本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

REACH検索

13.07.12

デンマーク特定フタル酸エステルの制限規則の施行延期

デンマークの環境保護庁は2012年12月7日に公布した、2013年12月1日から室内で使用される特定フタル酸エステルの含有制限を定めた政令の施行日を2年間延長し、2015年12月1日とすることを5月21日に発表しています1)
 デンマークの環境保護庁は延期の理由として、規制対象となっている4種類のフタル酸エステルが当初想定していたよりも幅広く一般に利用されており、当初の施行日(2013年12月1日)までに製造者が段階的に廃止することができないと判断したためとしています。

デンマークがフタル酸ビス(2-エチルヘキシル、DEHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジブチル(DBH)およびフタル酸ジイソブチル(DIBP)の4つのフタル酸エステルを含有する製品の輸入、販売を禁止する政令2)の規制内容は以下です。

  • 屋内で使用される製品もしくは皮膚や粘膜に直接接触する可能性のある部品を含んでいる製品中に、1つあるいは1つ以上の特定フタル酸エステル(附属書Iに記載されているDEHP、BBP、DBH、DIBPの4つのフタル酸エステル)が重量比0.1%以上含有している場合、当該製品の輸入および販売を制限する
  • 適用時期は2013年12月1日、ただし、EU RoHS(Ⅱ)(2011/65/EU)指令に含まれる電気電子機器製品は2014年12月1日

実は、デンマークは、REACH規則附属書XIVに収載されている上記4つのフタル酸エステルを重量比0.1%以上含有する室内仕様製品および皮膚、粘膜と接触する可能性のある製品の上市を制限する提案を2011年にREACH規則68条に基づきECHAに提案していました。

この提案に対し、2012年6月のリスク評価委員会(RAC)において4種のフタレートに対し、デンマークが主張する組合せによる暴露リスクは現時点では認められないことから正当化されないという結論が出され、また、社会経済性委員会(SEAC)においても同様に正当化されないとの意見をまとめたうえで意見募集を行い、その結果を反映して2012年12月15日までにとりまとめを行う予定となっていました。

以上の経過から、EUへの提案が認められない可能性が高いことに対してデンマークでは、自国内での科学的な根拠に基づいて上記の政令を交付し、独自の規制に踏み切った経緯があります(2013年2月1日付けRoHS指令コラム参照)。

今回の施行延期に関連し、デンマークの環境大臣は、以下のようなコメントを発表しています。

対象となっている4つのフタレートは予想よりも大幅に普及しており、製造者はデンマーク環境省が当初望んでいたように早期に市場から撤去することができないので制限は延期された。自身にとって最も重要なことは消費者の保護であるが、われわれが行っている努力は実現可能で効果的でなければならない。われわれは、この問題にどう対処すべきかを産業界と対話してきた。そして、これらの物質の使用を段階的に廃止することが必要であることの理解を共有することができたことを喜びたい。
 グローバルに製造方法に影響を与えることは挑戦的であるが、それにもかかわらず、それはわれわれが目指すものである。特に、フタレートの使用を考慮するとわれわれが最初に予期したよりもずっと幅広いものである。
 環境大臣は、使用禁止によりシャワーカーテン、プラスチックテーブルクロス、ビニールフロアタイル、ケーブルおよびワイヤーのような日常使用する製品の健康リスクに対し国民を保護することを望んでいる。禁止が施行されるまで、消費者にはこれら4つのフタレートを含んでいる製品について知らせることが必要である。
 デンマーク消費者委員会と共に、消費者が購入する製品に存在するフタレートもしくはその他の有害化学品について消費者が情報を簡単に見出すことを望んでいる。

環境大臣はまた以下のように述べています。

「消費者は、これらの製品にフタレートが存在するかどうかを知る権利があり、禁止が施行されるまで消費者がフタレートフリー製品を選択するために利用されるべき権利である」
 4つのフタレートを含む製品を廃止するための実現可能性のある解決策は産業界との緊密な協調のもとで現在開発中である。
 以下のイニシャティブが合意されており、やがて実施されるであろう。

  • 産業界はEUにおけるフタレート禁止を活発に支援する
  • 環境大臣と協調し、産業界はフタレートの使用禁止のための企業支援を目的としたガイドラインを準備する。同時に、フタレートを含んだ製品を特定し、適切な代替品を見つけることについて企業を支援する
  • 4つのフタレートの廃止の促進を議論するため環境大臣と産業界は定期的に会合を持つ
  • 4つのフタレートを含有しない製品に対し該当する表示のためのオプションを産業と環境大臣によって調査される
  • 環境大臣と協調している組織は以下のような商工団体、産業連盟、IT、電気通信、エレクトロニクス、家電協会等の団体である。
    • the Danish Chamber of Commerce , the Confederation of Danish Industry , DI ITEK - the Danish ICT and electronics federation for IT , telecommunications , electronics and communication enterprises ,FEHA - the Danish Association for Suppliers of Electrical Domestic appliances , BFE - the Danish Consumer Electronics Association , ITB - the Danish IT Association , and the Danish Battery Association.

わが国の可塑工業会(JPIA)では、2013年4月10日のニュースリリースにおいて「フタル酸エステル類の世界動向、その対応と今後の展開」の「5.欧州フタレート系化学物質規制(3)デンマークによるフタレート酸エステル類制限提案(4)デンマーク制限提案に対してJPIAが実施してきたこと」においてJPIAとしてのデンマークの制限提案に対する見解とECHAパプリックコメントに対する意見書提出、在欧日系ビジネス協議会(JBCE)に加入し意見書提出も含めたロビー活動、経済産業省、日本化学工業会への支援要請、需要家各工業会への意見書提出依頼(欧、米、中国、タイ、印、ブラジル、韓国等)、海外同業者(可塑剤メーカーグループ)と協働、DEHP毒性の種差を示す試験結果を専門誌への投稿等の対応を行ったことが述べられています3)。

1)http://www.mim.dk/eng/News/20130529_phthalateban.htm
2)https://www.retsinformation.dk/Forms/R0710.aspx?id=143212&exp=1
3)http://www.kasozai.gr.jp/news/news34.html

(瀧山 森雄)

中小企業の方を対象として、海外ビジネスに関する質問を無料で受け付けています。
中小機構「中小企業国際化支援アドバイス

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


このページの先頭へ