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ここが知りたい REACH規則

コラム

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13.09.20

アジアの化学物質規制法(3)

前回前々回に続いて気になるアジア諸国の化学物質規制法の概況をまとめてみます。

【インド】

インドの面積は日本の約9倍、人口は約10倍で、GDPは2013年4-6月期で4.4%増と一時低迷していた景気も回復してきています。人口の多さや経済成長が高いこともあり、日本企業が注目している国の1つです。
 インドでは、化学物質に関しても国際整合をとりつつも厳格な規制の方向に向かっています。

1.化学政策
 2012年に化学政策がNCP(The Nationalist Congress Party)2012(Draft)として発表されています。化学政策では、農業経済から先進経済への転身には化学工業が重要であると認識を示し、ビジョンとして次を示しています。

(1)環境に優しい方法で化学産業の成長および発展を促進する
(2)地域のニーズ、持続可能性、グリーン技術?プロセスを満たす技術革新に焦点を当てる
(3)世界的競争力を持つ主要なプレーヤーになることを可能にする

方向性として化学政策の統合を意味する化学クラスター構想や現行法規制が環境森林省による環境保全法、労働省による工場法などの統合強化を狙っています。
 インドには化学物質の登録、国家目録、制限や詳細な分類基準やラベル、輸送分類法がないとして、REACH規則の導入の必要性を認めています。
 化学標準開発機関(CSDO)により、既存の環境基準、規制、政策を再評価し、再策定することも示しています。

2.有害化学物質の製造、貯蔵および輸入規則
 the Manufacture, Storage and Import of Hazardous Chemical Rulesは1989年に制定され、2000年に改定されています1)
 規則による規制対象の有害化学物質(Hazardous Chemical)は用語の定義で、別表1(SCHEDULE 1)に記載されている基準およびリスト物質です。別表1のPart1の分類基準は表のようです。

別表1・Part1の分類基準
毒性 経口毒性
LD50(mg/kg)
経皮毒性
LD50(mg/kg)
吸入毒性
LC50(mg/l)
1 猛毒物 > 5 <40 <0.5
2 高毒物 >5-50 >40-200 <0.5 - 2.0
3 毒物 >50-200 >200-1000 >2-10

区分基準はGHSの基準(JIS Z 7252)と比較しますと微妙な違いがあります。例えば、経口急性毒性はJISでは次になっています。
  0<区分1≦5
  5<区分2≦50
  50<区分3≦300
  300<区分4≦2000

別表1のPart1には、可燃性物質として、「可燃性ガス」「高引火性液体」や「火薬」の定義もあります。
 Part1の基準により、Part2に有害化学物質はアセトアルデヒドなど684物質が特定されています。Rule17では、別表1のPart1の分類された物質は、ラベル表示、SDSの入手および作成の義務があります。SDSの様式は別表9に示されていますが、GHSの様式とは異なっています。

SDS様式は次です。
(1)CHEMICAL IDENTITY
(2)PHYSICAL AND CHEMICAL DATA
(3)FIRE AND EXPLOSION HAZARD DATA
(4)REACTIVITY DATA
(5)HEALTH HAZARD DATA
(6)PREVENTIVE MEASURES
(7)EMERGENCY AND FIRST AID MEASURE
(8)ADDITIONAL INFORMATION / REFERENCES
(9)MANUFACTURER / SUPPLIER DATA
(10)DISCLAIMER

Rule18では、別表1のPart1の分類に合致する物質、またはPart2に収載された物質の輸入には30日前までに、輸入量や化学物質安全情報などを提出しなくてはなりません。

3.GHSによる分類と表示
 GHSによる分類と表示は、Draft Hazardous Substances (Classification , Packing and Labelling ) Rules 2011として2011年7月8日に発表されました。
 ハザード分類はClass1(火薬類)からClass9(その他)の9分類で、詳細基準は別表2にあります。3,495物質について分類結果が別表1にあり、別表1Part2に危険化学品として、輸入規則の別表1のPart2の684物質が収載されています。
 別表6にGHS方式のSDSの様式が規定されています。ピクトグラムはGHSと同じで、国連輸送マークも規定されています。
 684物質をインドに輸出する場合はGHS様式のSDSとラベルの義務があります。

4.その他の規制
 インドは有害廃棄物の規制強化をしています。この一環でインドRoHS法2012年5月25日付けコラム参照)も制定された経緯もあります。
 有害廃棄物規制法などをまとめたページがあります。

【フィリピン】

フィリピンは一時経済が低迷していましたが、最近は経済成長が著しく、これに伴い日本企業が再び進出しています。GHS導入などの国際調和も進んでいます。

1.有害物質および有害および核廃棄物管理法(Toxic Substances and Hazardous and Nuclear Wastes Control Act of 1990:REPUBLIC ACT 6969)  有害物質および有害および核廃棄物管理法の目的(第2条)は、「不当なリスクおよび/または健康や環境への危害が存在する化学物質や混合物の製造、加工、販売、流通、使用、廃棄、輸入を規制、制限または禁止する」ものです。

危険物はどちらかを示す物質です。
(1) 急性毒性物質:食物摂取、吸入または皮膚吸収、腐食性又はその他の皮膚や眼との接触の危険性や火災や爆発の危険性物質
(2) 反復暴露による慢性毒性、発癌性を含む長期的な環境危険影響物質(ある場合には急性被曝によって生じる可能性はあるが、長い潜伏期、生物分解により解毒プロセスが疎外されて地下、表層水を汚染する可能性や悪臭のような不快特性で起因する)

新規化学物質、混合物を初めて製造、輸入する90日前までに、製造および輸入前要件として第8条で次の届出義務を課しています。

  • 化学物質の名称
  • 分子構造
  • 提案された使用のカテゴリ
  • 生産、加工または輸入される量の推定
  • その処理・処分、及びメーカー、プロセッサまたは輸入者が持つ健康や環境への影響に関連するすべてのテストデータ
  • SDS (ISO 11014 または GHS様式)

製造および輸入前要件のガイドがWebで公開されています。
 環境天然資源省長官は、第8条の出願を受けて90日以内に輸入、製造、処理、販売、分配、使用または処分を規制するか、または禁止するかどうか決めます(第10条)。

届出情報で「化学物質または混合物が健康や環境暴露そこに不当なリスクを提示することができると信じる理由が存在する」「不十分なデータ」などの場合は、試験が行われ、その費用は請求されます(第9条)。

「既存化学物質の目録に記載されている化学物質や混合物のカテゴリに含まれる」「単独又は実験的研究開発目的のために少量で生産される」「健康と環境に不当なリスクが存在しない化学物質および混合物」「化学物質の混合物の製造または処理における化学反応の結果として一時的に存在するもので、まったくヒトまたは環境暴露を持たない混合物」は、製造前届出は免除されます(第11条)。

既存化学物質リスト「The Philippine Inventory of Chemicals and Chemical Substances (PICCS) 」は環境天然資源省長官が策定します。Webで検索できます。
 公衆の健康、労働環境や環境に不当なリスクをもたらす判定された優先化学物質(PCL)が定められて、PCLを使用、製造、輸入するのはCompliance Certificateの提出義務があります。PCLとしては、1、4クロロベンゼンなどが指定されています。PCLに関するガイドはWebにあります。

2.GHSによる分類と表示規則
 GHS導入は2009年5月から進められており、現在は第3次(Final)草案(Rules and Procedures for the Safety Data Sheet (SDS),Labeling Requirements and Hazards Classification under DENR Administrative Order No. 29, Series of 1992 of Republic Act 6969 for the Adoption and Implementation of the Globally Harmonized System)です。
 名称にありますように、Republic Act 6969(有害物質及び有害及び核廃棄物管理法)の手順の位置づけで、用語の定義などは同じです。

GHSによる分類と表示規則草案では、産業有毒化学物質と混合物(industrial toxic chemicals and mixtures)のSDS作成提供とラベルリングの要件と手順のガイドを開発と定義を目的としています。

GHSによる分類と表示規則の対象はセクションIVに次のように規定されています。
(1)フィリピン内で製造、輸入、分配、使用、保管、輸送されるすべての化学物質及び混合物
(2) 有害物質及び有害及び核廃棄物管理法の優先化学物質(PCL)
(3) 化学的制御要求物質、大量の有毒化学物質、IATA(国際航空運送協会)およびIMDG(国際海上危険物規則)による規制対象の危険物質およびそれらの混合物
 GHSによる分類と表示草案は、一般公衆と環境に対する潜在的健康リスクと影響を与える化学物質の危険性に関する情報を伝達するために、分類、表示およびSDS要件に対処しなければならないとしています。

適用時期はセクションVで段階的に適用されます。

i.発効の3年後

  • CCO化学物質
  • PCL化学物質

注:CCOは、製造、輸入、輸送、プロセス、保管、所持と卸売を優先化学物質についての制限、禁止、または使用を規制する化学物質管理令の略です。
 優先化学物質はDENR(環境天然資源省)が、公衆衛生、職場、環境内にもたらされる重大なリスクの段階的規制、規制または禁止されていると判断した物質です。

ii.iの2年後

  • 高生産量有害化学物質

iii.iiの1年後

  • IATAおよびIMDGによる規制対象の危険物質およびそれらの混合物

iv.混合物は発効7年後

ラベリングはセクション7.0A、SDSはセクション7.0Bにあります。内容はGHSと同じです。

なお、ラオスやミャンマーではGHS化の情報は入手できていません。

(松浦 徹也)

1)http://envfor.nic.in/legis/hsm/msihcar.html
http://www.labourandemployment.gov.in/idmis/download-pdf/acts-rules/msihc.pdf
http://www.lawsindia.com/Industrial%20Law/c_007.htm

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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