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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

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14.11.07

REACHにまつわる最近のニュース(53)-制限、認可にまつわる話から-

今回は、新たな制限提案と初めて認可が付与された案件について紹介します。

1.新しい制限案に対する意見募集について

現在、表1の3物質の制限提案(附属書XV)への意見募集が行われています1)
 #1のアンモニウム塩は、難燃剤や防かび剤として使われていたホウ酸塩(生殖毒性1B)の代替物質として2011年以降に使われ始めたとのことです。
 アンモニウム塩の添加量は総重量の6-12%で、高湿度の環境ではアンモニアガスが発生するため、アンモニアの放出が3ppm未満でない限り、アンモニウム塩を含有したセルローズ系断熱材の上市を制限する制限案がフランスから提出されているものです。

#2のビスフェノールA(BPA)もフランスから制限案が提出されています。BPAは、EUではすでにポリカーボネート哺乳瓶への使用が禁止されています2)。日本国内でも食品衛生法で規制されており、規格基準が設けられています。
 今回の制限提案は感熱紙への使用を制限するものです。感熱紙の用途はレシートやFAX等ですが、一般消費者や妊婦は、経皮暴露のリスクがあることから制限案が提出されています。制限案の内容は、BPAを0.02%以上含有する感熱紙の上市を制限するものです。なお、BPAの調和分類を生殖毒性2から1Bに修正する提案がフランスから出されています。

#3のdecaBDEは、2012年12月にcandidate listに収載されています。2013年に認可対象物質にすべき附属書XIVへの収載勧告案が公表されましたが3)、公表後すぐにその提案が取り下げられ4)、改めて制限案が出されたものです。
 decaBDEも含めてビスジフェニールエーテル(BDE)の臭素化物PBDEは、すでにRoHS指令で電気電子機器の均質材料への0.1%以上の含有が禁止されています。PBDEはPBT/vPvBであることから制限の対象とされていますが、制限案の内容は下記の通りです。

  • decaBDE物質そのものの上市の制限
  • 0.1重量%以上含有する混合物の上市の制限
  • 0.1重量%以上含有する成形品の上市の制限

なお、今回の制限案では、RoHS指令の施行前に上市された電気電子機器の中古品や航空機セクターの成形品は制限適用から除外する提案になっています。

表1:制限案に意見募集が行われている3物質
物質名 EC番号
(CAS番号)
提案国 提案理由 募集期限 制限の概要
1 アンモニウム塩 フランス 高湿度時にアンモニアガスの放出 2014/12/18 建築用のセルローズ断熱材への使用
アンモニア放出3ppm未満
2 ビスフェノールA 201-245-8
(80-05-7)
フランス 広く使用されている感熱紙に使用されている 2014/12/18 感熱紙への0.02%以上の含有制限
3 decaBDE 214-604-9
(1163-19-5)
欧州委員会からの要請によりECHA PBT/vPvB 2015/3/17 プラスチック/織物の難燃剤として、0.1%以上の含有制限

また、下記の表2の2物質については、過去に制限提案への意見募集が行われ、これらの結果を踏まえて社会経済分析委員会(SEAC)で検討され、意見書草案が出されています。このSEACの意見書草案への、意見募集が行われています。

表2:SEAC意見書草案に意見募集が行われている2物質
物質名 EC番号
(CAS番号)
提案国 提案理由 募集期限 制限の概要
1 NMP 212-828-1
(872-50-4)
オランダ 生殖毒性1B 2014/11/14 CSR,SDSに用いる、吸入、経皮のDNELの規定。
2 カドミウムおよびその化合物
(塗料)
231-152-8,

(7440-43-9,
-)
欧州委員会からの要請によりECHA 発がん性1B
変異原性2
生殖毒性2
2014/11/14 現行附属書XVII、エントリー#23の修正

#1については、これまでの制限内容から少し相違するように思います。当初の提案書では、TWA:5mg/m3(8時間加重平均値)、STEL:10mg/m3(短時間暴露限界)で使用する制限案でした。この提案書に対してリスクアセスメント委員会(RAC)は種々のリスク管理措置について検討し、その中からCSR、SDSで吸入暴露のDNEL10mg/m3、経皮暴露のDNEL4.8mg/kg/dayとする制限案を出しています。SEACは委員会自身の結論を出さず、RACの意見に同意する意見書草案になっています。

【制限内容】
 NMPそのもの、あるいは、0.3%以上含有する場合、CSR、SDSには、作業者の吸入暴露DNEL10 mg/m3、経皮暴露DNEL4.8 mg/kg/dayを使用しなければならない。

しかし、制限案は労働安全衛生法等で規定されるものではないかと考えます。

#2については現在、附属書XVIIのエントリー#23で制限されていますが、この2項に下記の追加が行われるものです。

【追加の制限事項】

  • Cd金属換算で0.01重量%以上の塗料の使用、上市してはならない
2.最初の認可の付与について

認可申請は、フタル酸2-エチルヒキシル(DEHP)を含めて7物質について、ロールス・ロイス社を含め14社から合計38件が提出されています。
 このうちロールス・ロイスが申請していましたDEHPの配合物を航空機エンジンのファンブレードの拡散接合や製造で使用するでは、現時点では代替物がないこと、使用時のリスクが適切に管理されていることから、認可されています。
 なお、認可日は2014年8月7日で、認可の期限は2022年2月21日であり、それまでに認可の見直しがされます。

参考資料

1)http://echa.europa.eu/restrictions-under-consideration
2)http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CONSLEG:2011R0010:20111230:EN:PDF
 http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CONSLEG:2011R0010:20111230:EN:PDF
3)http://j-net21.smrj.go.jp/well/reach/column/130705.html
4)http://j-net21.smrj.go.jp/well/reach/column/130816.html
5)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:52014XC0809(02)&from=EN

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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