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ここが知りたい REACH規則

コラム

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13.05.24

韓国版REACH「化学物質の登録及び評価等に関する法律」が成立

急展開ですが、「化学物質の登録及び評価等に関する法律」(以下:韓国版REACH)が2013年4月30日に議会で可決されました。
 2011年に発表された立法予告は、意見募集等などが行われ、昨年2012年9月に政府案が国会に提出されていました。その後、大統領選挙で審議が中断していたようですが、4月になり、一部議員団から修正の提案が出され、これら修正内容を取り込んだ法案が、議会で議決され成立しました1)
 成立法案は、2012年の政府案からは少し厳しい規制内容となった感がします。全体的に見ますとEU REACHに似通った規制が取り込まれています。政府案では、段階的に2年間にかけて全面施行することになっていましたが、成立案では2015年1月1日に、段階を踏まず、一気に施行されることになっています。実施のための施行令や施行規則がまだ未公表です。具体的な施行内容については不明な点が多くありますが、成立法案の概要を簡単に紹介します。

1.化学物質の報告

成立法案では、新規化学物質および年間1t以上の既存化学物質の製造・輸入量と用途について毎年の年間報告が義務付けられます。
 2012年の修正案では、年間1t以上のすべての化学物質について、2年ごとに製造・輸入量の用途の報告が義務付けられていました。注意すべき点は、報告は毎年に、また、新規化学物質の年間1tの足きりが削除されていることです。

2.化学物質の登録

成立法案では、新規化学物質および年間1t以上の登録対象の既存化学物質の登録が義務付けられます。新規化学物質の登録義務においても、年間1tの足きりが削除されています。ただし、1t未満でも懸念の大きい化学物質に対しては1t未満でも登録義務が課される場合があります。
 登録対象の既存化学物質の登録期限については、別途猶予期間が設けられることになっています。また、登録免除規定が設けられています。現行の有害化学物質管理法での新規化学物質の事前確認、登録免除等の条件等がどの様に移行されるかについては、現時点では不明です。
 登録に当たって提出する資料は、EU REACH規則のケースと近いものです。既存化学物質の資料については、原則、共同提出を求めています。ただし、EU REACH規則のようなSIEF規定は設けられていません。また、一部の試験データについては、試験計画書の提出が認められています。登録された資料には、先の登録者の同意を得て使用することが出来ます。脊椎動物試験は最小回しか実施できないことになっています。

3.リスク評価の実施

登録された物質の内、10t以上の物質について、環境部長官によりリスク評価が実施されます。2012年の修正案では、リスク評価の対象は100t以上でしたが、REACH規則と同じく10t以上とトン数が引き下げられています。100t以上の物質のリスク評価は2015年1月1日から、その後2年ごとに70t以上、50t以上、20t以上、10t以上については2020年1月1日から実施の計画となっています。

4.許可物質制度

製造、輸入、使用に許可を取得が必要な制度が導入されます。許可対象物質に指定された場合は、猶予期間内に、製造、輸入、使用する前に許可を取得する必要があります。制度はREACH規則の認可制度に類似しています。

5.懸念のある製品の管理

今回の成立法案で注意しなければならないのは、立法予告案でありました有害物質を含有する製品に関する諸規定が復活していることです。
 成立法案では、有害化学物質が含有された製品の製造・輸入に当たっては、事前に、製品に含まれる有害化学物質の総量が年間1tを超える場合に、その名称、含有量や有害性情報、製品内の有害化学物質の用途等を環境部長官への申告する義務の規定が設けられました。これらの製品のリスク評価が製品品目別に実施されます。また、安全表示の規定が設けられ、製品の譲渡に当たっては、有害物質の名称、用途、条件を提供する必要があります。

なお、成立法案では、「製品」および「懸念のある製品」は下記のように定義されています。

  • 「製品」とは、消費者が最終的に使用する物品またはその部分品または付属品として消費者への化学物質の暴露を誘発する可能性のある次の製品をさす。
    • (1)混合物からなる製品
    • (2)化学物質が使用過程で流出されずに特定の固体の形で一定の機能を発揮する製品
  • 「懸念のある製品」とは、次の下記の化学製品の中で、国民の健康や環境へのリスクがあると懸念され、環境部長官が関係中央行政機関の長との協議を経て告示したもの。
    • (1)洗浄剤、芳香剤、接着剤、光沢剤、消臭剤、合成洗剤、漂白剤や柔軟剤などの一般的な消費者が主に生活用に使用している製品
    • (2)防虫剤、殺菌剤、防腐剤などのように人や動物を除くすべての有害生物を殺すか、または生物の活動を妨害・阻害するために使用される製品
6.国外製造者・生産者の代理人の任命

現行の有害化学物質管理法では、新規化学物質の届出等は、韓国の輸入者が行い、韓国国外の製造者・輸出者は届出等を行うことができませんでした。
 K-REACHにおいては、EU REACH規則と同じく、国外の製造者が韓国内に代理人を選定し、報告、登録等の義務を行うことができます。

7.登録物質の情報提供

登録された物質に対しては、物質そのもの、あるいはそれを含む混合物を譲渡する場合、物質の登録番号、名称、有害性情報、安全に使用するための情報をMSDSに記載して提供する必要があります。

以上、概要ですが、下位の法令で決められることが多く残されています。今後、これらの内容が明らかになりましたらご紹介いたします。
 なお、「化学物質の登録及び評価等に関する法律」の制定に合わせて、「有害化学物質管理法」が「化学物質管理法」と名称が変更され、大幅に改定されています2)

1)http://likms.assembly.go.kr/bill/jsp/BillDetail.jsp?bill_id=PRC_C1P3R0E4E3O0M1T7S0Q6W5E4O5U8E4
2)http://likms.assembly.go.kr/bill/jsp/BillDetail.jsp?bill_id=PRC_Y1G3I0H4H2V4T1Z1Q3Q6P3H2Q8T3S2&list_url=/bill/jsp/LatestPassedBill.jsp

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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