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ここが知りたい REACH規則

コラム

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13.03.22

REACHにまつわる最近のニュースから(36)-REACH規則と他の法規制との整合性について-

REACH規則のcandidate listには、すでに138物質がSVHCとして収載されています。その中にはRoHS指令で含有が制限されている物質が多く含まれています。しかし、RoHS指令では、特定用途にこれらの制限が除外される項目があります。従い、日本で製造された電気電子製品(EEE)を輸出した場合、RoHS指令で含有制限が除外されていても、REACH規則で成形品に課せられた義務を順守する必要があります。このような例については、2012年11月22日付けコラムで紹介しました。
 他方、EUの企業にとっては、上述のREACH規則とRoHS指令の関係の状況は異なります。すなわち、補完的な規制ではなく場合によっては矛盾する規制になりかねません。

このためヨーロッパ技術工業会(European Engineering Industries Association:Orgalime)からは、2013年3月8日に「REACHとRoHS2の真に補完的な首尾一貫し実施を確保するために」というポジションペーパーを発表しています。

この中には、次のような例を挙げています。

【重複する例】
 ・REACH規則附属書XVIIの水銀の制限
 この制限はすでにREACH規則附属書XVIIの(18a)で、体温計等で水銀の使用が制限されていましたが、委員会規則847/2012ではさらに測定用途での水銀の使用、例えば圧力計、気圧計や温度計等に水銀が使用できなくなります。この制限は、単にEUのメーカーだけが影響を受けるのではなく、EEEを輸出する場合にも影響を受けます。

【矛盾が起こす可能性のある例】
 ご承知のように、下記の物質は附属書XIVに収載され、認可がなければEU域内では使用できない日、sunset date(日没日)が決められています。

物質名 Sunset date(日没日)
ヘキサブロモシクロドデカン(HBCDD) 2015年2月21日
フタル酸ビス(2-エチルへキシル)(DEHP) 2015年2月21日
フタル酸ベンジルブチル(BBP) 2015年2月21日
フタル酸ジブチル(DBP) 2015年2月21日

これらの物質の認可申請が許可されず、もしRoHS(II)で制限物質となり、除外項目が認められた場合はEU域内では使用することはできないが、製品に含有される場合が出てきます。この結果、同じ製品でありながらEU域内では製造できず、EU域外で生産できこれらの製品を上市できるという、ひずんだ現象が現れることになります。
 他方、REACH規則の認可は認められたが、RoHS(II)の除外が与えられなければ、これらの物質を含有する製品は上市できないことになります。

このようなひずんだ状況は、すでにcandidate listに収載されているSVHCの中にはいくつかあります。欧州員会は、REACH Review Communicationで、このような状況を既に認識し、これらの重複を最小化し避けることを約束しています。

Orgalimeは、ポジションペーパーでは欧州委員会のコミットメントに感謝し、それらをサポートするためにいくつかの提案を出しています。REACH規則に関する提案では、下記のようなものがあります。

*Orgalimeは、RoHS指令がREACHにマージされるならば、REACHの下で消費者製品に制限を確立する一般的なアプローチを支持します。しかし、現時点では、RoHSとREACHは別々に規制されるので、RoHS(II)が制限される物質や用途は、REACH規則附属書XVIIの改正においては、これらの制限から除外されるべきと考えます。

*下記の実施をすべきと考えます
・特定の物質を制限のデータベースの構築と既存の規制の不整合を解消するための修正 ・REACHと分野ごとの規制を強力に調整:例えば、他の法律で制限されている物質とREACH附属書XIVに収載された物質の用途の個々の分析

*REACHで要求される暴露シナリオを作るためには、環境放出量を確実に推定する必要があります。このことは、REACHの登録と評価に当たっては、廃棄段階で生ずる、例えば粉砕や焼却時の物質の影響に関する必要な、あるいは不足する情報を収集し評価する必要があります。これらの情報は、川下事業者に提供する、化学物質安全報告書(CSR)、暴露シナリオやSDSに含まれることになります。
データや情報のギャップがある場合は、これらを埋めるにはREACHが第1番目の手段です。RoHS(II)を適切に実施するためには、REACHの登録と評価の実施において得られる情報が重要です。

*REACHの物質登録文書に廃棄段階における排出から生ずるリスクに関する十分な情報を含まないCSRの場合には、評価に当たっては不足する情報を登録者に提出を要求するべきです。

REACH規則は、EUにおける化学物質管理の根底となるものです。個別の分野で、化学物質の規制が設けられていることとの整合は、まだまだ不十分な状況と言えます。今後は企業の不必要な負荷をなくし、これらの規制を順守できるように法改正が行われることを期待したいものです。

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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