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ここが知りたい REACH規則

コラム

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15.11.13

REACHにまつわる最近のニュース(58)-SVHC、制限提案に関する最近の動きから-

今回は、SVHCおよび制限物質の検討状況について紹介します。

1.Candidate listに収載候補について

SVHCは、6カ月ごとに追加行使されますが、例年のスケジュールから次回は12月中頃の公表と思われます。その候補として表1に示す7物質について、2015年8月31日から2015年10月15日まで意見募集が行われていました。

表1:意見募集が行われていたcandidate list収載候補物質1)
# 物質名 EC# 提案者 提案理由
1 1,3‐プロパンスルトン 214-317-9 ECHA 発がん性
2 フタル酸ジシクロヘキシル 201-545-9 Sweden 内分泌かく乱物質
2 フタル酸ジシクロヘキシル 201-545-9 Sweden 内分泌かく乱物質
3 ヘキサメチレンジアクリレート(ヘキサン‐1,6ジアクリレート) 235-921-9 Sweden 感作性物質
3 ヘキサメチレンジアクリレート
(ヘキサン‐1,6ジアクリレート)
235-921-9 Sweden 感作性物質
4 ヘプタデカフルオロノナン酸(C8F17COOH)
ヘプタデカフルオロノナン酸ナトリウム
ヘプタデカフルオロノナン酸アンモニウム
206-801-3 Sweden 生殖毒性
4 ヘプタデカフルオロノナン酸(C8F17COOH)
ヘプタデカフルオロノナン酸ナトリウム
ヘプタデカフルオロノナン酸アンモニウム
206-801-3 Sweden 生殖毒性
PBT
5 ニトロベンゼン 202-716-0 Austria 生殖毒性
PBT
6 2,4-ジ-tert-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール (UV-327) 223-383-8 Germany vPvB
7 2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(tert-ブチル)-6-(sec-ブチル)フェノール (UV-350) 253-037-1 Germany vPvB

#1~#4の4物質については2015年6月26日付けコラムで、Registry of Intentionが出されている物質として紹介したものです。

#1は、中間体として使用される以外に、電池の電解質溶媒として使用されているとのことです。
 #2は、これまでに既に多くのフタル酸エステル類がSVHCとしてcandidate listに収載されていますが、類似物質として提案されていると考えることができます。
 #3はコーティング剤、接着剤、歯科用充填剤、および女性に人気のネイリング用の素材としても使用されているとのことです。
 #4は、界面活性剤、潤滑剤、繊維製品の防汚剤等に用いられていました。PFOSなどと同じく、使用が制限される方向に動いています。
 #5については、提案の動きを把握していませんでした。他の物質の原料の中間体として用いられます。その他の用途としては印刷業界で複写用に用いられていたようですが、現在ではほとんど用いられていないようです。
 #6、#7は2013年に提案されていましたが、その時は収載が見送られました。しかし、附属書XVの内容が補充修正され再度提案されています。紫外線吸収剤として使用されます。

2.SVHCとして提案が計画されている物質

2015年11月7日時点でRegistry of Intentionに挙げられている物質を表2に示します。

表2:2015年11月7日時点のRegistry of Intention に挙げられているSVHCとしての提案計画物質2)
# 物質名 EC# 提案国 意向通知日 提案書提出予定日 提案理由
1 (±)-1,7,7-トリメチル-3-[(4-メチルフェニル)メチレン]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン(4-メチルベンジリデン樟脳) 253-242-6 Germany 2015.6.24 2016.2.1 内分泌かく乱物質
2 1,7,7-トリメチル-3-(フェニルメチレン)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-オン(3-ベンジリデン樟脳) 239-139-9 Germany 2015.6.24 2016.2.1 内分泌かく乱物質
3 4,4'-[2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチリデン]ジフェノール(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン) 216-036-7 Sweden 2015.7.7 2016.2.1 内分泌かく乱物質
4 4,4'-メチレンジフェノール 210-658-2 Sweden 2015.7.7 2016.2.1 内分泌かく乱物質

#1、#2は化粧品用の紫外線吸収剤として使用されているようです。
 #3は、フッ素ゴム類の加硫剤の用途があるとのことです。
 #4は酸化防止剤、エポキシ樹脂原料とされています。

3.制限物質の検討状況

新たな制限の導入については、REACHの第68条で二通りの方法が規定されています。それぞれの状況について紹介します。

(1)第68条1項の手続きによる状況
 この手続きの状況については、ECHAのウエブページに適宜公表されるものです。手続きでは、1)加盟国又はECHAの提案の意志表明(Registry of Intention)、2)加盟国又はECHAから提案書(附属書XV)の提出、3)提案書に関する意見募集、4)ECHAのリスク評価専門委員会(RAC)および社会経済分析専門委員会(SEAC)の意見草案の公表、5)同草案に対する意見募集、6)提出された意見を踏まえてのECHAの意見を取りまとめた制限案を欧州委員会に通知、の各ステップで進められます。

この手続きによる現在の検討状況を表3に示します。
 提案書およびSEACから出された制限案の草案に対して意見募集が行われている状況です。制限の最終内容はまだ決まっていない状況ですが、これまでの例からしますと、表の制限内容がそのまま採用されるのではないかと考えます。

表3:制限物質の検討の進捗状況3)
# 物質名 EC# 提案書への意見募集期限 SEAC草案への意見募集期限 制限内容
1 ビスフェノールA 201-245-8 2014.12.18 2015.11.16 感熱紙への0.02%以上の含有制限
2 メタノール 200-659-6 2015.9.18   一般消費者向けの製品への3%以上の含有制限
・フロントガラス洗浄剤
・変性アルコール
3 オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)
デカメチレンシクロペンタシロキサン(D5)
209-136-7
208-764-9
2015.12.18   パーソナルケア製品への0.1%以上の含有制限
4 パーフロロオクタン酸(CAS 335-67-1, EC 206-397-9)およびその塩
・構造単位としてC7F15-基(パーフロロヘプチル基、直鎖および分岐)を有する誘導体。ただし、C7F15-Xで、X=F,Cl,Brは除外)
・構造単位としてC8F17-基(パーフロロオクチル基、直鎖および分岐)を有する誘導体。ただし、C7F15-Xで、X=F,Cl,Br、あるいは、C8F17-SO2X、C8F17-C(=O)OH、あるいは、C8F17-CF2-X'(X'は,塩を含むあらゆるグループを除く)を除外
209-136-7
-
2015.6.17 2015.11.16 物質の製造および2ppb以上含有混合物の使用、上市の制限

また、2015年11月7日時点で上記ステップ1)のRegistry of Intentionに挙げられている制限の物質を表4に示します。

表4:2015年11月7日時点のRegistry of Intention に挙げられている制限提案計画の物質4)
# 物質名 EC番号 制限の概要 提案提出予定日
1 ジイソシアネート - 工業用、専門家および一般消費者向けに、物質および混合物中の成分としての使用禁止(ただし、除外条件を設けられる) 2016.7.15
2 ビスフェノールA 201-245-8 水道管ライニング用の2液性エポキシの使用の制限 2015.12.31
3 N,N-ジメチルフォルムアミド 200-679-5 製造および工業用の使用の制限 2016.1.8
4 DIBP
DBP
BBP
DEHP
201-553-2
201-557-4
201-622-7
204-211-0
混合の評価結果により、一般消費者に暴露のおそれのある成形品を対象とする4種のフタル酸エステルの制限 2016.1.8

#1のジイソシアネート類については、専門家の工業的使用を制限するにことの産業への影響が大きいのではないかと思います。
 #2のビスフェノールAは、表3の制限の新たな用途の制限です。
 #3は#1と同じく、産業的な影響についてどのように考えられるか気になるところです。
 #4は、先に採択されなかった制限提案の対象を絞った案が出されるものと考えられます。

(2)第68条2項による提案について
 REACH規則附属書XVIIのエントリー#28から#30では、CMRの1Aおよび1Bに分類される物質そのもの、あるいはそれを含有する混合物の一般消費者向けの上市や使用が制限されています。
 一方、REACH規則第98条2項では、上記(1)の手続きを踏まないで、欧州委員会は一般消費者向けの成形品中のCMRの制限提案を提出できる規定になっています。
 2015年10月22日に、欧州委員会から、繊維および衣類中のCMR物質の制限を提案するため、2015年10月22日から2016年1月22日まで情報収集のための意見募集を行う旨の発表がされています5)

<参考情報>
第68条 新たに導入及び改正される既存の制限(環境省仮訳から)

  1. 物質の製造、使用又は上市から生じる人の健康又は環境への許容できないリスクであって欧州共同体ベースで対処する必要がある場合には、第69条から第73条までに定める手続きに従って、物質そのもの、混合物又は成形品に含まれる物質の製造、使用又は上市について、新たな制限の採用、又は附属書XVIIにある現行の制限の改正を行うことにより、第133条(4)に記す手続きに従って附属書XVIIが改正されなければならない。このようなあらゆる決定は、代替物質の利用可能性を含め、その制限についての社会経済的影響を考慮しなければならない。
    第1段落は、現場で単離される中間体のような物質の使用に適用しない。
  2. 発がん性、変異原性又は生殖毒性の区分1A又は区分1Bとしての分類の基準に合致し、消費者により使用されるおそれがあり、委員会が消費者の使用の制限を提案している物質そのもの、混合物又は成形品に含まれる物質については、第133条(4)に記す手続きに従って、附属書XVIIが改正される。第69条から第73条までは適用されない。

(林 譲)

1)http://echa.europa.eu/web/guest/proposals-to-identify-substances-of-very-high-concern-previous-consultations
2)http://echa.europa.eu/web/guest/registry-of-current-svhc-intentions
3)http://echa.europa.eu/web/guest/restrictions-under-consideration
4)http://echa.europa.eu/web/guest/registry-of-current-restriction-proposal-intentions
5)http://ec.europa.eu/growth/tools-databases/newsroom/cf/itemdetail.cfm?item_id=8299

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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