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ここが知りたい REACH規則

コラム

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15.12.18

ECHAの執行情報交換フォーラムによる最近の動き

2015年7月3日付けコラムで、ECHAの執行情報交換フォーラム(以下、フォーラム)の状況を整理しました。フォーラムによる活動(テーマ選定、調査プロジェクトの実施結果など)は、企業の順守状況や当局の関心事、課題認識を把握する手がかりとなる情報として有用です。
 今回は、2015年後半のフォーラムに関連する動きを取りあげます。

1.新たなテーマの選定

2015年は小規模な特別プロジェクトとして、「認可対象物質」と「CLP規則によって子供の誤用防止留め具の設置が義務付けられている有害な物質や混合物を含む消費者向け製品」の2テーマが実施されています。
 一方、今後の予定として2016年、2017年に実施する特別プロジェクトのテーマが11月に発表されました1)

2016年のテーマとしては「インターネット販売される化学品」が取り上げられることになりました。これにより、インターネットを通じた物質や混合物の販売時に適切な情報が消費者に提供されているかなどが調査されることになります。

また、2017年のテーマとしては、「成形品中の化学物質」が取り上げられることになりました。執行フォーラムは、2015年9月25日付けコラムでも取り上げた欧州司法裁判所の先決裁定に基づき、成形品中のSVHCに関する「届出」や「情報伝達」について調査が行われることになります。

2.SDSチェックリスト

これまで実施された共同査察プロジェクト(REACH EN FORCE:REF)では、これまでの調査でSDSの不備が多く指摘されていました。そのため、2017年に実施されるREF-5では、「e-SDSやばく露シナリオ、リスク管理措置、使用条件」といったREACH規則によって新たに導入されたSDS関連項目をテーマとして選定しています。
 なお、REF-5では、化学品の提供者だけでなく、川下使用者も含めたサプライチェーン全体を調査対象としています。

SDSの不備が散見されることから、ECHAは11月に執行フォーラムが開発した「SDSチェックリスト(PDF)」を公表しました。公表されたチェックリストは査察官向けにSDSの確認ポイントを示したものですが、企業にとってもSDSの内容や整備状況などを確認するにあたり、有効な資料として活用できます。
 なお、チェックリストは、次の4つのパートで構成されています。

  • 企業の属性に関する設問:対象企業がSDSの供給者なのか受領者なのか など
  • SDS受領企業向け設問:公用語で記載されたSDSを入手しているか など
  • 現地確認用の設問:SDS情報を従業員が閲覧できるか など
  • SDS記載項目確認用の設問:SDS記載項目として定められた16項目ごとの確認内容
3.REF-3の最終報告書

2013年から2014年にかけて「製造者や輸入者、唯一の代理人の登録義務」をテーマに、税関当局と連携して実施されたREF-3の最終報告書が12月10日に公表されました2)
 2013年に実施されたフェーズ1については、報告書が2014年7月に公表されていましたが、今回公表されたのは、2014年に実施されたフェーズ2を含めた最終報告書となります。

最終報告書によると、REF-3全体で1,169企業、5,746物質についての登録義務について調査が行われ、13%の企業で登録義務の一部が実施されていないとおらず、その中でも2%の企業はまったく登録義務を行っていなかったことが示されました。
 企業規模(表1)、役割(表2)別に調査対象企業における不順守企業の割合を見ると、企業規模が小さい企業ほど不順守率が高いこと、また、役割別に見ると「唯一の代理人」や「輸入者」の不順守率が高いことが示されています。

表1 企業規模別の不順守企業の割合
  調査企業数 不順守企業数 割合
ミクロ 258 46 18%
小規模 281 38 14%
中規模 274 34 12%
大規模 323 25 8%

※企業規模が不明な33社を除く

表2 役割別の不順守企業の割合
製造者(専業) 7%
製造者(兼業) 6%
輸入者(専業) 19%
輸入者(兼業) 15%
唯一の代理人 34%

また、不順守の理由としては、未登録が最も多く、次いで唯一の代理人に関連する事項が多くなっています。中でも唯一の代理人については、REF-3のフェーズ2で詳細調査が実施され、唯一の代理人が、EU域内の輸入者や川下企業を認識していない点、化学物質の取り扱いに関する適切な知見を持っていない点など、REACH規則第8条が定める唯一の代理人の要件や義務についての不備が指摘されています。

これらの調査結果を受けて、唯一の代理人の不順守率が高い点については、ECHAに対して唯一の代理人に関するガイダンスの見直しを要請するとともに、EU域外の製造者に対して、EU域内のすべての輸入者に対する年間輸出量を、唯一の代理人に知らせるよう強く要請しています。また、輸入者や小規模企業などはまだまだREACH規則への理解が不足しており、関連業界等で支援していくことが必要であると指摘しています。

なお、2016年には「制限」をテーマとしたREF-4が実施される予定です。「制限」がテーマのため、登録のように手続き上の不備が指摘されるのではなく、製品への制限対象物質の含有有無等が調査されるものと想定されます。

(井上 晋一)

1)
http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/forum-starts-projects-on-internet-trade-of-chemicals-and-on-substances-in-articles
2)
http://echa.europa.eu/documents/10162/13577/ref_3_report_en.pdf

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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