本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

REACH検索

12.06.15

米国HCSの改定

米国のHCS(Hazard Communication Standard)に対して読者の関心が高いので、改めて整理してみましょう。本コンテンツのQ&A332 もご参照ください。

2012年6月20-22日、リオデジャネイロ(ブラジル)において「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催されます。1992年のリオサミットから20年の節目の年で、リオ宣言のフォローアップもテーマになっています。化学物質に関してはリオサミットで採択されたアジェンダ21の第19章(有害及び危険な製品の違法な国際的移動の防止を含む、有害化学物質の環境上適正な管理)のアクションプランBで「化学物質の分類と表示の調和」があります。これがGHSとして具体化されています。
 2002年のヨハネスブルクサミットで「予防的取組方法を考慮しつつ、透明性のある科学的根拠に基づいたリスク評価手順と科学的根拠に基づいたリスク管理手順により、化学物質が、人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成することを目指す」が合意され、ハザード管理からリスク管理へと変化しました。

HCSの改定

GHS分類が法規制の基本とする国際調和化が加速されており、EUはCLP規則、日本はJIS Z 7253(2012)、中国は危険化学品安全管理条例が改定されています。米国では分類とその規制が、法規制によりGHS分類と微妙な差異があり改定が遅れていました。
 米労働省(DOL)の職業安全衛生管理局(OSHA)が、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」に準拠した職業安全衛生法に基づく化学物質安全性データシート(SDS)を作成するため、危険有害性周知基準(Hazard Communication Standard:HCS)の見直しをしていました。OSHAは、2009年10月に提案規則のパブコメや2010年3月の公聴会などを経て、危険有害性化学品(Hazardous Chemical)を取り扱う作業場において、その化学品に曝露されるおそれのある労働者の保護を目的にした危険有害性周知基準(29CFR§1910.1200)を2012年3月26日に告示し、60日後(5月25日)に発効させました。
 HCSは「作業場で化学的安全を確実にするために、労働者にとって、化学物質のアイデンティティと危険の情報は、利用可能であって、理解できなければならない」と労働者の知る権利を背景にしています。これを受けて、HCSの大きな変更点は次の4項目となっています。

1.危険分類
 GHS分類に準拠して健康有害性と物理的危険性の物質、混合物の分類基準が29CFR§1910.1200のAppendix Aに記載されています。経口急性毒性は区分4までとするなど、JISと同様に国連GHSを部分的に採用しています。

2.ラベル
 化学品メーカーと輸入業者はGHSに準拠したラベルに次項表示しなければなりません。
 (1)製品識別
 (2)注意喚起語
 (3)危険有害性情報
 (4)ピクトグラム(複数)
 (5)使用上の注意
 (6)化学品メーカー、輸入業者、または他の責任があるパーティーの名前、住所およ び電話番号

3.SDS
 29CFR§1910.1200のAppendix DにGHSと同じ16項目の様式が指定されています。
 ただ、項目12(環境影響情報Ecological information)、項目13 (廃棄上の注意Disposal considerations)、項目14 (輸送上の注意 Transport information)、および項目15(適用法令 Regulatory information)はNon-mandatory(非義務的)とされています。
 HCSは作業場の労働者保護が目的なので、長期間経ての影響、廃棄や輸送については作業者のばく露が少ないので義務化から外されたようです。
 なお、改正で従来のMSDSからSDSに名称が変更になりました。

4.情報とトレーニング
 雇主は新ラベル要素とSDSの認識と理解を容易にするため、労働者を訓練することが要求されています。EducationではなくTrainingが要求されていることに注意する必要があります。
 なお従来のHCS(1994年)と新HCS(2012年)の変更点も整理されています。

段階的運用

HCSは段階的に運用されます。

発効 要件 義務者
2013年12月1日 新ラベル要素とSDS様式の労働者訓練 雇主
2015年6月1日
(EU CLP規則と一致)

2015年12月1日
最終規則のすべての変更条項の順守(以下は除く)

卸売業者は化学品メーカー・輸入業者によるGHSラベル以外は販売しない
化学品メーカー・輸入業者・卸売業者・雇主
2016年6月1日 必要に応じて、作業場の表示とハザードコミュニケーションプログラムの更新。
新たに特定された健康有害性と物理的危険性に関する労働者訓練の追加
雇主
まとめ

化学品はGHSによる分類を行い、特定されたハザードを表示・伝達し、リスク管理を行って、安全使用されることが目的になります。HCSは分類と表示・伝達の法規制です。次はリスク管理が重点になっていきます。

(松浦 徹也)

中小企業の方を対象として、海外ビジネスに関する質問を無料で受け付けています。
中小機構「中小企業国際化支援アドバイス

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


このページの先頭へ