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ここが知りたい REACH規則

コラム

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14.09.26

新情報伝達スキーム「SHELPA(仮称)」について

RoHS指令の特定有害物質やREACH規則のSVHCの(非)含有情報伝達の取組みに多くの企業が効率化を求め、新たな標準化に期待をしています。この新情報伝達スキームは検討段階ですが、9月5日のJASIS2014展(分析展2014 第52回/科学機器展2014 第37回)のコンファレンスで経済産業省の担当官(製造産業局化学物質管理課 丸山晴生調整係長)から「SHELPA(仮称)」の名称や状況などが発表されました。発表資料は東京環境経営研究所のホームページで公開されています。  平成26年度になっての経済産業省の取組みの公開情報は多くなく、あらためて情報を整理してみます。

1.新情報伝達スキームの課題

平成25年度の経済産業省の「中小企業における製品含有化学物質の情報伝達の効率化に関する調査」(以下、効率化調査)や化学物質規制と我が国企業のアジア展開に関する研究会取りまとめ(製品含有化学物質の情報伝達スキームの在り方について)(以下、取りまとめ)の概要詳細などに現状の課題や取り組みの在り方が示されています。

効率化調査では、情報伝達に関して、「過度の分析データの要求」「短納期」「顧客によって要求のしきい値が異なる」「既存の情報伝達様式への対応」の顧客からの対応が困難な要求について調べています。「困難な要求は無い」と答えた割合は次になります。

  • 川下企業 49%
  • 川中企業 69%
  • 川上企業 15%
  • 大企業  33%
  • 中小企業 52%
 

集計データからは、川中の中小企業の多くは「困難な要求は無い」と答えています。
 一方、個別にヒアリングをしますと、「顧客要求は絶対的なものであり困難とか無理と言えば、取引が停止される」「困難とか無理なものも取引条件として受け入れている」との答えが多くあります。
 情報伝達様式の使用状況を「取りまとめ」で次のように集計しています。

JAMP、JGPSSIやIMDSの業界標準の利用率は36%に留まっていて、独自様式や分析データが60%になっています。川中企業は複数の顧客と取引があり、多様式で対応をしていることがうかがえます。川中の中小企業は「困難な要求」とは言わないものの「取りまとめ」では「情報伝達スキームが業種横断的に統一され、川中に多い中小企業が複数の川下製品メーカーから個社フォーマットの報告を求められない状況をつくり出すこと自体が、最大の中小企業支援策となる。」としています。
 また、企業活動のグローバル化により、サプライチェーンの上流に遡っていきますと、アジア諸国からの調達が多くなります。情報伝達スキームは、アジア標準そして世界標準が望まれます。

2.SHELPA(仮称)とは

新情報伝達スキームは今年度に入り、具体的に検討が開始されています。JASIS2014展で新スキームの名称が紹介されました。
 SHELPA は“Supply-chain Harmonized and Enhanced Linkage Platform for chemicals in products”(製品含有化学物質のためのサプライチェーンの調和高度連携プラットフォーム)からとったものです。LとRの違いはありますが、チベット語のSHERPA( 案内人)の意味を込めたものです。JASIS2014展のコンファレンスでのアンケートでは、名称SHELPAに多くが好感を持っていました。
 今後の進め方として、次が示されました。

(1)電気電子機器以外の製品業界との連携、海外との連携

  • 電気電子機器以外の製品業界の利用に対応したエリアを設定すべく、2014年度のフォーマット・ツールの開発段階において、他の製品業界に対し検討への参画を呼びかけ。
  • 2014年度のフォーマット・ツールの開発段階において、BOMcheck(欧州)やIPC1752(米国)など、IEC62474準拠を標榜する他の仕組み・規格との調整・連携を図る。

(2)経済産業省の取り組み

  • 新スキーム検討体制・準備体制に対する関与・更なる情報のインプット等
    例えば、標準伝達フォーマットの外側で要求されている「独自様式」の種類・内容や、それらが要求されている背景の更に詳細な分析、中小企業のニーズに関する更に詳細な分析等)を収集し、検討体制へインプットする。 (経済産業省委託事業、受託者:一般社団法人産業環境管理協会)
  • 新たな情報伝達スキームを国際機関・政府間レベルでアジア諸国・先進各国等に紹介(政策対話、国際会議、国際研修等
     SHELPAは2018年4月から全面運用の予定で、検討状況は受託事業者である「みずほ情報総研株式会社」のホームページで公開する予定とされていますが、現時点では準備中とされています。
3.川中の中小企業を対象とした施策

情報伝達スキームとは、「サプライチェーンで製品含有化学物質に関する情報を授受するためのデータフォーマット、データ作成支援ツール、情報授受のためのIT システム、それらを使用するための解説書・マニュアル等のドキュメントなどを含む情報伝達の仕組み」と定義されています。
 情報伝達スキームは、データフォーマット、データ作成支援ツール、情報授受のためのIT システムなどの仕組みと運用が一体となります。運用では川中の中小企業が鍵を握っているといっても過言ではありません。
 「取りまとめ」では、中小企業を対象とした施策として、次の項目を示しています。

  • 現場への指導員の派遣、研修や能力認定、経営者への普及啓発等を検討する。
  • 小規模・零細事業者や指定部材を加工する下請事業者等に係る情報伝達の在り方、また、一定の能力を有する者による入力代行等の仕組みの是非についても検討する。
  • 支援対象となる中小企業は多数に上ることから、新スキームの運営組織が直接実施する研修・教材作成などのほか、業界団体・中小企業団体等を通じた支援の仕組みも検討課題となる。

中小企業を対象とした施策は、運用面の支援が検討されています。現時点では施策は具体化されていませんが、種々のツールやガイドブック1)が公開されています。
 基本は、SHELPAをツールとして、自社で自律的に既存の管理システムを活用して対応することになります。

(松浦 徹也)

1)
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/reports/H25_sc_tyousa1.pdf
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/reports/H25_sc_tyousa2.pdf
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/reports/H25_sc_tyousa3.pdf
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/reports/H25_sc_tyousa4.pdf

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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