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ここが知りたい REACH規則

コラム

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12.06.29

化審法「一般化学物質・優先評価化学物質の届出等に係るQ&A」から

現在の化審法(改正化審法)は、平成21年5月に公布され、平成22年4月1日と23年4月1日の2段階で施行されました。今回の改正で一般化学物質と優先評価化学物質について、年間1t以上製造、輸入した場合、前年度の製造、輸入量等について届出の義務が導入されています。

届出は、平成22年度分については平成23年4-6月に、平成23年度分についても本年4-6月に届け出が行われています。経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質安全室から平成24年6月6日に「一般化学物質・優先評価化学物質の届出等に係るQ&A」が出されました。

以下、このQ&Aには項目別に以下の内容が収載されています。
1.製造数量等に関するQ&A(5問)
2.混合物中の個別化学物質に関するQ&A(12問)
3.届出書作成単位の考え方(2問)
4.自社内で全量消費 (他の化学物質に変化) する物質に関するQ&A(8問)
5.輸入に関するQ&A(5問)
6.出荷に関するQ&A(2問)
7.届出対象者に関するQ&A(4問)
8.届出対象物質の取扱いについてに関するQ&A(5問)
9.高分子化合物に関するQ&A(5問)
10.用途に関するQ&A(6問)
11.その他(3問)
12.集計結果に関するQ&A(1問)

本コラムでは、上記Q&Aの中から製造数量等および自社内での全量消費等に関連するものに焦点を絞り、以下に紹介します。

1.製造の定義
 化学物質の製造とは、「化学反応を起こさせることにより化学物質を作り出す」ことを意味します。単に複数種類の化学物質を混合する行為 (化学反応を起こさない) は、製造には該当しません(混合物)。
 化学物質を反応させて新たな化学物質が得られる場合、製造にあたり当該化学物質の前後で同じ官報番号であっても製造にあたり届出が必要です。

2.精製の取扱い
(1)化学反応を伴わない精製であれば、製造には該当しません。化学反応を伴う精製であれば、製造に該当しますので製造の届出が必要となります。
(2)化学物質を製造した後に、精製を行い95%分が出荷分として得られ、残りの5%分を廃棄した場合は、5%分は廃棄物として分離、使用されずに処理されるため製造行為とはみなされません。出荷した分量(95%分)だけを製造、出荷量として届出することとなります。

3.中和(pH調整)の取扱い
一般化学物質を製造後、酸で中和してpH調整を行う場合、そのpH調整も化学反応に該当します。従い、届出を行う物質はpH調整後の「一般化学物質の塩」となります。

4.廃液に含有される一般化学物質の取扱い
金属表面をエッチングした際に生じる廃液に一般化学物質が入っている場合の当該、廃液中の一般化学物質の届出等については以下のようになります。
(1)エッチング廃液中に含有されている一般廃棄物が、化合物として分離、使用されることなく全量廃棄物しして処理される場合は、化審法の対象外ですから届出の必要はありません。
(2)廃液中に含有されている一般化学物質を回収して有価物として販売する場合は、人為的に化学反応を起こさせることにより化合物を得ていると考えられますので届出の対象となります。

5.副次的に生成する一般化学物質
(1)一般化学物質を製造する際に、副生成物として別の一般化学物質が生成し、この副生成物を全量使用する(例:燃料等として)場合は、化学反応を起こさせることにより副生成化学物質を得ていると考えられます。従い、当該副生成化学物質は、製造と捉えられますので届出の対象となります。
(2)金属製品の製造過程で当該金属を溶解する際に、一部金属酸化物が生成され、生成された金属酸化物を販売する場合には、金属酸化物は副次的に生成される化合物になりますが、人為的に化学反応を起こさせて化合物を得ていると考えられますので届出の対象となります(例:鉛の製造過程で生成される酸化鉛)。
(3)化学物質が保管中の倉庫で空気中の酸素と酸化反応を起こし、別の化学物質に変化したような場合は、人為的に化学反応を起こしたとは考えられませんので変化後に生じた化学物質は製造等の届出は不要です。
(4)一般化学物質を精製し、不純物を取り除いた後出荷し、取り除いた不純物を廃棄物として全量廃棄する場合は、化審法の化学物質に該当しませんので届出は不要です。ただし、廃棄物として処分されず、別途、分離使用される場合は一般化学物質としての届出が必要となります。

6.天然物由来の化学物質
 海水を天日干しすることで得られる塩や除虫菊を分離精製し得られたピレスリンのように、化学反応を起こさせずに天然物から化学物質を得た場合は製造数量等の届出は対象外です。化学工業用途でアルコール発酵を行い、アルコールを得た場合は化審法の「化学物質の製造」に該当しますので製造数量等の届出対象となります。

7.塗装、金属めっきでプラスチックやガラス表面のコーティングを行う際に化学反応が起きているような場合でも、運用通知1(3)のとおり化学反応の及ぶところが局限されている場合は、化学物質の製造には該当しないため製造数量等の届出対象とはなりません (例:金属の表面処理、使用時に化学反応が起こる接着剤又は塗料)。

8.「製品」への該当/非該当について
 化学反応を起こさせて得られたものが、運用通知1(4) に規定する製品 (EU REACHで規定する成形品に相当) に該当する場合には、化学物質の製造にはあたりません。従い、届出の対象ではありません。
(1)2液型エポキシ樹脂A液とB液を自社内で製造した後に、A液とB液を自社内で混合させて硬化させる場合硬化させたものが化審法の運用通知1(4)①に規定する「製品」に該当する場合には、硬化したものについては、数量等の届出は不要です。また、製造したA液およびB液の両方については製造数量の届出が必要になりますが、出荷数量の届出は必要ありません。
 A液とB液を自社内で混合して硬化させたものが化審法の運用通知1(4)①に規定する「製品」に該当しない場合には、硬化したものについて製造数量と出荷数量の届出が必要です。なお、A液およびB液については、「自社内中間物」となりますので製造数量等の届出は必要ありません。
(2)「製品」とみなされる場合の届出等
以下に各ケースにおける輸入、製造数量および出荷数量等の届出についての考え方を 示します。
a大判の板、フィルム、接着シート等を輸入し、国内で切断処理のみを行って商品または商品の一部として流通させる場合
b繊維や糸を輸入し国内で化学反応を伴わずに加工して衣類等の商品として流通させた場合
cインクが充填されているボールペンを輸入した場合 (の輸入数量の届出)
 a、b、cの場合はともに届出の対象外となります。ただし、cの場合で、小分けされない状態でインクを輸入した場合は届出の対象となります。
d熱硬化性樹脂を型枠内で反応させて樹脂製ネジなどの製品を製造し出荷する場合
e砂や砂利等とセメントに化学反応を起こさせて、コンクリート製品を製造し出荷する場合
 d、eの場合は、ともに製品は成型品に該当するため届出の対象外です。

(瀧山 森雄)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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