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ここが知りたい REACH規則

コラム

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15.08.21

労働安全衛生法における化学物質管理の強化について(2)

2015年5月1日付けコラムで紹介した労働安全衛生法における化学物質管理の強化のうち、表示対象物質の拡大に関する政令が6月10日、省令が6月23日にそれぞれ公布されました。

今回はこの内容について紹介します。なお、今回の改正で義務化さるリスクアセスメントに関する指針については、7月15日から8月13日まで意見募集が行われていました。指針の公布はこれからになるので、公布された後に紹介します。

1.今回改正の概要のまとめ

図1は、今回の改正の要点です。改正は平成28年6月1日から施行されます1)

図1:労働安全衛生法における化学物質管理改正の概要

重要な改正の一点は、SDS交付義務のある物質に対してリスクアセスメントが義務化されることです。
 従来から特化則や有規則等で個別規制されている物質を含め、SDS交付対象物質については、これらの物質を取り扱っている、あるいは使用している場合にはすべての事業者にリスクアセスメントが義務付けられることになります。

この点には注意が必要です。リスクアセスメントに関連する説明は、指針が公表されてから紹介したいと思います。
 また、ラベル表示の対象物質がSDS交付対象物質に拡大されます。これについては次節で説明します。

2.ラベル表示対象物質の拡大

ラベル表示対象物質の拡大についての概念図を図2に示します。

図2::ラベル表示義務対象物質の拡大と適用除外(概念図)

ラベル表示対象物質は、SDS通知物質として指定されている施行令別表第9の640物質となります。ただし、譲渡、提供時に固体であり、粉状にならない物はラベル表示の適用除外になります。

EUのCLP規則において、塊状の金属、合金、ポリマーを含む混合物やエラストマーを含む混合物についてはレベル表示が適用除外とされています。EUのCLP規則と同じ適用除外規定が導入されることになります。

しかし、施行令別表第1の危険等の恐れのある物や、GHS分類で危険性あるいは皮膚腐食性の物については適用除外にはなりません。例えば、金属ナトリウム、水酸化ナトリウム等です。
 また、「粉状」とは粒子径が0.1mm以下の粒子を含むものとし、顆粒状のものは外力で粉状になりやすいことから「粉状にならないもの」とは言えないと説明されています。具体的には、鋼材、ワイヤーやプラスチックペレット等が対象外の例として挙げられています2)

また、施行規則別表第2で混合物の有害物の裾切り値が決められています。注意しなければならないのは、ラベル表示が義務付けされる裾切り値が、SDSで通知が義務付けられる裾切り値と異なる物質があります2)。そのまとめを表1に示します2)
 この裾切り値は、「GHSに基づく化学品の分類方法」(JISZ7252;2014)において混合物の分類を行うに際し、混合物の試験データが無く、混合物中の成分に健康有害性分類がある場合に、「濃度限界を利用する分類」で考慮すべき成分濃度として規定されている「濃度限界」と同じ値です。すなわち、混合物の健康有害性の分類で、ある成分が「裾切り値」以上含有する場合は当該の健康有害性に分類されることを意味します。

ラベル表示とSDSの裾切り値が、同じ値の健康有害性成分をその裾切り値以上含有する混合物については、その混合物についてはその健康有害性に分類され、その分類に従ったラベル表示・SDSが必要となります。

他方、極端な例ですが、「発がん性;区分2」の成分だけを0.5%含有する混合物については、その混合物は「発がん性;区分2」には分類されないため、ラベル表示上にはこの情報は掲載されませんが、SDSにはその含有情報を通知することが必要となります。

言い換えますと、混合物のラベル表示においては、分類される健康有害性の絵表示(ピクトグラム)が付されます。しかし、ラベル表示とSDSの裾切り値が異なる成分を含有する混合物においては、その健康有害性の絵表示が付されなくても、SDSではその含有を通知する必要が生じる場合(ラベル表示とSDSの裾切り値の間の濃度)があるということです。

なお、「労働安全衛生法施行令及び厚生労働省組織令の一部を改正する政令等の施行について(化学物質等の表示及び危険性又は有害性等の調査に係る規定等関係)」には、ラベル表示、SDS通知物質の裾切り値に加え、CAS番号も記載されていますので、大変便利な資料です。

表1 ラベル表示とSDS通知の裾切り値の一覧
GHSの健康有害性クラス 区分 裾切り値(重量%)
表示
(ラベル)
通知
(SDS)
急性毒性 1~4 1.0% 1.0%
皮膚腐食性/刺激性 1~3 1.0% 1.0%
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 1~2 1.0% 1.0%
呼吸器感作性(固体/液体) 1 1.0% 0.1%
呼吸器感作性(気体) 1 0.2% 0.1%
皮膚感作性 1 1.0% 0.1%
生殖細胞変異原性 1 0.1% 0.1%
2 1.0% 1.0%
発がん性 1 0.1% 0.1%
2 1.0% 0.1%
生殖毒性 1 0.3% 0.1%
2 1.0% 0.1%
特定標的臓器毒性(単回暴露) 1~2 1.0% 1.0%
特定標的臓器毒性(反復暴露) 1~2 1.0% 1.0%
吸引性呼吸器有害性 1~2 1.0% 1.0%

注:表の「*」について、「労働安全衛生法施行令及び厚生労働省組織令の一部を改正する政令等の施行について(化学物質等の表示及び危険性又は有害性等の調査に係る規定等関係)」では、国連パープルブックと同じく「区分5」までが記載されていますが、JISZ7252:2014では「区分4」までが採用されています。JISに合わせて記載しました。

(林 譲)

1)http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/H150610K0010.pdf
2)http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000093767.pdf

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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