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ここが知りたい REACH規則

コラム

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15.12.25

アジアの玩具規制の概要

クリスマスは子供にとってプレゼントが期待できる日です。プレゼントではやはり玩具が人気で、店頭ではアジアの玩具が多く見受けられます。日本の玩具の市場規模は7,367億円(日本玩具協会資料)で、市場規模はさらに拡大中です。日本アセアンセンターの資料(PDF)では、アジア諸国からの輸入玩具の状況が紹介されています。

ASEAN:模型、ボール類、ぬいぐるみ、プラスチック製玩具
中国:ぬいぐるみ、人形、プラスチック製玩具等
台湾:自転車、テーブルゲーム、戸外遊戯用具、塩化ビニール製玩具
韓国:ぬいぐるみ、エレクトロニクス応用玩具
香港:ラジオコントロールカーを含む機械玩具及び人形等

貿易統計から輸入国は多いのですが、中国からの輸入が90%以上と推計できます。
 日本製玩具は安全で高品質とされ、海外でも評価が高いようです。子供の安全、安心を護るための規制の状況をまとめてみたいと思います。

1.中国

中国では、玩具は輸出入玩具検査管理弁法(進出口玩具檢驗監督管理辦法)により規制されます。
 第3条で「試験実施必須特定製品(必須實施檢驗的進出口商品目錄)、法的検査指定品は検査検疫機関(國家質量監督檢驗檢疫總局)によるランダム試験を行う」とされています。

第4条は輸入玩具と輸出玩具についての規定があります。

  • (1)輸入玩具は、中国の必須要件の技術仕様に基づいて検査を実施する。
  • (2)輸出用玩具は、取引当事者が合意に基づいて、より高い技術的な規制や基準のための技術要件を合意した検査を実施するための輸入国または地域の技術基準および基準に準拠した試験の実施をする。
    必須試験実施を求めた国の技術仕様に従って中国法では明確に定義することなく、政府間協定により輸出先国や地域の技術的な規制や基準によるものとする。

第5条で「輸出玩具メーカーは、製造、輸出前に登録義務」を課しています。
 第6条で「検査検疫機関は、輸出入玩具による子供への危険有害性への管理とリコールの監査を行う」を行うとしています。
 リコールは「児童玩具リコール管理規定」で管理されます。

第8条で、強制認証目録製品(強制性産品認證目錄)は、輸入許可制度民生品輸入検証管理弁法(進口許可制度民用商品入境驗證管理辦法)により試験が実施され、目録収載外製品は、輸出入玩具試験所の合格試験報告書、検査検疫機関の関連文書への検査適合証明がされます。

強制品目は、児童用車類玩具、電動玩具、射撃玩具、金属玩具、人形、プラスチック玩具の6品目が特定され、3Cが要求されます。
 対象製品はHSコードで示されています1)
 要求事項は実施規則で明確になっています2)

実施規則ではGB規格で試験法などが特定されています。例えば、GB6675-2014(玩具安全標準)で、口に入るような玩具のフタル酸エステルはDBP、BBP、DEHP、DNOP、DINP、DIDPが特定され、許容濃度は0.1%になっています。

なお、玩具は「児童玩具リコール管理規定」では、14歳以下の子供の遊びのために開発製造された製品と定義しており、EUの玩具指令と同じです。3歳未満の乳幼児規制もあります。

特定アミンの制限などの子供靴安全技術規範(GB30585:2014)が2016年1月1日から実施されます。皮革中の六価クロムについては、GB30585では10ppmですが、EU REACH規則は3ppmで微妙な差異もあります。
 また、アメリカでは、乳幼児及び12歳以下の子供向け製品については、消費者製品安全委員会(CPSC)の認可を受けた第三者機関としての試験所による検査および承認が要求されます。子供の年齢も微妙な差異があります。

2.韓国

韓国では、「品質管理および工業製品安全法」で工業製品を以下のように分類して有害化学物質管理などが行われており、玩具も対象です。この解説は、2013年6月28日付けコラムで解説していますのでご参照ください。

乳幼児工業製品の基準は次のようです。

  • 鉛(Pb) 300 mg/kg以下
    塗料および表面コーティングは、90 mg/kg以下
  • カドミウム(Cd) 75 mg/kg以下
  • ニッケル(肌に直接触れる玩具、装飾品、メガネフレーム、サングラス、衣類などに使用された金属製品に適用)溶出量0.5㎍/㎠/week以下
  • フタル酸可塑剤(合成樹脂材質で構想された製品に適用)
    DEHP・DBP・BBP 総含有量0.1%以下
  • フタル酸可塑剤(子供が口に入れて使用する目的で製作された工業製品であるチバルギ、装身具乳首、ガラガラなどに適用)
     DINP・DIDP・DNOP  総含有量0.1%以下

その後、子供製品については、「子供製品安全特別法」が2015年6月4日から施行されています。

第3条の国の責務として、「子供製品の安全性を確保するために子供製品に関する基準または規格(以下、安全基準)を国際基準に適合するように制定または改正し、これを施行するようにしなければならない」としています。
 ただ、用語の定義では、「子供製品は、満13歳未満の子供が使用または、満13歳未満の子供のために使用される物品又はその部分品や付属品をいう(但し、『薬事法』による医薬品と医薬部外品や『医療機器法』による医療機器などは除外)」とされています。
 「安全認証対象の子供製品」「安全確認対象子供製品」「製造者適合性確認対象子供製品」「安全管理対象子供製品」などに分類されて、施行規則の附属書で特定されています。

安全認証制度(第17条)では、安全認証対象の子供製品の製造者または輸入業者が出荷前または通関前に型式ごとに安全認証機関から安全認証(製品検査と工場審査による子供製品の安全性を証明する)を受けなければなりません。

対象製品は4製品で基準も指定されています。認証マークは金色または黒色のKCマークです。同時に警告表示義務もありマークも決められています。

  • 子供用水遊び器具
    子どもたちの製品の共通の安全基準
    水遊び機構安全基準
  • 子供の乗り物
    子どもたちの製品の共通の安全基準
    子供の遊具の安全基準
  • 自動車用子供の保護装置
    子どもたちの製品の共通の安全基準
    自動車用子供の保護装置の安全基準
  • 子供用ピストル
    子どもたちの製品の共通の安全基準
    ピストルの安全基準

対象ピストルは、圧縮空気やスプリングなどの圧縮された動力を利用してプラスチック固形弾丸を運動エネルギーに飛行させることができる8歳以上14歳未満の子供たちと満14歳以上20歳未満の青少年たちが使用する玩具の銃を指します。
 ただ、残念ながら基準は韓国固有のhwpファイルですので、マイクロソフトのOfficeなどでは見ることはできません。

hwpフィルのビューアはダウンロードできるようですので、関連ファイルをご紹介しておきます。
安全認証対象子供製品の安全基準
安全確認対象子供製品の安全基準
製造者適合性確認対象子供製品の安全基準
子供製品共通の安全基準
子供製品の安全管理制度の運用要領
子供製品のガイドライン

3.台湾

台湾では、消費者保護法を根拠とした玩具商品表示基準(玩具商品標示基準、pdf)があります。
 対象は、14歳以下の子供が遊びを目的とした製品で、人形、積木(ブロック)、バギー、玩具の組み合わせを含むものとしています。
 表示事項は次です。

  • 玩具の名称
  • 製造者名、住所、電話番号、および営利事業登記番号
    輸入または販売者、住所、電話、営利事業登記番号、製造元の名前、住所
  • 主成分または材料
  • 適用年齢
  • 使用方法や注意事項
  • 人に危険安全性や健康に影響する製品は、警告標識や特殊な警告標識をマークする

警告や注意の記述基準もあります。
 「警告」「注意」の文字は5mm×5mm以上、内容文字は1.5mm×1.5mm以上とされています。
 表示事項例は以下です。

  • 小さな部材を含む玩具
    警告:この玩具は、36カ月以下の子供には適していません。
  • 機能性玩具(ミシンなど)
    警告:大人の直接の指導の下で使用する必要があります。

検査対象製品と検査規格は經濟部標準檢驗局(BSMI)で公開されています3)

BSMIは商品検査法により商品検査を行いますが、概要は台湾RoHS法の解説コラムをご参照ください。
 フタル酸エステル類については「可塑劑檢測」で、CNS4797「玩具安全(一般要求事項)」とCNS15138「プラスチック玩具のフタル酸エステル系可塑剤の試験方法」が適用されます。

3歳以下の子供用に設計された製品の基準は次です。
 DEHP、DBP、BBP、DNOP:添加禁止(非意図的場合は0.1%)
 DINP、DMP、DIDP、DEP:01%以下(樹脂類の規定に適合している場合)

なお、台湾では輸入制限製品(PDF)が特定されています。玩具では花火や無線制御玩具などが入っています。

4.シンガポール

アセアンでも規制があります。シンガポールでは消費者保護法(CONSUMER GOODS SAFETY REQUIREMENTS:CGSR、PDF)で全般的な規制をしています。

CGSR規制は、すでに他の特定の法律によって規制されていない一般消費財をカバーしています。消費者向製品を2分類しています。
 Category 1:安全基準としてISO規格、IEC規格、EN規格やASTM(American Society for Testing and Materials)規格などがある場合はその基準に準拠する必要があります。
 Category 2:Category 1以外の製品で、中古品、医薬品等が別表に範囲外の規定があります。

同法のガイドによれば、CGSRでは玩具、子供用品、アパレル、スポーツやレクリエーションの製品も対象で、生産者や輸入業者等は、安全な商品を販売する必要があります4)

玩具として、玩具銃、 キャンディ/お菓子の入った玩具容器、風船、積木や人形が特定されています。また、子供向け製品として、幼児用ベッド、ベビーフードウォーマーや乳児用ミルク瓶滅菌器などが特定されています。
 これらの基準は国際基準があればその基準に準拠させなくてはなりません。

5.マレーシア

マレーシアでは、消費者保護法(CONSUMER PROTECTION ACT 1999、PDF)で規制されます。14章150条の詳細な規定ですが、玩具に関する直接的な規定はなく、Consumer Protection (Safety Standards For Toys) Regulations 2009(PDF)Consumer Protection (Safety Standards For Toys)(Amendment)Regulations 2010(PDF)で適合規格が指定されています。

規格として次があります。

  • MS ISO 8124-1:2001, Safety of toys - Part 1: Safety aspects related to mechanical and physical properties;
  • MS ISO 8124-2:1999, Safety of toys - Part 2: Flammability;
  • MS ISO 8124-3:2002, Safety of toys - Part 3: Migration of certain element; MS 1774: Part 4:1998, Safety of toys Part 4: Experimental sets for chemistry and related activities;
  • MS 1774: Part 5: 1998, Safety of toys - Part 5: Chemical toys (set) other than experimental sets;
  • MS 1774: Part 6: 1998, Safety of toys - Part 6: Graphical symbol for age warning labelling;
  • MS 62115: 2008, Electric Toys - Safety.

ISO8124はEN71と調和されています。適合宣言などの手順はガイドがあります5)

なお、日本では日本玩具協会が安全基準としてSTマーク を運用しています。

玩具生産量の多いアジア諸国のいくつかの国の玩具規制を紹介しました。基本的事項はEU玩具指令に類似していますが、対象年齢や基準値などで微妙な差異があります。

輸出する場合は、一番厳しい基準に合わせることが行われますが、EUなどでは法基準の考え方は、法基準は最低限の要求として、自社で基準を定める場合があります。
 例えば、ドイツでは、玩具指令を基準として、それに追加基準を定めたシュピール グートがあります。
 玩具は国より異なる法基準への適合は当然として、プレゼントされた玩具を喜ぶ子供の姿を思い浮かべて、自主的に取組むことが、肝要に思えます。

(松浦徹也)

1)http://www.ccc-service.com/upLoadfile/file/20150901/20150901174722462246.xls
2)http://www.cnca.gov.cn/tzgg/ggxx/ggxx2010/201106/t20110614_5800.shtml
3)http://www.bsmi.gov.tw/wSite/public/Data/f1446429406143.pdf
4)http://www.spring.gov.sg/Building-Trust/Raising-Confidence/Documents/
CGSR_InfoBooklet.pdf

5)http://www.kpdnkk.gov.my/kpdnkkv3/images/KPDNKK/PDF/Peraturan_GarisPanduan/
Peraturan/Dokumen_Rujukan/Panduan_Keselamatan.pdf

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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