物質となり、目標には未達の状況です。これは対象物質の情報源として利用するREACH規則に基づく登録一式文書において、特にばく露や用途情報が不足している場合が多く、そのデータ生成に時間を要していることが一因として挙げられています。この点については、登録者に対する追加情報の提供要請等を通じて、対応が強化されつつあります。また、目標年度である2020年に向けてSVHCロードマップに関する各種活動も今後強化していくことが想定されます。

なお、年次報告書の第3章では、各年における認可対象候補物質リスト、認可対象物質勧告、認可対象物質の決定(官報公布)の年次経過など、2009年から2015年までのCLH、制限、認可(認可対象候補物質含む)といった各種規制措置の実施状況についても記載されています。

ECHAは現在、産業界等の利害関係者が事前に対応を図れるよう、規制対象物質の検討手続きにおける透明性や予測可能性の向上を重要課題として取り組んでいます。

認可対象候補物質や制限対象物質の提案については、ECHAの提案意図の登録4)のページで、正式決定よりもある程度前に検討されている物質を把握することが可能です。今回紹介したRMOA等のSVHCロードマップに関する活動は、さらにその前段階の情報となり、当局が懸念の可能性がある物質としてRMOAを開始したことによって、SVHCや制限等の規制措置が課される可能性がある物質を事前に把握することも可能となります。

(井上 晋一)

1)SVHCロードマップ年次報告書2015年版
2)ECHA 懸念可能性のある物質
3)PACT RMOAおよび有害評価活動
4)提案意図の登録

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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