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ここが知りたい REACH規則

コラム

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13.10.11

アメリカ SECの紛争鉱物(コンフリクト・ミネラル)規制について

RoHS指令やREACH規則対応について筆者が技術相談(窓口)を受けるなかで、コンフリクト・ミネラルに関しての相談が増えています。RoHS指令などの特定化学物質規制対応とコンフリクト・ミネラルは性質が異なるのですが、川中の中小企業では、専門部署を設けることもできなく、RoHS指令などの担当者が兼務していることが多いようです。
 サプライチェーンマネジメント、Due Diligenceなどの考え方は同じですので応用はできます。コンフリクト・ミネラルに関しては、2011年2月10日付けコラムで背景などを紹介しています。その後、2012年にFinal Ruleが告示され、2014年5月31日にSECへのForm SDの提出義務が確定しましたので、日本国内でもサプライチェーンを遡っての調査がされています。

コンフリクト・ミネラル規制について、改めて整理してみます。

1.根拠法

Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection ActのSEC. 1502. CONFLICT MINERALS.でコンフリクト・ミネラル規制が決められ、SEC(Securities Exchange Act of 1934)*1のSection 13(p)にコンフリクト・ミネラルの情報開示義務を定めたFinal Ruleが定められました。
 Final Ruleは、連邦規則 17 CFR PARTS 248および249bを改正するものです。

2.要求概要

Final Ruleは100ページ近くあり、詳細なルールで、難解ですが小規模団体用にA Small Entity Compliance Guideを発行しています。

(1)対象鉱物
 コンフリクト・ミネラルとは、すず石、コロンバイト・タンタライト(タンタルの原石)、金、鉄マンガン重石、またはそれらの派生物(cassiterite, columbite-tantalite, gold, wolframite, or their derivatives)およびコンゴまたは隣接国コンゴ民主共和国での紛争の資金調達として国務長官が定めた他の鉱物とその派生物と定義(SEC1502_e)されています。タンタルは「コンデンサー」の材料、錫は「はんだ」の材料ですから、原鉱石規制により対象が幅広くなっています。

(2)対象企業
 SECの対象は、SECに10-K,20-Fで年次報告を義務付けられている企業です。この報告情報はウェブサイトを通して開示されます。コンフリクト・ミネラルの情報開示義務もこの延長として考えられています。
 対象企業は、上記要件および製造または製造を委託した製品の機能または生産に紛争鉱物が必要である者とされ、報告は10-K,20-FではなくForm SDで行います。
 製造を委託した場合も対象となりますが、次は報告対象となりません。

  • 第三者により製造された製品に、単にブランド名、ロゴやマークを貼付するだけ
  • 第三者により製造された製品の調整、メンテナンスや修理をする
  • 対象製品の製造に直接関係のない製造者の契約条件の指定や交渉したりするだけ

また、生産設備は対象ではありません。

(3)コンフリクト・ミネラルの規制対象地域(DRC:コンゴ及び周辺地域)産出の判定
 コンフリクト・ミネラルを使用する企業は、その鉱物が今後またはその他の対象地域の産出品なのか、再生されたか廃棄物由来であるのかの調査は、善意にもとづき、誠実に実行して、合理的に妥当な判断ができるように設計されたものでなければならないとしています。
 調査結果は5分類となります。

  • 対象地域の産出ではない
  • 再生または廃棄物起源である
  • 対象地域の産出である
  • 再生または廃棄物起源でない
  • 判定できない

この調査結果は企業のWebで公開します。

3.Form SD

SECのSection 13(p)は2012年11月13日に発効し、2013年1月1日から1年間について、2014年5月31日までに最初の報告が求められます。報告は10-K、20-Fとは異なり独自のForm SDで行います。報告内容に対する責任追及は10-K、20-FよりForm SDが緩やかになると言われています。
 Form SDは前記の2012年8月22日の文書*1に示されている次の内容を記述します。

(1)コンフリクト・ミネラルの開示と報告
 コンフリクト・ミネラルの合理的な原産国調査を誠実に実行した結果、必要な紛争鉱物がコンゴ民主共和国もしくはその周辺国を原産国としない、または再生利用品もしくはスクラップ起源であると判断した場合などについて記述しなくてはなりません。 報告には、紛争鉱物の起源と加工・流通過程に関するデュー・ディリジェンスを実行するために登録者が取った措置の説明することが求められています。デュー・ディリジェンスは「やるべきことを実施する」というような意味ですが、コンフリクト・ミネラルに関してはOECDがガイドを出しています。
 デュー・ディリジェンスでの調査結果ではDRCコンフリクト・ミネラルフリーだけでなく、判定不能もあり、その場合の記述も要求があります。

(2)添付書類
 添付書類としてコンフリクト・ミネラル報告書が要求されます。 報告書は「DRCコンフリクト・フリー」「DRCコンフリクト判定不可」の場合で、手順が異なります。

  • 「DRCコンフリクト・フリー」
    • 報告書は独立した民間部門による監査を受ける
    • 監査人を特定し、監査を証明する
    • 監査レポートを紛争鉱物レポートに添付する
    • 作成者を明記する
    鉱山から採掘されたのではなく、リサイクルやスクラップ由来である鉱物については、「DRCコンフリクトフリー」と判定されます。
  • 「DRCコンフリクト・フリー」と判定できない
    • DRCコンフリクト・フリーの手順
    • DRCコンフリクト・フリーとは判定できなかったことの記載
    • 分っている場合は処理に関わった施設名
    • デュー・ディリジェンスの改善など
  • DRCコンフリクト判定不可
    DRC産出鉱物、あるいは武装グループの資金源になっていたかどうかを特定できない場合は、「DRCコンフリクト判定不可」とされます。判定不可の基本は2年間で小規模企業は4年間の限定的な措置です。

(3)Webでの公開
 SEC 13(p)(1)(A)によりコンフリクト・ミネラル情報を自社のインターネット・ウェブサイトで公衆に提供する義務があります。日本企業でもWeb公開している事例*2が増えています。JEITAでも対応のサポートをしていて、EICCの回答テンプレートも紹介しています。ようやく対応のための情報が整ってきました。

なお、SECの規則も連邦規則集に収載されますが、Form SD の本文は連邦規則集に表示しないとしています。

(松浦 徹也)

*1
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2012-09-12/pdf/2012-21153.pdf
http://www.sec.gov/rules/final/2012/34-67716.pdf

*2
http://www.senju-m.co.jp/csr/procurement/conflict/index.html
http://www.jama.or.jp/c_minerals/index.html

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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