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ここが知りたい REACH規則

コラム

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14.08.22

消費者製品を取り巻く米国州法の動向

米国における化学物質管理規制は、有害物質管理法(TSCA)や消費者製品安全改善法(CPSIA)等の国全体を共通的に規制する「連邦法」に加え、各州が州内で販売等を行う企業に対して独自の州法を制定しています。そのため、化学物質管理規制を把握するためには、連邦法に加え、販売先となる州の法規制もあわせて確認することが必要となります。
 近年、カリフォルニア州の安全消費者製品規則(SCPR)を始め、一般消費者が日常的に利用する消費者製品、中でも子供向け製品を対象とした州レベルでの規制が検討・制定されていますので、本コラムでは、代表的な州法の概要をご紹介します。

1.カリフォルニア州:安全消費者製品規則(SCPR)

SCPRは2013年10月1日に施行されました。概要については、Q&A405で記載しているとおり、次の流れで取り組みが行われています。

  • 当局による候補化学物質(CoC)の特定
  • 当局による優先製品の特定
  • 企業による代替分析の実施
  • 当局による規制措置

現在は、iiの優先製品の特定が進められているところで、2014年3月に次の3製品が提案され、現在議論が行われているところです。

  • TDCPP含有子供向けスポンジ状寝具
  • 不活性ジイソシアネート類を含有する発泡ポリウレタンスプレー
  • 塩化メチレンを含有する塗料・ニス剥離剤・表面洗浄剤

優先製品は提案後1年以内に決定され、優先製品を取り扱う企業は当局への届出や代替分析の実施を行うことが必要になります。その後、当局が必要と判断した場合には情報提供や使用制限、販売禁止などの規制が課されることになります。

2.ワシントン州:子供製品安全法(CSPA)

2011年に施行され、州が定める66の高懸念物質を含有する子供向け製品の製造・販売企業に定期的な報告を義務付けるとともに、連邦法のCPSIAの要件をより厳しくする形で鉛、カドミウム、フタル酸エステル類を一定濃度以上含有する子供向け製品について、販売禁止等の規制を課しています。

3.メイン州:子供向け製品中の有害化学物質法

2011年6月に制定されました。懸念物質(約1,400物質)、高懸念物質(約70物質)、優先物質(5物質)の3段階の物質リストを当局が特定し、ビスフェノールAやカドミウム、水銀などの優先物質を含有する特定の消費者向け製品については、当局への報告や販売禁止等の義務を課しています。

4.バーモント州:有害化学物質規制法

2014年6月に制定されました。高懸念物質としてホルムアルデヒドやアニリン、水銀、カドミウム、難燃剤、フタル酸エステル類など66物質を特定し、2016年7月から高懸念物質を含有する子供向け製品の製造・販売企業に定期的な報告を義務付けるとともに、当局に対して、2017年7月1日までに販売禁止等の追加措置を行う場合の立法手続きを定めるよう求めています。

ここでは、代表的な州の動向を取り上げましたが、(1)物質の特定、(2)当局への報告、(3)規制措置(代替化・販売禁止等)といった規制の枠組みは各州ともに共通しており、またこの動きが、その他の州(アラスカ州、ミネソタ州、マサチューセッツ州、オレゴン州、コネチカット州等)でも法案が検討される等米国における1つの潮流となっています。
 このような州法の枠組みは、EU REACH規則における成形品中のSVHCに関する(1)SVHCの特定、(2)SVHCの届出や情報伝達、(3)認可といった流れと似通った枠組みであるともいえます。
 このように消費者製品、特に子供向け製品に関する規制は子供を保護するという大義のもと、他の環境法規制に比べて比較的早期に成立する傾向にあるようです。そのため、州独自の法規制といっても細かな点での差異はあるにせよ、各州は「類似の枠組み」であり、また対象物質もEUや米国連邦、他州等が定めたものを参考に作成されているため多くの物質が共通です。
 米国の全州の動きを常にウォッチすることが困難ですが、カリフォルニア州やワシントン州等の先行する州の規制を把握することで、新たに制定される他州の規制についても理解しやすいものになると考えます。

(井上 晋一)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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