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ここが知りたい REACH規則

コラム

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15.07.03

ECHAの執行情報交換フォーラムの取組み

REACH規則の76条(f)に基づき、REACH規則の執行権限を有する加盟国当局のネットワークを調整し作業を行うために、欧州化学物質庁(ECHA)に「執行情報交換フォーラム(以下、フォーラム」が設置されています。
 フォーラムの主要な役割の1つとして、加盟国が協力した執行状況の査察を行うプロジェクトが挙げられます。本コラムではこれまでも個別のプロジェクト結果などについて取り上げていますが、改めてプロジェクト実施概要や今後の予定について整理します。

フォーラムの執行状況の査察の1つに、フォーラムが加盟各国をとりまとめて協調した共同査察を行うREF(REACH EN FORCE)プロジェクトがありますが、実施済みおよび今後予定されるプロジェクトは現時点で以下の表の通りです。

主な確認事項
REF-1 予備登録義務とSDS要求事項等
REF-2 物質の(予備)登録状況、分類届出、SDS要求事項等
REF-3 製造者や輸入者、唯一の代理人の登録義務について、税関当局と連携実施
※現在フェーズ2のとりまとめ中
REF-4 附属書XVIIに収載されている「特定の制限項目」をテーマにするとし、実施対象とする制限項目は加盟国が自国の状況に応じて自由に選択
※2016年に実施し、2017年に報告書作成予定
REF-5 e-SDSやばく露シナリオ、リスク管理措置、使用条件に関連する義務を対象に選定 ※2017年に実施し、2018年に報告書作成予定

これまで、REF-1、REF-2、REF-3(フェーズ1)の実施結果の報告書が公表されており、その内容については本コラムでも取り上げた通りです。 現在、REF-3(フェーズ2)のとりまとめが行われている状況です。近いうちにREF-3全体の最終報告書が公表される予定となっています。

今後の予定としては、REF-4のテーマとして「制限」義務が取り上げられることが決定していましたが、ECHAは6月26日に、REF-4で対象とする次の14種の制限項目を特定したことを発表しました。
 今後、REF-4参加加盟国が自国の状況に応じて、この中から対象とする制限項目を自由に選択することになります。なお、REF-4は2016年にプロジェクトが実施され、2017年に報告書が公表される見込みとなっています。

REACH規則
附属書XVII 番号物質名
5 ベンゼン
6 アスベスト繊維類
23 カドミウムおよびその化合物
27 ニッケルおよびその化合物
32 クロロホルム
43 アゾ色素およびアゾ染料
45 ジフェニルエーテルオクタブロモ誘導体 C12H2Br8O
47 六価クロム化合物
48 トルエン
49 トリクロロベンゼン
50 多環芳香族炭化水素(PAH)
51 フタル酸エステル類(DEHP、DBP、BBP)
52 フタル酸エステル類(DINP、DIDP、DNOP)
63 鉛およびその化合物

また、ECHAは以前のREF等によってSDSの不備が散見されたことから、REF-5のテーマをe-SDS等にすることも6月26日にあわせて発表しました。REF-5については今後、より具体的な範囲が決定され、2017年に実施、2018年に報告書が公表される見込みです。

一方、上記のREF以外にも小規模な特別プロジェクトも必要に応じて実施されており、2015年中に次の2つの特別プロジェクトを実施することが公表されています。

実施テーマ 実施内容
認可対象物質 特に2016年以前に日没日を迎える認可対象物質を中心に、認可なしに上市されていないことや、認可取得者が認可付与条件に適合していることなどを確認
※2015年12月に報告書公表予定
CLP規則によって子供の誤用防止留め具の設置が義務付けられている有害な物質や混合物を含む消費者向け製品 子供の誤用防止留め具の設置や、危険性の警告、食品や医薬品等との混同防止など対象製品の包装に関する内容について確認
※2016年6月に報告書公表予定

これまではREACH規則の登録やSDS、CLP規則の分類、届出など、化学物質・混合物に関する義務のうち主に法規制の求める手続き面をテーマとしたプロジェクトが主でした。しかしながら、REACH規則やCLP規則の施行の進展に伴い、認可や制限など法規制による製品そのものの規制を対象とした新たなテーマが実施対象に選定されました。

特にREF-4(制限)で選定された附属書XVIIの14種の制限項目の中には、成形品中の含有を制限する項目も多く含まれています。なお、2015年6月5日付けコラムで取り上げたとおり、RAPEXの2014年の年次報告書では、化学物質に起因する通知内容として、靴・皮革製品中の六価クロムや皮膚感作性物質、玩具や育児用品中のフタル酸エステル類、宝飾品中のニッケル等の重金属などが挙げられており、これらの市場監視の実態に合わせて、14種の制限項目が選定されたことを伺えます。

また、特別プロジェクトとして実施される認可対象物質に関しても、製品が認可なしに上市されていないか等が確認されることになります。さらに、認可対象物質については日没日以降に、成形品中の該当物質によるリスクが適切に管理されているかを検討することがREACH規則で定められており、既に日没日が経過した4種のフタル酸エステル類については現在ECHAが検討を行っているところです。

EUに製品を出荷している日本企業としては、成形品に関連する義務(SVHCの届出・情報伝達、制限など)への関心が高いものと思われます。
 REF-4による制限をテーマとしたプロジェクトの実施および結果や今後のテーマ選定などについては、当局の関心事や現状の課題認識を把握する手がかりとなる情報であるため、引き続き注視しておくことをお勧めします。

(井上 晋一)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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