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ここが知りたい REACH規則

コラム

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14.06.06

EUの製品市場監視について

不安全・不安心な製品の販売禁止や消費者保護はEUでも重要な政策になっています。2013年2月13日にEU委員会は「単一市場内で循環する消費者製品の安全性を向上させ、ステップアップするために第三国から輸入も含めて、すべての非食品等に関する市場監視の新しいルール」提案しました1)。このパッケージ提案は消費者保護を強化し、企業のために公平な競争の場を作るもので、食品以外を対象として2015年1月の発効を目指しています。

パッケージの構成は次です。

日本企業にとって関心の高い「製品の市場監視に関する単一規則案〔COM(2013)75 final〕」について、2014年4月15日にEU議会で修正案〔P7_TA-PROV(2014)0384〕が採択されました2)

この規則の発効によりRoHS(II)指令の第18条(市場監視及び管理)は廃止されるなど市場監視が統一的に運用されます。この提案及び修正案から、市場監視の背景や狙いを整理してみます。

第2条の範囲(Scope)で、「消費者向け製品安全の規則」、「調和された法令(Union harmonisation legislation)」が適用されるすべての製品に適用されるとしています。この規則は製品の組立、自己使用およ及び他の「調和された法令」でこの規則と同じ目的を持つ特定の条項が含まれていない場合に適用されます。 製品の定義は製造プロセスから得られる製品となっていますが、修正案では「製品は製造プロセスによって生み出される物質、混合、調合または品物を意味し、食品、飼料、ヒト由来および将来の再生に直接関係する植物や動物の製品以外の製品」として、事実上すべての製品が対象となります。
ただし、適用範囲から次は除外されます。

  • ヒトまたは獣医学的使用のための医薬品
  • 医療機器および体外診断医療機器
  • 血液、組織、細胞、器官およびヒト起源の他の物質

第4条により市場監視は加盟国が行います。市場監視は組織され、「ヨーロッパ市場監視フォーラム」が設立され、危険を示している製品が連盟市場で利用可能とならないことを確実とする目的でこの規則に従って実施されます。そして、そのような製品が製造された所で、製品で示される危険を取り除くために利用可能な効果的な処置がとられます。
 監視当局の権限も強化されています。第4条で加盟国はこの規則の適用製品について市場監視を組織的に行い、危険な製品が利用されないようにします。危険な製品が利用可能となったところで、製品で示される危険を取り除くために効果的処置がとられます。

第5条で、加盟国は、市場監視当局を設立し、彼らの任務、権限と組織化しなくてはなりません。

第6条で、市場監視当局は、十分な規模で製品の特性の適切なチェックを行い、そして、十分な頻度で文書によってチェックします。そして、必要な場合は物理的照合と試験所で十分なサンプルに基づいてチェックします。さらに、市場監視当局は、公平かつ偏りなく、独立してその職務を遂行するものとし、この規則に基づく義務を履行しなければならないとされています。
 市場監視当局は、とられる修正措置を勧告し、経済オペレーターと同意することもあります。

第9条で当局がリスク評価しリスクが示される場合は、経済オペレーターに是正を要求し、経済オペレーターが対応しない場合は、市場監視当局が市場導入の取り下げやリコールさせます。
 次のような場合が不適合になります。

  • CEマーキングやEU 調和された法規制によって要求される他のマーキングが貼付されていないか、正しく取り付けされていない
  • EU適合宣言が必要な場合に、作成されていないか、正しく作成されていない
  • 技術資料が不完全であるか、使用できない
  • 使用のために必要なラベルや指示が不完全であるか、不足している

第10条は、この経済オペレーターのアイデンティティが確認できないときや期間内に必要な修正処置を取っていない場合は、10日間の猶予が与えられます。

第20条により非適合品については、経済オペレーターによる是正処置や当局の措置などは、RAPEX(緊急警報システム)で情報交換がされます。
 RAPEXは消費者向け製品安全の規則により運営をされています。一方、ニューアプローチによる市場監視は765/2008/ECでICSMS(Information and Communication System on Market Surveillance)で行われています3)4)
 ICSMSはEU委員会のITシステムで、加盟国の市場監視当局のための包括的なコミュニケーションプラットフォームを提供しています。

第21条でICSMSについての位置づけが整理されて、RAPEXとの調整がとられています。
 ICSMSの構造は、「Confidential Section」と「Public Section」に分かれています。
 「Confidential Section」には、製品情報 、テスト結果 、対策 や国内市場のサーベイランスプログラムの情報などのエリアディスカッションや論文が格納されています。「Public Section」には、安全に関する警告や自主回収情報が格納されます。
 現状のICSMSの日常的な運用で最も大きい欠点は、規制当局間での情報交換の方法がなく、1つの国で危険な製品として販売が禁止されても、他の国では安全な製品として販売が可能ということがあります。このため、ICSMSには、監視当局の能力、市場監視プログラム、市場調査活動のモニターやRAPEXによる是正処置の届出などが構造化されて格納されます。 議会の修正意見では、提案の製品から生じるリスクに関連する問題についての苦情やレポート(第21条d)に「リスクのその特性と識別」の追加を採択しています。
 議会の修正意見として、この規則の条項は予防原則によると前文への追加があります。

気になる第31条の罰則について、議会の修正案は、違反に該当する行政処分は少なくとも違反によって求められ、経済的利点を相殺しなければならないとし、年間売上高の10%以上であるされ、深刻な違反に関して刑事罰を含むことができるとしています。
 関連する経済オペレーターが以前に同じような違反を犯した重大な違反に関して刑事罰を含むことができ、罰則を増大させることができるとしています。
 議会修正案では受け取られた情報に基づいて、委員会は、故意にこの規則を侵害することが繰り返してわかっている経済オペレーターのEU全体のブラックリストを発表し、アップデートするものとします。

このように一般消費者保護への厳しい要求や罰則の強化が始まっています。

1)http://europa.eu/rapid/press-release_IP-13-111_en.htm
2)http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do?type=TA&reference=P7-TA-2014-0384&language=EN&ring=A7-2013-0346
3)http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:218:0030:0047:en:PDF
4)http://ec.europa.eu/enterprise/policies/single-market-goods/internal-market-for-products/icsms/index_en.htm#h2-4

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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