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ここが知りたい REACH規則

コラム

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14.12.12

EU加盟国における製品含有化学物質関連規制の市場調査等の状況(スウェーデンの例)

EUにおける化学物質規制の違反事例として、EUの緊急警告システム(RAPEX)の2013年の概要を以前のコラムで紹介しました。
 今回は、スウェーデンにおける化学物質分野の所管当局であるスウェーデン化学物質庁(KEMI)が取りまとめて10月に公表した、同国における2008年から2013年までの市場調査の結果報告書を紹介します。また、同報告書で多く検出された化学物質であるフタル酸エステル類に関連する最近の動向もあわせて紹介します。

1.2008年から2013年のスウェーデン国内市場調査の結果報告
 市場調査に関連する法規制は報告書の附属書3にリスト化されていますが、主要な規制としては次のようなものが挙げられています。

  • REACH規則
  • RoHS指令
  • 玩具指令
  • POPs規則
  • 殺生物性製品規則(BPR)
  • 一般製品安全指令(GPSD)
  • 包装材指令
  • スウェーデン固有の規制(化学製品政令、他)など

調査対象製品は次の6つの製品群に大別されており、検出された化学物質や違反割合などが取りまとめられています。中でも「玩具および育児用品」は、多くの法規制が適用されることやKEMIが子供の保護を優先事項としていることから、6年間で最も多く調査されています。また、法規制違反割合をみると、「玩具および育児用品」と「電気製品」が高くなっていることがわかります。

製品群 調査数 法規制
違反割合
検出された化学物質の例
玩具および育児用品 約850 16% フタル酸エステル類、短鎖塩素化パラフィン類、鉛、カドミウム、臭素系難燃剤、アゾ染料、ベンゼン、トルエン、キシレン、他
衣類、靴およびアクセサリー 約400 5% ノニルフェノールエトキシレート、アゾ染料、フタル酸エステル類、鉛、カドミウム、ニッケル、六価クロム、他
電気製品 約400 13% 鉛、PBDEなど
内装品および家具 約170 6% フタル酸エステル類、短鎖塩素化パラフィン類、PBDE、ノニルフェノールエトキシレート、HBCDD、他
その他プラスチック製品、スポーツ用品、包装材 約200 7% フタル酸エステル類、短鎖塩素化パラフィン類、カドミウム、他
化学品(殺生物性製品、スプレー塗料、洗剤など) 約200 10% トルエン、芳香族アミン、有害金属、ヘキサクロロベンゼン、カドミウム、鉛、水銀、クロム、硝酸アルミニウム、他

調査の結果法規制違反が見つかった場合には、KEMIはその旨を企業に通知し、企業に対応を求めます。もし、企業が自主的に市場回収などを行わなければ、KEMIは販売禁止および罰金等を科す場合もあり、それらの情報がRAPEX(検索ページ)によってEUの他の加盟国とも共有されることになります。
 なお、2008年から2013年にRAPEXで公表された化学物質に関するスウェーデンからの通知は44件であり、調査結果の一部も含まれていると想定されます。

これまでの調査結果を踏まえ、KEMIは今後も継続して調査を行うととともに、今後の調査方針として消費者製品、中でも次のような製品の調査を重点的に行う予定にしています。

  • 家庭や学校などで子供が接触する様々な消費者向け製品
  • 床材やカーペット、繊維製の家具など、長期間にわたって消費者が接触する製品

また、調査結果を国内およびEU全体の今後の執行や立法に活用するとともに、企業においても自主的な調査活動やサプライヤーから供給される部品や自社製品の重点的な分析を行ううえで有効な資料となると指摘しています。

2.フタル酸エステル類に関する調査と今後の対応について
 上述の調査とは別に、スウェーデンでは6月に公表したフタル酸エステル類に関する調査結果として、スウェーデン企業ではREACH規則の認可対象物質となっているDEHP等の代替化が進んでいるものの、EU域外からの輸入製品でDEHPの含有があることを指摘していました。

このような状況を受けて12月1日にEUおよびスウェーデン国内でフタル酸エステル類に関する対策を強化することを提案する報告書を公表しています。
 提案された対策には、EUレベルで特定の成形品(アクセサリー、グローブ、バッグ、衣類、自動車、電気製品、家具、スポーツ用品、靴、内装用建材など)中の特定のフタル酸エステル類をREACH規則で制限していくことなどが挙げられ、国内レベルでは、化学物質規制に対するコンプライアンス強化に向けたKEMIによる適切な執行および制裁を実施することなどが挙げられています。

スウェーデンは、EU加盟国の中でもREACH規則やRoHS指令などをはじめとする各種の化学物質規制の執行に積極的に取り組んでいる国の1つといえます。
 市場調査の結果やフタル酸エステル類に関する同国の提案といった情報は、化学物質規制対応に直結するものではありませんが、自社製品の製品含有化学物質のリスクを改めて確認するうえで注意が必要な製品カテゴリーや化学物質などを検討する際に有効であると考えます。

(井上 晋一)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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