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ここが知りたい REACH規則

コラム

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16.03.18

認可に関する執行調査結果と関連動向

読者にとって、法規制の内容はもとより、執行状況や違反事例などの法規制の運用状況も関心が高い内容かと思います。
 本コラムでも、REACH規則の執行調査を加盟国共同で行っているECHAの執行情報交換フォーラム(以下、フォーラム)の状況を提示していますが、2月24日に「認可対象物質」に関するパイロットプロジェクトの調査報告書が公表されました。
 今回は、同調査報告書の内容と関連する認可・制限の動きを整理したいと思います。

1.認可対象物質に関するパイロットプロジェクト調査報告書の概要1)

このパイロットプロジェクトでは、REACH規則附属書XIVに収載され、すでに日没日が経過した認可対象物質のうち、最も早期の日没日(2014年8月21日)が設定されていた「ムスクキシレン」と「4,4'-ジアミノジフェニルメタン(MDA)」の2物質が選定されました。

調査は、これらの物質の予備登録や登録、分類・表示の届出などECHAに何らかの情報提出を行っている企業を対象に、2015年上期に18カ国の加盟国当局が参加して、日没日以降の上市や使用について実施されました。

調査は、机上調査186件と現地調査235件の合計421件実施されました。このうち、現地調査によって両物質の上市や使用状況は次表の結果となり、ムスクキシレンの上市および使用で合計3件の違反があったことが報告されています。

  MDA ムスクキシレン
上市違反 0件 2件
認可対象外の用途で上市 6件 3件
使用違反 0件 1件
認可対象外の用途で使用 7件 2件
合計 13件 8件

※両物質ともにREACH規則附属書XIVで認可除外用途は明記されていませんが、殺生物性製品や科学研究用途での使用や混合物中の濃度限界以下の含有などは、REACH規則の認可の仕組みそのものから対象外となっている用途があります。

これら3件の違反事例は次の通りであり、この違反に対しては、指導や行政命令が出されるとともに、2件については罰金が科されました。

  • 小売店がEU域外から少量を自社輸入し、販売したため
  • 混合物メーカーが日没日以降に在庫品を売却したため
  • 混合物メーカーが倉庫あったムスクキシレンを含有する原材料在庫を使用したため

これらは、法規制の対象外であるEU域外からの輸入品や原材料および製品在庫の使用など、製品含有化学物質管理において発生しやすいポイントが原因として挙げられていることがわかります。
 なお、今回のパイロットプロジェクトは、認可の執行調査の第1弾として位置づけられているため、今後も認可対象物質について執行調査が実施されることが想定されます。

2.認可対象物質をめぐるその他の動向

2015年11月27日付けREACHコラムでは、日没日を経過した認可対象物質を含有する輸入成形品に起因する健康・環境リスクが検討され、リスクが適切に管理されていない場合には制限につながることが解説されています。
 今回、パイロットプロジェクト調査対象となったMDAとムスクキシレンについても、ECHAが成形品のリスクを検討し、2015年11月に最終の検討結果が公表されました2)。  検討の結果、両物質については成形品中の含有量は無視できる範囲であるため、制限提案は行わないこととなりました。

現在、同様のリスク検討が2015年2月21日に日没日を迎えた4種のフタル酸エステル類について実施されており3)、4月1日頃に結果が公表される見込みです。これら4種のフタル酸エステル類は、電気電子製品についてはRoHS指令でも2019年7月22日以降制限対象物質となることが決定されていますが、その他の成形品についてもリスクが適切に管理されていないと判断された場合には、制限提案が行われ、制限手続きが開始されることになります。
 仮に成形品中のフタル酸エステル類の制限範囲が拡大されれば、成形品を輸出する日本企業にも大きな影響を及ぼすものと想定されるため、その検討状況には注意が必要です。

また、2016年2月5日付けREACHコラムでは、HBCD類の2用途について認可が付与されたことや、ストックホルム条約(POPs条約)においても廃絶対象物質となっていることが解説されています。
 POPs条約のEU域内法であるPOPs規則が3月2日に改正され、HBCD類が追加されました。ただし、前述のとおり、すでにREACH規則において2用途について認可付与されているため、POPs規則では適用除外用途として明記されています。

(井上 晋一)

1)
http://echa.europa.eu/documents/10162/13577/first_forum_pilot_project_authorisation_en.pdf
2)
http://echa.europa.eu/en/addressing-chemicals-of-concern/restriction/echas-activities-on-restrictions/completed-activites-on-restriction
3)
http://echa.europa.eu/registry-of-current-restriction-proposal-intentions/-/substance-rev/6301/term

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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