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ここが知りたい REACH規則

コラム

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15.06.05

2014年のRAPEX通知概要

EUでは、一般製品安全指令(GPSD)のもと、EU市場から危険な製品を排除することを目的に、EU委員会を通じた参加国内での迅速な情報交換を行うための「RAPEX」が運用されており、EUの28カ国に、EUには加盟せずともEUの単一市場に参加することができる枠組みとして設立された欧州経済領域(EEA)に参加するアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーの3カ国を加えた31か国が対象となっています。

本コラムでは、2014年のRAPEX通知状況を整理します。

1.RAPEXの2014年通知概要

3月23日にRAPEXの2014年次報告書が公表されました。2014年における通知件数は2013年比3%増の2435件でした。これらの大半は消費者向け製品ですが、専門家向け製品も32件(約1%)通知されています。
 これらの通知の「通知国」「製品カテゴリー」「リスク」「原産国」の上位を整理したのが次の表です。
 通知国でみると、上位5カ国はいずれも2013年比で通知件数が増加しています。逆に、2013年に上位にランキングされていたブルガリアや英国の通知件数は減少しています。
 製品カテゴリーでは、上位の玩具と衣類・繊維製品で半数を占める傾向は前年同様となっていますが、第5位が2013年の化粧品から育児・子供用品に変化しています。
 リスク別に見ると上位5種の変化はありませんが、けがと化学物質に起因する通知の割合が増え、これら2種で半数を占める結果となっています。
 また、これまで同様、原産国は中国(香港含む)が多くの割合を占めている状況です。なお、日本が原産国となった製品の通知は31件でした。

通知国 製品カテゴリー1) リスク 原産国
第1位 ハンガリー(12%) 玩具(28%) けが(26%) 中国・香港(64%)
第2位 ドイツ(11%) 衣類・繊維製品(23%) 化学物質(25%) EU・EEA(14%)
第3位 スペイン(11%) 電気製品(9%) 窒息2)(12%) 不明(7%)
第4位 フランス(7%) 自動車(8%) 感電(11%) トルコ(3%)
第5位 キプロス(6%) 育児・子供用品(3%) 絞扼(9%)2) その他(12%)

1)RAPEXの製品カテゴリーは次の29種に分類されている。化学製品、育児・子供用品、衣類・繊維製品、通信・メディア機器、建設資材、化粧品、装飾品、電気製品、食品サンプル、家具、小物類、ガス器具・部品、手工具、趣味・スポーツ用品、宝飾品、キッチン・調理器具、レーザーポインター、ライター、照明チェーン、照明機器、機械、自動車、圧力機器、保護具、火工品、レジャーボート、文具、玩具、その他。
2)「窒息」「絞扼」とも「窒息」に至るリスクだが、「窒息」は玩具等の小部品を子供が呑み込むことに起因するリスクであり、「絞扼」はコードや紐等が首に巻きつくことに起因するリスクであり、区別されている。

RAPEXへの通知を受けた製品の是正対応の割合としては、規制当局または税関が主導する「強制措置(59%)」と規制当局が合意した上で企業が主導する「自主措置(38%)」、「両者の組み合わせ(3%)」となっており、約6割の通知に対して、上市の禁止や回収、税関による輸入禁止などの強制措置が適用されています。

2.化学物質に関連する通知

化学物質に関連する通知は674件と全体の25%を占めており、EUにおける化学物質リスクに対する関心の高さがうかがえます。
 個別の通知内容を見ると、化学物質リスクでは主に靴・皮革製品中の六価クロムや皮膚感作性物質、玩具や育児用品中のフタル酸エステル類、宝飾品中のニッケル等の重金属などが通知として挙げられています。これらはREACH規則附属書XVIIや玩具指令、POPs規則、食品接触材規則等による特定化学物質の含有または溶出制限に対する違反が大半ですが、一部には玩具指令や殺生物性製品規則による表示義務や安全対策義務に対する違反も含まれています。

2015年の実績についてもすでに多くの通知内容が追加されており、RoHS指令についてはスロベニアから、中国製のハンドミキサーやラジオの鉛やカドミウム含有についての通知が出されています。

RAPEXの概要から、最終製品、特に消費者が容易に利用できる製品については税関による輸入時のチェックや当局による市場監視が確実に実施され、違反事例については確実な対応が求められていることがうかがえます。
 これらのリスクについて自社としてどこまでの対応を図っていくかは、各企業がリスクに基づいて判断をすることとなりますが、市場(法規制や顧客)が求める声に対して前向きに対応していくことが求められるものと考えます。

なお、RAPEXでは、消費者向け製品および一部の専門家向け製品で重大なリスクがあり、国境を越えて影響を及ぼす可能性がある等、所定の対象製品範囲や通知基準等に基づいて通知が行われます。そのため、RAPEXが製品関連法規制の違反事例のすべてを網羅しているわけではないことには留意する必要があります。

(井上 晋一)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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