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ここが知りたい REACH規則

コラム

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15.04.17

変わる規制への対応

化学物質規制には2020年目標があります。1992年のリオサミットを受けた2002年の持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)で決められたもので、「予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価手順を用いて、2020年までにすべての化学物質を人の健康や環境への影響を最小化する方法で生産・利用されること」が目標です。
 世界の国々はWSSD目標を受けて、それぞれの優先順位で法規制の整備をしていますので、国による規制にバラつきが顕著になっています。
 2020年は先のことと思っていたのですが、2020年は東京オリンピック開催の年でもあり、何か急に近づいた気がします。規制動向を整理してみたいと思います。

1.REACH規則 SVHCの動き

SVHC(Candidate List収載物質)はどこまで増えるのか気になるところです。ECHAのロードマップでは2020年に向けて2013年から440物質特定する計画ですので、平均で毎年55物質が追加され、最終的には600近い物質数になります。
 SVHCは、CLP規則によるはハザード情報を基礎として、ECHAによる複数年作業プログラム(Community rolling action plan CoRAP)や各加盟国の意図の登録(Registry of Intentions)によって、パブコメや専門家の審議を経て特定されます。
 SVHCの追加のスタートは、ECHAのCoRAPと加盟国の意図の登録です。予め規制物質に関する情報をECHAのWebで公開することで、利害関係者にスムーズな対応のための時間的余裕を与えるためです。
 2015年3月17日に2015-2017年のCoRAPが更新されました。2015~2017年のリストには134物質が収載され、そのうち48物質は2015年に評価する計画です。

加盟国の意図の登録*2(Registry of Intentions)は、意図の登録物質「Current SVHC intentions」として7物質、提案物質「Submitted SVHC proposals」として175物質が公開されています。検討の結果撤回された物質「Withdrawn SVHC intentions and submissions」が3物質あります。
 具体的な物質名が次々と出てきており、ロードマップの600物質も現実味を示してきています。

2.REACH規則 制限の動き

REACH規則の制限は附属書XVIIに収載されている105項目の用途が対象です。制限される用途は追加されますが、SVHCと同様に意図の登録のページに追加案が公開されています。

意図の登録制限項目「Current Restriction intentions」として4項目、提案制限項目「Submitted Restriction proposals」として29項目が公開されています。検討の結果、撤回された項目「Withdrawn Restriction intentions and submissions」が3項目あります。
 附属書XVIIの改正は告示されているものの、移行期間中のものもあります。
 第47項目の「六価クロム化合物」は2014年3月26日のOfficial Journal of the European Union(官報)で公布され2015年5月1日から次項が追加適用になります。

  • 皮膚と接触するようになる革の成形品は,革の乾燥質量の3mg/kg(0.0003%)以上の六価クロムを含有したものを上市してはならない。
  • 皮膚と接触するようになる革部品を含む成形品は、革部品の乾燥重量の3mg/kg(0.0003%)以上の六価クロムを含有したものを上市してはならない。
  • 2015年5月1日以前に連合内で最終消費者用の仲介品として上市されたものは適用しない。

第50項目の多環式芳香族炭化水素(PAH)は、リストされたPAHは2013年12月7日に公布され2015年12月27日から適用となります。リストされたPAHを1mg/kg(0.0001%)以上含有し、通常や十分に予想できる使用条件で直接皮膚や口腔に長期や繰り返し接触するゴムやプラスチック部分を含む成形品を一般大衆向けに上市してはならないなどの規制がされます。ただ、PAH制限は2015年12月27日以前に上市された成形品には適用されません。
 多くの制限項目は、官報公布日と適用日には余裕期間が設けられますが、上市後のサプライチェーン内の物流在庫については悩ましいところがあります。
 革製のボタンやストラップなどの部品は部品として完成していますが、さらに複雑な処理が行われて最終製品の鞄などになります。このことを考慮したと思われますが、六価クロム化合物は最終消費者用の仲介品(second- hand)についての免除規定があります。EU法規制は理念で制定すると言われますが、このように現実的な対応もしています。

3.REACH規則以外の動き

WSSDの2020年目標に向けて、化学物質規制はEU以外でも法規制が整備されてきています。法規制のベースとなる物質リストをご紹介します。

(1)中国
中国现有化学物质名录2013年版
危険化学品目録2015年版

(2)韓国
化学物質情報の総合ポータルサイト
K-REACH 登録対象化学物質案

(3)台湾
既存化学物質検索
有害物質リスト

(4)シンガポール
有害物質リスト

(5)タイ
有害物質リスト

(6)ベトナム
化学品法規制物質リスト

(7)日本
化審法指定物質リスト

4.企業対応

法規制の改定も対象物質の更新も激しく変化します。また、URLもよく変わりますので、最新情報の入手に苦労します。
 利用できる支援ツールを紹介します。

(1)GHS分類
独立行政法人製品評価技術基盤機構
厚生労働省職場の安全サイト
GHS混合物分類判定システム

  

(2)アセアン規制情報(ASEAN Japan Chemical safety Database (AJCSD))試行版
経済産業省の発表では、2015年度内に情報の追加修正等を行い2016年4月に正式運用開始予定のAJCSDは、化学物質の各国規制情報や有害性情報のほか、可能な物質についてはGHS分類結果や参考SDS等も収載を予定しています。

日本企業の多くは法規制で示された物質や義務を果たすことが順法としています。最近はパブコメ段階で調査することが増えていますが、思考の根底として国が決めたことを順守すればよいとする考えが強いようです。
 この考え方はアジア圏では一般的な考え方ですが、EUの考え方は企業自らやるべきことを考えて、実施する「Due Diligence」が基本です。CoRAPや意図の登録などの事前情報や支援システムなどの情報を自ら考えて、WSSDの目標を意識しながら自社の顧客満足のために何をするのかを考えるのが企業対応の基本と思います。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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