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ここが知りたい REACH規則

コラム

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12.07.20

REACHにまつわる最近のニュースから(27)―フタル酸エステル類の制限、Candidate Lists収載等について―

前回は、これまで紹介できていなかった最近のREACH関連のニュースを取り上げましたが、今回は、4種のフタル酸エステルの制限案の検討状況およびフタル酸エステル類のCandidate Lists収載状況および提案状況について整理し紹介します。

1.4種のフタル酸エステルの制限提案について1)

すでにREACH規則附属書XVIIでは、フタル酸エステル類のうちDEHP〔フタル酸ビス(2-エチルへキシル)〕、DBP(フタル酸ジブチル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)を一組、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸イソデシル)、DNOP(フタル酸ジn-オクチル)を一組として、それぞれ合計で0.1wt%以上含有する玩具や育児用製品の上市が禁止されています。
 これらの制限に加え、デンマークから附属書XIVに収載されている認可対象のDEHP、BBP、DBP、DIBP(フタル酸ジイソブチル)の4種のフタル酸エステルを0.1wt%以上含有する室内で使用する成形品、および皮膚や粘膜と接触する可能性のある成形品の上市を制限する提案が提出され、2011年9月から2012年2月までの6カ月間、意見募集が行われました。
 ECHAのリスク評価委員会(RAC)と社会経済性評価委員会(SEAC)では提出された意見を考慮して制限提案が審議されていましたが、6月の会議でRACは、デンマークの提案は現状においてはこれらの4種フタル酸エステルの組み合わせによる暴露のリスクは示されていないとして正当化できないとする意見を採用しています。SEACからもRACの意見と同様に、提案は正当化されないとする意見の草案が7月6日に公表され、9月3日まで意見募集が行われています。12月15日までにSEACの最終意見が採択され、ECHAはRACおよびSEACの意見を欧州委員会に提出し、欧州委員会で制限案の採否が決定されることになります。
 両委員会で合意された正当化できない理由は、これまでの規制により4種のフタル酸エステル類の使用量は減少しており、また認可対象物質であることから今後も使用量は減少すると考えられることから、組合わせによるリスクが示されていないことを挙げています。
 このECHAの両評価委員会の意見に対して、デンマークの環境保護庁はこの意見には同意していなく、特にEUに輸入される成形品による暴露のリスクがあることからこれらの制限を継続して検討するとしています。2)

2.フタル酸エステル類のCandidate Lists収載の状況

2012年7月15日現在のCandidate Lists収載済みの物質と加盟国から収載提案を出すと表明されている物質を表にまとめました。
 番号欄で数字を入れている物質はすでにCandidate Lists収載済みの物質、アルファベットを付した物質は加盟国から収載提案を出すと表明されている物質です。
 収載済みの物質の内、#1-4はすでに附属書XIVに収載済みで認可対象となっている物質です。

#5はアルキル基の炭素数が6個から8個で、7個が多いもの、#6はアルキル基の炭素数の幅を少し広くして7個から11個としています。#5(炭素数が7が多いとしていますが)や#6は炭素数が重なる部分がでてきます。また、これらには当然炭素数8のものが含まれますので、当然#2はこれらに含まれることになります。
 前回のコラムで紹介しました、セラミック繊維で先にCandidate Listsに収載されていたものが統合されましたが、将来、#2、#5、#6がどのように扱われるか気になるところです。
 前項で説明したフタル酸エステルの制限では、フタル酸エステル類はグループ化されて含有率が規定されています。このことを考えますと#6、#7は制限条項に併合されることもあるのではと考えます。
 また、Candidate Listsへ収載の提案が出されます#Aから#Dについては、すべて炭素数5の分岐状および直鎖状のアルキル基のフタル酸エステル類です。これらが個別にCandidate Listsへ収載になるのか、統合してCandidate Listsに収載されるようになるのかも気になるところです。
 これらの提案報告書やECHAでの検討の内容から、これらの物質が制限されるようとする考えに傾くのかわかるのではないかと考えます。

# 物質名 EC No. CAS No. 収載日
(報告書提出予定日)
収載理由
1 フタル酸ベンジルブチル(BBP) 201-622-7 85-68-7 2008/10/28 生殖毒性
2 フタル酸ビス(2-エチルへキシル)(DEHP) 204-211-0 117-81-7 2008/10/28 生殖毒性
3 フタル酸ジブチル(DBP) 201-557-4 84-74-2 2008/10/28 生殖毒性
4 フタル酸ジイソブチル 201-553-2 84-69-5 2010/1/13 生殖毒性
5 1,2-ベンゼンジカルボン酸,ジ-C6-8-分岐と直鎖アルキルエステル, C7-rich 276-158-1 71888-89-6 2011/6/20 生殖毒性
6 1,2-ベンゼンジカルボン酸,ジ-C7-11-分岐と直鎖アルキルエステル 271-084-6 68515-42-4 2011/6/20 生殖毒性
7 フタル酸ビス(2-メトキシエチル) 204-212-6 117-82-8 2011/12/19 生殖毒性
A フタル酸n-ペンチル-イソペンチル - - (2012/8/6) CMR
B フタル酸ジイソペンチル 210-088-4 605-50-5 (2012/8/6) CMR
C 1,2-ベンゼンジカルボン酸,ジペンチルエステル, 分岐と直鎖 284-032-2 84777-06-0 (2012/8/6) CMR
D フタル酸ジn-ペンチル 205-017-9 131-18-0 (2013/1/13) CMR

1)http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/2e01920a-31e3-40f3-8cb7-85af5906a324
2)http://www.mst.dk/Virksomhed_og_myndighed/Kemikalier/Nyheder+kemikalier/20120705ftalater.htm

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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